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☣️×🌵 🔞無
今までのをひとつにまとめたものです。
(本当にかっこよかった。あの戦力なんとかウチに引き込めれないだろうか…..。
それに、医学の知識も薬に利用出来るだろう…)
考え事をしながら、運転をしてレギオン横を通りがかる時珍しい男の姿が見えた
空架ぐち逸である。
これはチャンスだと思い彼の元へと近づく、
彼はどうやら倒れていた人間を助けていたようだ。その中には白市民もグレーな市民[というか、限りなく黒に近い市民]を等しく治しているようだった。
「やぁやぁ、こんにちは空架ぐち逸さん。
命は平等なんですね。素敵ですね」
かれの善意は偽善なのかもしれない、だがそれでも彼の裏を少し調べれば分かった。
彼はある意味空っぽなのだ。人を救うしか、それしか彼には無いのだろう。
「まぁ、命は大切なので…」
いつも通りのセリフ
記憶をなくしたからこそのそれだけなのだ。
昨日のチェイスを思い出す。
目の前の怪我人の為ならば白市民だろうが黒市民だろうが守ろうとする。
どんな状況だろうと助けようとバイクや車、時には自分の足で走って助けに来てくれる。
[彼が欲しい…]
「どうです?これも何かのご縁ということでウチのギャング来ませんか?」
気づけば彼を餡ブレラに誘っていた
[欲しい]
「あー…、すみません。他の患者がいるのでこの話はまた今度ということで…」
そう言うと彼は私に鎮静剤をぶっ刺して足早とバイクに乗って去っていってしまった
(いやー、ほんとに面白い男だ。)
(彼をこちら側に私の元へ置いてみたい)
普段なら今のような深く執着のような感情など抱かないのだが、何故か彼に対しては期待のような好奇心のような
これから、彼が行う珍行動や英雄のようなそんな物語を見ていきたいそう思う反面彼に薬を投与し彼の記憶を消し去り餡ブレラ…いや、私しか信じれないような……
そんな、矛盾したぐちゃぐちゃな重い感情がボコボコと沸騰した血液に流れて、麻薬のように彼の虜になりそうになる
いや、もうなっているのであろう
そしてあれこれ忙しくしているうちに数日が経った。
抗争後プリズン送りにされ部下が迎えに来るのを待っていた。
ウェスカーは考えていた。
恐らく彼は868と関わりがあるのだろう
部下が空架ぐち逸について調べさせて分かったことだ。
あまり情報は取れなかったが、 麻薬を作っていることから場所や彼と仲の良い人物について調べた結果だ。
どうすれば彼を手に入れれるか、そう考えているとヘリの音がした。
「やっと来たか…」
「ボス〜!!遅れました!!!」
そう言う部下のヘリからは煙が出ていた。
「おいなんか煙出て…」
急にヘリが落ちてきた。
油断していた私はそのままヘリにぶつかりダウンしてしまった。
ヘリは私にぶつかりそのまま少し遠くの所で丸焦げになっている
「うおおぉぉい!!!!何やってんだァ!!俺いまプリズン終わったとこぉ…!!」
「ごめんなさいボス〜」
餡ブレラの個人医を待っていると目の前からバイクが来てそこには空架ぐち逸がいた
「大丈夫ですか?あ〜これは酷いですね。この場所離れた方がいいですか?」
まさかの望んでいた人物の登場に胸が高鳴る
「いや、大丈夫ですよ。出来れば私の方から治していただけれると…」
「分かりました。すぐ助けます」
かれの手が私の体に触れる
心臓が早く動いているような気がする
それになんとなく身体が熱いようなそんな気がしてきた。
いや、そうなのだろう。
私は彼の虜になっている。
「治りましたよ。それではしばらくは安静に」
そう言い私から離れようとする彼の腕を掴む
「餡ブレラに来ないか!!」
「あ、あの…離してもらっても良いですか?ヘリの人がまだなので…」
そうだ、彼はそうでなくっては…。彼は命を救うことを何よりも優先して行うのだ
信念のような犠牲心のような彼のそういうところが好きなのだ!
……すき?
