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「雨花さん!!!!」???「ん〜?」
???「…………」
???「何してるんですか?桃時さん」
「桃時」の目線の先には「雨花」がいた。そこに話しかけたのは「橙」
桃時「あいつ今何か貰おうしてるのよ」
橙「何かって……?」
桃時「まぁみててよ」
橙と桃時は雨花をじっと観察する。
「あのこれ!貰って下さい!」
雨花「なぁにこれ?」
「読んで下されば分かるので!では!!」
雨花に話しかけた男子生徒はどこかへすたこらといなくなった。
雨花「どれどれ……」
桃時「絶対あれ……」
「「ラブレターよね?」」
橙「間違いないですよ!だってあんなに恥ずかしがってましたよ?」
桃時「さぁ……どんな反応をするのか……?」
雨花「…………」
雨花はしばらく手紙を読むと、封筒にしまい、顔色一つ変えずに廊下を歩いていった。
桃時「まさかの無反応?!何でよ!!」
橙「雨花さん。ラブレター嬉しくないんですかね?」
桃時「こうなったら……」
「「会議するわよ」」
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昼休み 生徒会室にて
???「何でオレまで巻き込まれてるんだ?」
???「雨花にラブレターか……その人はみる目があるな」
「兎白」、「瑠璃人」も集まり、桃時による『雨花のラブレターについて』の会議が始まった。
瑠璃人「大体ホントなのかよ。雨花にラブレターって」
桃時「間違いないわ」
橙「私的には断ると想いますが……」
兎白「どうしてだ?」
桃時「あいつ前にそういう意味で人を好きになる感覚が分からないって言ってたのよ」
瑠璃人「感覚?そんなの好みのタイプが来たらかっこいいなとか想ってキュンとくるもんなんじゃねぇの?」
兎白「雨花は自分自身の心の機微には鈍感なのかもしれないな……」
桃時「でもアタシはだからこそ受けて欲しいわね。……雨花にはいないじゃない?」
橙「何がですか?」
桃時「例えばアタシには兎白。橙には瑠璃人がいるように……自分のことを大切に想って、隣にいてくれる特別な人。ひたすら惹かれてくれる人」
橙「いや別に瑠璃人さんと私は……」
瑠璃人「ま、まだ付き合ってねぇし……」
桃時「ハイハイそういうのは良いから」
兎白「そういう存在を自分が作ることが恐いんじゃないか?あいつに過去何があったかは知らないが、その過去が影響してあいつはきっとそういう深い仲というのを作りたがらない。きっと苦しいんだ。また傷つけ合うのが」
橙「ならだからこそそういう人を作って欲しいですね」
バタン!!!!
雨花「あ!いた!ちょっと!何でみんな生徒会室にいるの?」
瑠璃人「げっ!雨花!」
雨花「さっき橙ちゃんと桃時ちゃんこっちみてたけど何か用?」
桃時「え!?気づいてたの?!」
橙「まぁ気づくとは想ってましたが……」
雨花「そんで何してたの?」
兎白「桃時たちから聴いたんだが、お前手紙貰ったんだろ?返事どうするんだ?」
雨花「あぁ!そのことについて話してたんだね!もちろん……」
「「受けるよ」」
「え」
「「えぇぇぇぇ!!!!!!!!」」
雨花「?、そんなに驚くこと?」
桃時「あんた!恋人作るの?!」
橙「まさか受けるとは……」!
兎白「おめでとう雨花」
瑠璃人「マジか……」
雨花以外の一同が感動したり驚いたりしている。しかし……
雨花「ラブレターじゃないよ」
橙・桃時・兎白・瑠璃人「え?」
雨花は淡々と告げる。
雨花「あの手紙は軽音楽部の助っ人の勧誘。前に桃時ちゃんとクラスの人たちと一緒にカラオケに行ったじゃん?その時わたしの歌声が好きになってくれたみたいで軽音楽部でバンドやるから歌ってくれないかって言われたの。だからそれを受けるんだよ」
橙「そうだったんですね……」
瑠璃人「誰ですかね。「間違いないわ」とか言ってた人」
桃時「うっさいわよ!!」
瑠璃人「痛っ!」
兎白「じゃあもしラブレターだったらどうするつもりだったんだ?」
雨花「そんなの……」
「「断固拒否!あはっ!」」
桃時「……そう」
瑠璃人「でも考えは変わっていくだろうし、分かんねぇぜ?もしかしたら作らない気持ちを上回るほど好きになる人ができるかもしれねぇじゃん?」
雨花「あはは。そんな人できないよ〜……できたくもないよ」
橙「じゃあそろそろクラスに戻りましょう」
瑠璃人「だな」
兎白「分かった」
桃時「はぁ次体育よ?お昼の後に……」
雨花「わたしはサボろうかな〜」
雨花たちはクラスに戻って行った。
こうして雨花のラブレターについての会議は終了した。
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