テラーノベル

テラーノベル

テレビCM放送中!!
テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

シェアするシェアする
報告する

声にならない夜①
「なあ、さっくん。ほんまに何の話やねん……」

こーじの声が低く響いた。けど、さっくんは視線をスマホに落としたまま、もう何も言わなかった。


「……俺、なんかした?」

「してないよ。ただ……俺が勝手に期待しちゃっただけ」

そう言って、さっくんはふっと笑った。けど、その笑顔はテレビで見るような明るいものじゃなかった。


「期待って、何を?」

「……気づいてくれないんだね、やっぱ」

「気づくって……ヒントくらい出せや」


ちょっと語気が強くなったこーじに、さっくんがやっと顔を上げた。

その目には、わかりやすいくらいの寂しさと諦めが混ざっていた。


「お前が彼女できたって噂、聞いたとき……しんどかった。ライブ中も、笑うのきつかった」

「あれ、ただの噂やし……」

「知ってる。でも、勝手に期待してた俺が、バカみたいだなって思っただけ」


さっくんの声が少し震えていた。

そんなの初めてで、胸の奥がずしんと重たくなる。


「……なんやねん、それ」

「ごめんね。変な空気にしちゃって」


そう言って立ち上がったさっくんの腕を、こーじは咄嗟に掴んだ。

この作品はいかがでしたか?

15

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