テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
――元最強冒険者は大学生になりました――
第1話「普通の大学生、はじめました」
大学二年生のレンは、どこにでもいる普通の青年だった。
朝は寝坊し、講義に遅刻し、単位を心配し、コンビニ弁当で生きている。
唯一変わっていることがあるとすれば――
「おいレン、なんで自転車に轢かれそうになった子供を十メートル先から助けられるんだ」
幼なじみで同居人のユウトが呆れ顔で言う。
「え? なんか見えたから?」
「見えたからじゃない」
レンは首を傾げる。
本人は知らない。
かつて彼が世界最強の冒険者だったことを。
そして三年前、世界を揺るがす事件の末に記憶も力も失ったことを。
その夜。
街の地下でダンジョンゲートが開いた。
ユウトは誰にも知られず剣を抜く。
「……今日も一人で戦うか」
レンを守るために。
レンを元の世界へ戻さないために。
555
セーレス🔔
コメント
1件
読み終えました。設定の組み立て方が秀逸ですね。レンが自分の過去をまったく覚えていない「忘却の元最強」で、幼なじみのユウトだけが秘密を知って戦い続ける構図。これはかなり熱い配置です。ユウトの「レンを元の世界へ戻さないために」という一文に、物語全体の重みと複雑な関係性が凝縮されていて、思わず息を止めました。続きが気になります。