太宰side
私はずっと中也のことが好きだった。綺麗な茜色の髪や、眩しい笑顔、会えば喧嘩になるけれど、その一つ一つの仕草がとても愛おしいと思ってしまったから。
私の片思いだと分かっているけれど、中也も同じ思いでいてほしかった。
でも、この“想い”を伝えることはしなかった。傷つくのが怖かったから…。
ある時、抗争で友人を失い、自分の意思でマフィアから姿を消した。
(中也、ごめん…)
中也への思いは届くことは無かった。
中也side
俺は、太宰が俺に思いを寄せていることを知っていた。そのことに気づいた時、温かな感情が込み上げてきた。そして、気づいてしまった。
太宰のことが好きなんだと…
太宰を好きだと気づいてから、自分がいるこの世界の景色が変わった。俺が太宰の相棒で、隣に立っているのだと、どうしようもなく嬉しかった。
だが、この気持ちを伝えることは出来なかった。
太宰がある日突然、マフィアからいなくなってしまったから。
その日の夜、俺のセーフハウスの鍵が開いていた。
(誰かがいるのか…?)
警戒しながら家の中に入った。クローゼットや隠し扉など、細かく家の中を調べたが、誰もいなかった。
そこでふと、机の上に何かが置いてあることに気づいた。
それは一通の手紙だった。
“中也、何も言わないでいなくなってごめんね。直接言えなかったけれど、最後に一つだけ、
中也、愛してる。”
「太宰…っ」
(俺も、太宰のことを愛してる…)
「太宰、好きだ…」
視界が歪む…
(俺、泣いてるのか…)
涙が頬を伝い、手紙へと落ちた。
中也は泣いた。浸して溢れるほどの“想い”を叫びながら…
コメント
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めっちゃいいですね! 続き全力待機してます!!!