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『双子の名探偵は今日も嗤う』〜謎あるところに闇は生まれる〜2nd season
第4章 『学びの場は謎だらけ?』
〜謎に包まれた失踪事件〜
最終話 姉妹とのお別れ
デビルズパレス ドローイングルーム
『百合菜、今少しいい?』
『お姉ちゃん…。』
『自分の部屋にいなかったから探したのよ。その、大丈夫…?』
『……。』
お姉ちゃんが私を心配してるのは本当だ。でも今はそっとして欲しい。
『大丈夫…。少しずつだけど、前を向かないとね。寂しくて、今にも泣きそうだけどそれでも…。』
『百合菜…。貴方は強いわね。』
私はお姉ちゃんに頭を撫でられる。
『っ……。お姉ちゃん、一つ聞いてもいい?』
『?何かしら。』
『お姉ちゃんにとって…私ってどんな存在?』
低く暗い声で突然聞かれた。
『百合菜…?』
『教えてよ、お姉ちゃん。』
『私にとって百合菜は…大切な存在よ。私の宝物。何に変えても守りたい存在。』
『それって、私が弱いから?』
『え……?』
私はソファを立ち上がり声を荒らげる。
『私が弱いから、守ってあげなきゃって思ってるの!?』
『っ、急にどうしたの、百合菜……。』
『急じゃないよ。ずっと思ってた。私が今回の潜入捜査でどんな風に言われたか知ってるの!?』
『え……っ?』
『姉妹なのにお姉ちゃんの方が凄いとか、比べられたのよ!!私はずっとそう。小学校の頃からお姉ちゃんと比べられた。パパもママも…心の底では私のこと馬鹿にしてるんだよ。』
『っ、何言ってるの、そんなことないわ。』
私は席を立ち百合菜の手に触れようとする。
バチンッ!
『触らないで…っ!!』
『百合菜……?』
『どうして、お姉ちゃんはいつもそうなの…?私、もう子供じゃないの!お姉ちゃんに守ってもらう程…弱くない!馬鹿にしないで…!!』
『っ……!ち、違う…私、そんなつもり、じゃ…。』
今はどんな言葉をかけても傷付けてしまう。
『っ、っ……。』
『…お姉ちゃんは良いよね。その異能の力を持って生まれたんだから。私には何もない。お姉ちゃんが羨ましいよ。』
『っ!』
私は思わず百合菜の頬を叩いてしまう。
バシンっ!
『……!』
『ふざけないで…っ。この能力を持って良いことなんか何も無いわ!このせいで虐められたりも傷付けられたりもした。百合菜に私の気持ちなんて分からないわ!!逆に私は百合菜の事が羨ましかったもの。どうして双子なのにって。』
『…あはは、私達どこまでも双子だね。お互い無い物ねだりして。』
ボフッ!
私の顔にクッションが当たる。
『!』
『…お返しだよ。お姉ちゃん。』
『っ……!』
数時間後――。
ガシャーンッ!!
『!?』執事一同
ドローイングルームからガラスの割れる音がする。
『主様!?』
コンコンッ!
『主様達!大丈夫ですか!?失礼します!』
勢いよく扉を開けたら2人が喧嘩をしていた。
『お姉ちゃんだってずっと私の事嫌いだったんでしょ!』
『馬鹿にしないで!貴方と何年双子だと思ってるの!』
『はぁ?私だって別に好きで双子で生まれた訳じゃないし。』
『……っ。』
その言葉を口にした瞬間お姉ちゃんの顔が凍りついた。
『…ふ、ふふっ。じゃあ私も言わせてもらうわ。ずっと思ってたこと。私だって好きで貴方の姉になった訳じゃない。貴方みたいな妹こっちから願い下げよ。』
『っ……。』
『『主様!!』』
私達の間にロノとバスティンが割って入る。
『退いてよバスティン!お姉ちゃんに一発叩いてやらないと気が済まない!!』
『離しなさいロノ!百合菜にもう1発叩かないとこの子は分からないのよ!』
『『はぁ、はぁ…』』
お互い呼吸を整えてお互いを見つめる。
『お姉ちゃんなんて…大嫌い。』
百合菜は私を睨み、涙を流す。
『私の方こそ…嫌いよ。貴方みたいな妹。』
『……。』
バタンッ!!
