テラーノベル
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それからというもの、たまにショウタは現れて…
宮舘をおちょくる様な態度を見せて、去って行く…
最初、そうとは知らずに話しかけたりして…ショウタに笑われ、揶揄われたが…
次第に見分けが付く様になって来た…
「涼太、おかえり」
宮舘が帰宅すると、リビングで寛いでいたショウタが…そう言った
「お前、ショウタだろ…」
宮舘は帰って来るなり、ジロリと睨み
ソファーに座って菓子を食べる…ショウタを見下ろし、そう言った…
「翔太は、こんな所に…今日着て行った上着を置きっぱになしにしたりはしない…」
そう言いながら、それを手に取って…シワにならない様に腕に掛けた
「翔太のモノを、雑に扱うのはやめてくれ…」
「はいはい。俺もショウタだけどね…」
「俺の翔太は、たった1人…。お前は、ショウタであって…翔太ではない」
そうハッキリと言った宮舘に、ショウタがテレビを消して向き直る
「翔太の事、何でも知ってる口ぶりだよね…」
「当たり前だ、翔太の事は…子供の頃から良く知ってる」
「それって、本当に翔太なの?」
「翔太は翔太だ…何が言いたい…」
「さあね…後は自分で考えたら?」
そう言ったショウタは、崩れる様にソファーに倒れ
宮舘は慌てて駆け寄った
「あれ…涼太?」
翔太が目を覚まして、ぼんやりと宮舘を見つめて来る
「何で涼太が、俺の上着持ってるの?」
「そんな事より、怪我はない?」
「怪我はないけど…何で、ここに?」
翔太には宮舘が帰宅したという記憶がない…
「さっき、帰って…今までショウタと話してた…」
「ショウタ?あぁ…また出たの?今日は、帰って来てからの記憶が…あんまり無いんだよね…。その内、ショウタに取って代わられるのかも…」
あまり緊張感の無い翔太に…
「そんなの俺は、絶対認めない!」
宮舘は、声を荒げて否定した
「ごめん。ちょっと言い過ぎた…」
「翔太…俺を虐めるなよ…」
そう言って宮舘は翔太を抱き締める…
その香りは、いつもと同じ翔太のモノで…宮舘は、安心して目を閉じる
『俺の翔太は、翔太だけ…』
心の中で、そう呟いて…大きくゆっくり息を吐いた
コメント
8件
このお話好き 続き楽しみです!
