「その声は…久しぶりだ。怪盗1412号…いや、黒羽盗一。」
(キッドだって!?)
ソファで仮眠を取っていた新一は、丁度起きたタイミングで優作からの思いもよらない発言を聞いてしまった。
「ああ、そうか。今は息子が継いでいるんだったな。」
(何故父さんはキッドと会話を…?キッドの正体は黒羽盗一の息子で2代目なのか…?っつーか黒羽盗一ってあの世界的マジシャンじゃねえか!そもそも父さんが俺に聴こえる距離で通話をしている理由はなんなんだよ!)
頭の中から次々とわいてくる疑問によってむしゃくしゃしている気持ちをどうにか落ち着けながら、通話を終えた優作へと話しかける。
「父さん、通話相手は誰だったんだ?」
「聞いていたなら分かるだろう?」
試したのがバレてしまったのか、優作の見透かしたかのような瞳に心臓が縮み上がる。
(ゲッやっぱりバレてたよなあー)
「新一、お前には怪盗キッドと協力をして欲しいんだ。実はこれを伝えるために帰国したんだよ」
はたまた唐突なことを言い出す優作に新一はさらに心臓が縮み上がり、ギョッとした顔をしてしまう。
「なに唐突なこと言ってんだよ!なんで俺がキッドと協力しなきゃならねえんだ!?」
「一から説明する。よく聞いておなさい」
「わ、わーったよ…」
そうして一時間に渡る説明が終わり、新一はようやく2代目怪盗キッドが置かれている立場を理解する。
「要するに、2代目怪盗キッドは俺とタメでそのパンドラとやらを壊すために宝石を盗んでるんだな?んでそのパンドラはビッグジュエルの中に入ってると…」
「そういうことだ。私はこの件に関して協力的ではないのだが、新一の力を借りたいと頼まれてしまってな…」
新一がコナンになってしまい黒の組織に追われていた時代を考えると、危ないことに首を突っ込んで欲しくないという考えに至ってしまうのも無理はないだろう。
「あの黒羽盗一さんに頼まれたんだろ?その息子さんに協力するよ、父さん」
「くれぐれも無理はしないでくれ」
「ああ、分かった」
こうして、工藤新一の怪盗キッドと協力してパンドラとパンドラを狙う組織を壊滅させよう大作戦が決行されることとなった。
「じゃじゃーん!これがオレのいっしょっうっ!」
「すげー。オメーの衣装かなり丈夫なんだな」
「なー?丈夫だろー??」
先程とは一転、新一に怪盗キッドをやってくださいと言わんばかりの口調と態度となっている快斗は、衣装を見せた後に様々な道具を見せる。
「これはな…」
「トランプ銃か。本物はすげーな」
「これは…」
「ここを押せばハンググライダーが出てくるんだろ?」
「オメー知ってんなら早く言えよ!」
事前に優作や寺井から道具の情報などの怪盗キッドに関することすべてを教えてもらっていた新一は、実物を間近で見ることこそ初めてだったものの、使い方は全て頭の中に入っていた。
「わりぃ。詳しい経路と警察の配置だけは教えてくれ」
「おう。任せとけ!キッドの口調に変えることも忘れんじゃねーぞ!」
覗き込むように言ってみせると、新一は絶対に言いたくないといった態度でため息をつく。
「あのキザったらしいセリフを吐かなきゃいけねーのか…」
「違うぜ名探偵。観客のハートを盗んでいるんですよ」
「それがキザって言ってんだよ!!」
かくして、新一の怪盗キッド成りすまし大作戦。決行!
「Ladies(レディース)♡
and…(アンド)
Gentlemen(ジェントルメ──ン)!!」
続く
(ストックほぼないのでやる気にならない限りしばらく出せません…)
コメント
5件
読むの遅くなってごめんなさい……💦 なるほど、黒羽盗一に頼まれたから新一は協力を了承したんだ……!! やっぱりキッドに成りすますから予めキッドの道具について詳しく説明聞いてたんだね!!でも、使い方知ってるってこともう少し早く言おうね……😂😂 新一がキザなセリフ言うの想像出来んからめっちゃ新鮮……!!w
わぁぁ!今回も最高でした! トランプ銃や羽の広げ方も熟知しているとは、、コナン君の時にまじかで見てたせいでしょうか(( 続き、頑張ってくださァァァい!