勢いよくドアを閉めドローイングルームを去る。
『っ…もう嫌…っ。私、私の何が間違って…っ。、』
私は我を失っていたことを後悔した。
『っ、百合菜――!!』
ただ名前を呼ぶことしか私にはできなかった。
その日の夜。食堂。
『一体何があったのですか。ドローイングルームをめちゃくちゃにするほど喧嘩をなさるなんて。』
『……ごめんなさい、窓ガラス割ってしまって。』
『そんなことはいいんですよ。』
ベリアン達は落ち着かせるために紅茶を持って来てくれた。
『ただの姉妹喧嘩にしては激し過ぎますよ。』
『そうっすね。窓ガラス割れるほど喧嘩するなんて。』
『百合菜様の何が気に入らなかったのです?』
『…百合菜は私と違って別の比べられ方をしていたから。昔から。それは私も分かってた。でも、その度にいつも励ましてた。貴方は貴方なんだから気にしちゃダメって。でも今回のまた学園生活でそれが顕になってしまった。私のせいなのよ…あの子のためと思ってやってきたことが、全て仇に――。』
私は顔を押さえ込み涙を流す。
『主様……。』
私は主様背中をさする。
『…。』
私は剣を抜く持ち部屋を出る。
『主様こんな夜にどこへ…。』
『いつもの鍛錬よ。お願い、1人にして。』
『でも、あるじさ――。』
ガシッ。
『る、ルカスさん…。』
『今は1人にしてあげた方がいい。主様の為にも。』
『っ……。』
一方その頃――。
『主様。何があったかまだ教えてくれないのか。』
デビルズパレス 百合菜の部屋
『…今はほっといて欲しいのに。』
『そういう訳にいかねぇだろ。』
ボスキは私の頭を撫でる。
『……お姉ちゃんは昔からそうなの。私のこと子供扱いして。私はもう大人なのにいつまでも守る守るって。』
『でも、それは主様がお姉さんだからであつまて、決して百合菜様のことを弱いから守ってるわけでは…。』
『分かってる、そんなの、分かってるの。自分でも、わかってるのに……。』
(どうすればいいの。あんなこと本心で言いたい訳じゃない。言いたくなかったのに…っ。)
デビルズパレス 裏山
『はぁ…っ!!』
私は剣を振るう。
ブンッ!ブンッ!
『はぁ、はぁ…』
(意識が散漫になってる。こんなんじゃ身につかない。でも、私にはこれしかない。)
《何の為に鍛錬なんてしてるの?》
『え…?』
いきなり暗闇に包まれる。
(これは、私の心の中?)
《私は貴方よ。麻里衣。貴方のことはなんでも分かるの。もうやめちゃえば?妹の為に頑張るのは。》
『や、める…?』
《拒絶される相手の何を守るって言うの?》
『ち、違う、私は……。』
《お姉ちゃんなんか大嫌いって言われたのにそんな妹のこと、もう守らなくていいのに。》
『っ、うるさい…。』
《ほらほら認めなよ。自分はあの子にとって邪魔な存在なんだって。》
『うるさいっ!!!!』
私は剣を無造作に振るい、葉っぱを裂いてしまう。
『はぁ、はぁ……っ。』
どうして、なの……?私のしてきたことは…全て、無駄…?それなら、私はなんの為にあの子を……。あの子にとって私は…要らないの…?
それなら、もう――。
『あの子の為に築いてきた完璧な姿も、真面目な思考も、全て、要らないのね…。分かったわ。』
私自身、もう闇に堕ちてしまえば――。
そのまま私は行先も分からず、ただ歩き続けた――。
次回。
『双子の名探偵は今日も嗤う』〜謎あるところに闇は生まれる〜2nd season
最終章開幕――。
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天樹
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