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どーして一緒にあーんしちゃうんだろ⁉️😂 良子ちゃんその指はそのままペロンと触れてあげましょう☺️舐めてもOK👌 そして颯ちゃんに任せておけば大丈夫!選ぶ自由の中で2人にとって最善の道へ導いてくれるよ✨
甘いね、颯ちゃん🥰
テーブルは小さなローテーブルがひとつ。
食事をするときは普通に座るけど、本を読んだりするときのために年末にローソファーを買った。
ソファーと言っても地べたに直置きの肘もなし、リクライニング座椅子の少しお洒落な感じのものだ。
「颯ちゃんはカーペットに座っても、ソファーに座っても窮屈そうだね…テーブルが低過ぎる?」
「俺の足が長いからだろ。これ全部買ったのか?」
「ソファーと食器とかキッチン道具だけ。家電や家具はつけてくれたの」
私はチー鱈を口に入れて少し考えてから、ここへ来た日のことから颯ちゃんに話した。
「三岡先生の事務所まで送ってもらったまま…本当にごめんね。颯ちゃんと佳ちゃんには申し訳なくて…それを思っても泣いてた……ずっと」
思い出すと未だに胸と喉元が熱くなる。
それを誤魔化すように一口焼酎のお湯割りを飲むと、いか天の袋を開けた。
「もう少し入ってたら…って思わない?ふふっ……」
そう言って笑う私の頭をガシッと掴んだ颯ちゃんは、泣き笑いの表情で
「そうだな…いつも思う……」
と言ったまま私を見つめる。
「リョウが今、こうして俺と酒飲んで笑ってるだろ?だからあの日のお前の行動は正しかったんだ。あのまま壊れるのではなく、こうして自分の部屋を持って働いて飯食って…それで良かったんだ。俺たちにも誰にも、申し訳ないと思う必要はない」
「たくさんの人に…心配かけて……迷惑かけて…今もまだ……ね…」
「いいだろ?リョウは23の立派な大人で、仕事を選ぶ自由も住む場所を選ぶ自由もある。何に縛られることなく自由でいいんだ」
「…選ぶ自由……」
「そう。リョウが選んだのがここで、北川先生のところだっただけ。忠志くんだって高校卒業してから家を出てるだろ?大して変わらない。それにたくさんの人がリョウの心配をするのは、リョウがたくさんの人に愛されてるってことだ。どうでもいい奴の心配は誰もしない」
優しい言葉が次々と押し寄せてくる。
「私…ここにいていいんだね?」
「いい」
「…颯ちゃん……嬉しいこといっぱい言ってくれるのは本当に嬉しいんだけど…」
「うん?何?」
「私が剥いたピスタチオ……全部食べないでよ」
「あっ……つい…残りは俺が剥いてやる」
そう言った颯ちゃんは、ピスタチオの殻を剥くと
「ん」
「…自分で食べるよ……」
「いいだろ?あーん…ほら、リョウ。声だして‘あーん’は?」
「颯ちゃん……恥ずかしくないの?」
「リョウの前で恥ずかしいことなんてひとつもない。一生一緒にいるんだから全てをさらけ出す方が自然だろ?ほら…あーん」
「颯ちゃんは…」
どういう風に聞けばいいのか…そもそも私は何を聞きたいのか…でも聞かなきゃ……
「颯ちゃんは…この前も一生彼女って言ってたし、今日も一生一緒にいるって言うけど……私はここにいていいとも言うでしょ?」
「言う」
即答した彼は、あーんと言っていたピスタチオを自分の口に入れ、ぐっと私に触れる距離につめて座り直す。
「それがどうした?」
「ううん、何でもないや。颯ちゃんの自信満々の‘言う’を聞いたら何でもなくなった、ふふっ……颯ちゃん、あーん」
私と颯ちゃんが一緒にいられるのかとか、どうやって一緒にいるのかとか…ふと疑問に思ったのだが、自信満々にきっぱり‘言う’と言われると何もかも大丈夫に思えてきた。
颯ちゃんは、ピスタチオを二粒指で摘まんで
「あーん」
と私の顔を覗き込む。
もう腕がぴったりと触れているので顔が近い。
パクッ……と二粒を口で迎えに行くと…ぐいっと彼の親指と人差し指が一緒に唇の内側についてきた。
……これ…どうするべきなの?