(そうか私のこの執着は彼への好意…)
ならば、やる事は1つだ。
「あぁ、すまない少し取り乱してしまった」
掴んだ腕を離す
「あぁ、大丈夫ですよ。
強く頭を打っていた様なので、仕方ないと思いますよ。」
そう言いヘリの方へ歩いていった
「ボス〜ほんとすみません〜」
治されながら部下はうぅ〜…と泣きかけで謝ってきた
「いや、許そう」
お前のおかげで空架ぐち逸に出会えたからな
「治りましたよ。しばらくは安静に松葉杖でお願いしますね」
「あぁ、ありがとうぐち逸さん
そして、すみませんね。貴方を拉致させてもらう。」
「え…」
彼を殴る。もちろんぐち逸は抵抗してきたが、私は餡ブレラのボスであり戦闘面も優秀なためぐち逸の拳を避け無傷のまま彼をダウンさせることに成功した。
「ぐああああぁぁぁ!!!!」
「え、えぇ!?ボスこの人個人医で助けてくれたんじゃ!?!?どうして?」
「騒ぐんじゃない、ここはまだプリズンの出口だ。」
「は、はい…」
無線や危険物を押収しろ
終わったら迎えのヘリに乗ってアジトへ戻るぞ
………彼を私のものに作り替える
そして、餡ブレラのアジトへと戻り地下へと向かう
「彼に薬を飲ませるから地下へ連れていく、記憶が飛んだ後記憶を置き換える。他の邪魔な情報が入らないように全員別の場所でいろ」
…………………
「私をどうするつもりですか?」
ぐち逸は部屋に閉じ込められているにも関わらず冷静だった。
何故かは分からない
しかし、赤いギャングのボスを助けた日からアイツの様子が少し変だったのは確かだ。
私を閉じ込めた相手はニマニマと変な顔をしてやがる
そして、私の問いに「さぁ?」と答えるだけで詳しいことは伝えてくれない
慌てることはしない、私は感覚で逃げられないと分かっているからだ。
ここは密室人を監禁するための研究所のような所だろう
「ここから出して貰うことは…出来なさそうですね」
「いやいや、今から貴方が私が渡す新薬を飲んでくれたらここから解放いたしますよ」
にっこりと、不気味な笑みだ…
薬…なんの薬なのだろうか
ただ、まぁ…危険な薬なのだろう飲んだらヤバそうだが、彼は私を殺すつもりでも無さそうだ
良くて新薬のモルモットか悪くて自白剤で私の所属団体について吐かせるつもりだろう…
「本当に解放してくれるんですね」
もし今から飲ませられるのが本当に新薬ならば効果がどんなものか分からないというものに掛けて飲んだフリをするか…
それしかないだろう
固唾を飲み深呼吸をする
「わかりました飲みましょう」
これは賭けだ
「ふふふ、それでこそです
それでは、薬の説明をさせて頂きましょう… 」
「そんなのは要りません。早く出て患者の元へ行かなくてはなりませんので、今すぐ飲みます。」
大丈夫だ、DEPで聞いた話によるとここロスサントスの餡ブレラの薬は基本飲めば1度倒れるらしい。
それっぽく見せて期待外れの姿を晒せばきっと上手くかわせれるだろう
真っ赤なカプセル型の薬を渡される
(粉だったら終わっていたな)
そう思いながら心を決めて飲む
フリをして、倒れる…
意識がフラフラとし始めた
「あ…れ……?」
「飲んだフリをされては困るのでね。少しカプセルに細工をしました」
相手の方が1枚上手だった様だ
「くっそ………」
意識が遠くなっていく
俺は誰だろう
真っ暗な視界だ。
きっと俺は目をつぶっているのだろう
なぜこのような状態なのか記憶をさぐっても何も出てこない
よく分からない恐怖と心の空洞
恐ろしくて目を開くのが怖く思うが、それでも今…目を開かなければ自分を知るすべは無い
それでも、開いても何も分からなければ?
そんな恐怖に押しつぶされそうになりながら何十分経っただろう?
いや、数分を誇張しすぎているだけかもしれないと考え意を決して目を開いてみる
そこは1面コンクリで出来た簡素な部屋だった
生活できるものは最小限だけの部屋
俺?いや何かしっくり来ない
私?
