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これは1冊のノートのお話。
そのノートは2人の男女が使っていたものだった。
男性は成人し、不摂生のせいか年齢より少し年老いて見える人物だった。女性の方は、まだ幼稚園に通うぐらいの年齢で、まだ、自己判断も出来ないような子供だった。2人は一緒に暮らしてはいたが、お互い干渉せず暮らしていた。正確には干渉出来なかったと言うべきだろうか。
さて、ノートの話しに戻ろう。最初そのノートは男性が日記として使っていたものだった。日々の出来事を、ツラツラと書き記すだけのもので、他人から見たらただの記録に過ぎないものだ。何時にご飯を食べ、何時に寝て、何時に何をしたかと書いてあるだけであった。
それがいつの間にか、少女もノートを落書き帳として使うようになった。少女はこのノートが最後まで使われないと分かっていたため、ノートの後ろから好きな物を描き始めた。最初は自分の理想の母親を書き、次に遊園地と描きたい物を書いていた。
男性も落書きには気づいていたが、気には止めなかった。ただ作業のように日々を送り、盲目的に生きていた為だ。ただ、少女は男性を気に止めていたのか、日記を少しだけ読んでいた。だが、少女につまらない内容で直ぐに飽きてしまった。
しばらくして、ノートは役目を終えてしまった。男性は半分を過ぎた当たりで書くことが出来なくなってしまい。少女は数ページ(10ページ未満)を書いてそのノートを閉じてしまった。
誰も使わなくなったノートはしばらく放置されたが、今では誰かのコレクションとして保管されているらしい。
だが何故か、少女が書いたとされるページは、破かれたのか、消されたのか分からないが、残って居ないそうだ。