あぁ、こっちの方がなんとなく自分に合っている気がする
「私は誰だ…」
記憶が無い
何も分からない
何も出てこないのだ。
自分が何故ここにいるか、自分の名前や年齢どんな人間だったかさえ
込み上げてくるおぞましい感情が口から漏れだしそうで手で口を抑える
「だ、だれか…」
ガチャ ギーーー
重いドアが開かれだれかが入ってくる
その人物は赤いスーツに金髪、サングラスと明らかに堅気の人間では無い
私はもしや何か手を染めてしまったのだろうか
「あ、あの…命だけは」
胸の辺りがざわざわとして恐怖で体が強ばってしまう
口を押えている手も少し震えてしまっている
「何を言ってるんだぐち逸」
男は私の元へ寄り目線を合わせてそう言った
「ぐち逸……それが私の名前なんですか?」
この人は私のことを知っている
雰囲気から私がなにかやらかして埋められるような心配性もないようだ
そう思えるとなんだかホッとして肩の力が緩む
「また記憶喪失になったのか」
また?
まさか私は過去にも同じように記憶を無くしてしまったことがあるのか?
「自分が誰か分かるか?」
そう問われ「いえ…」と小さく答える
自分の名前がぐち逸というのは分かったがそれ以外は全くもって記憶にない
こんなことが過去に何度もあったかもしれないと考えるとまた恐怖に包まれてしまう
「お前の名前は空架ぐち逸だ。そして私はウェスカーだ」
ウェスカー…さん聞いてもピンと来ない
本当に私は記憶を失ってしまったんだな…
そう考えると途端に胸の内側が苦しくなってくる
「泣かなくても大丈夫ですよ」
「え…」
ウェスカーさんにそう言われた瞬間ポタリと雫が落ち自身の服に染みる
「あ、あぁ…すみません」
なんだかわけも分からず謝ってしまう
「とりあえず私と貴方との関係についてお教えしましょうか」
今は気持ちが落ち着かないが少しでも多く自分の情報を集めなければいけない
「はい、そうですね…」
「ぐち逸さん貴方は私の専属個人医です。」
「はあ…、?なるほど私が医者」
そうか医者なのか
「まぁ、そうですよね。医師としての知識はありますか?」
「いえ、まったく。何よりも自分が人を助ける立場の人間だったのが凄く驚きですね」
そう言うとウェスカーはにっこりと笑って
「おっと、間違えないでください。
貴方は私の専属ですからね。ぐち逸さんが救っているのは私の命ですから」
専属という言葉を強調しながら言った
「専属ですもんね。ですよね…」
なんだかしっくりこないのは私が記憶をなくしているからだろうか…
「あ、あの…。ウェスカーさん」
本当に自分が医者なのか確認してみよう
私の記憶には医療に対しての知識など微塵も無いからだ
「どうしました?」
にこにことした顔が逆に恐ろしく感じて少し声が詰まる
「えと……….。その、私は本当にあなたの専属医なのですか?」
自分の中で深んだ疑問を聞いただけなのにウェスカーは無言になり顔は怒っているとは少し違うがとても怖い顔をしていた
(質問を間違えたか…?
私はもしかしてこの人に命を握られているのか?)
冷や汗がダラダラと皮膚から垂れてきて体が寒くなる
「いや、すみません何でも無いです」
今は彼の顔が見れない
「そうですか…まぁ、大丈夫ですよ」
なにが大丈夫なのか…
きっと私は踏み入れては行けない領域に入ったに違いない
逃げなくてはならない
「すみませんお腹がすいてしまって、何か食べ物を貰えないですかね?」
笑顔を作って見せるが自分でも分かる
どうしても口元が引きつってしまう
「…………」
あ、
まずい
本能的にそう思った
ウェスカーの顔はただただ恐ろしい
瞳に光などなく無表情なのに、なにか違う恐ろしい感情を向けられている
そう思うのだ
ゆっくりと後ろへと後ずさる
恐怖に腰が抜けて地べたを這いながら逃げる
ゆっくりとゆっくりとそして部屋の角にたどり着きウェスカーの方を見てみる
彼は1歩も動いていなかった
それが尚更私の恐怖心を駆り立てた
「あああ………うああぁぁぁ………うっうっ……ぅぅぅう……」
口から変な嗚咽が漏れ出てくる小さな声でだが、自身が壊れそうだ
「やはり試作段階なのがまずかったか…」
ウェスカーがそうポツリとつぶやく
「うぇ…ああぁ、いやだ…かえしてくれ……かえして」
ウェスカーが近ずいてくる
私の頭の中には既に逃げるなんて思考なんてなかった
ただうずくまって発狂しているだけだった
そして、針を刺され意識を無くす
「ちゃんと次は上手くやりますからね」
[完]