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青視点


あれからとりあえずファミレスに移動した。ドリンクバーをひとまず全員頼んで、一息ついた。


赤「二人とも今日は何してたの?」


ストローで氷をかき混ぜながらりうらは俺たちを見る。だらっと崩れた姿勢でリラックスしとることが伝わってきて、だいぶ俺に心を開いてくれとることに嬉しく感じた。


青「ないこに俺の服を選んでもらいに行ったんよ」

赤「へぇ〜、そうだったんだ!」

赤「ないくんセンスいいもんね」

桃「りうらには劣るけどねw」


りうらはすごいオシャレや。今もまるでモデルみたいなファッションで無頓着な俺でもセンスがいいことがわかる。横に座るないこもオシャレで兄弟揃ってセンスの良さを感じる。


あれ、俺浮いてね…?


桃「…まろ?」

桃「どうしたの、そんな暗い顔して…」


青「いや、二人ともすごいオシャレやから俺だけ場違い感あるなーって思ってさ…」


二人の顔が見れへん。きっと二人は気にせんでええって言ってくれるってわかっとるからこそ申し訳ない。気を使わせたくない。そんな感情で俺の胸はいっぱいで、もう何も考えられへん…


桃「それが嫌で今日俺と一緒に服選んだんでしょ?」

青「それは、そう…やけど、、、」

桃「じゃあいいじゃん」

桃「明日はオシャレな服でほとけっちと会えるんでしょ?」

青「…せやな!」


ほとけに会うために選んでもらったんやから今自信無くしとる場合ちゃうよな…今は明日のことだけに集中せぇへんとな。


赤「あ、そういえば明日二人で出かけるんだっけ?」

青「せやで」

桃「まろがろくな服持ってないから俺が選んだんだよ」

赤「なるほどね〜」


りうらは納得した表情でコーラを飲んだ。それを見ながら俺もカフェオレに口をつけた。ほのかな苦味と甘みが歩き疲れた体によく沁みる。


赤「ねぇねぇ、そういえばさまろ」

青「ん?どしたん?」

赤「まろって学園の王子って呼ばれてるんでしょ?」

青「まぁ、せやな…」


俺としては納得いかへんけどなんかそう呼ばれとる。俺が学園内で一番イケメンなんてそんなわけないやろ…


桃「まろ学校で女子にめっちゃモテてるのに自分がイケメンの自覚ないんだよ?」

赤「えぇ!?本当に言ってる!?」

青「?だって別に俺なんてフツメンやし…」

赤「どっから見てもイケメンでしょ!」

青「そうか〜…?」


俺を首を傾げていればないことりうらに白い目で見られる。なんで俺が責められとるんや…


赤「うわ、悩んでる顔もイケメン…」

桃「本当に罪な男だよ…」


俺がイケメンとかそんなわけなさすぎるやろ!確かに毎日のようの女子に囲まれるし、よく告白とかはされとるけど…


あれ?これがイケメンやって言われる理由?

い、いやまさかな…あはは、、、


桃「どうしたのまろ、急に白目剥いて…」

青「もしかして毎日のように女子に囲まれるんって普通やない…?」

赤「え!?囲まれてるの!?」

桃「りうらの反応の通り普通じゃないよ…」


青「や、やっぱり…」


俺が思っていた当たってほしくない予想が見事的中してしまった。そっか、俺は女子にモテとるんか…


青(俺が、イケメン、、、)


受け止めきれない事実に動揺が止まらへん。今まで自分の顔やとか周りからどう見られとるかなんて考えたことなかった。


別に自分のことをブスやと思ったことはない。でも、あくまで普通ぐらいにしか思ったことがなかった。それが今、俺は所謂イケメンと呼ばれる部類の人間だと知った。


青「俺が王子って言われとるんはじゃあ顔が理由なん?」

桃「もちろんそれもあるけど、一番は性格だよ」

青「性格、?」

桃「どんな時でも真面目に誠実に対応するし、困ってる人を放っておけない」

桃「そういうところがまさに女子からしたら理想の王子様なんだよ」

青「なるほど…」


俺からしたら当たり前の行動でも周りからしたら特別なんか…俺が理想の王子様なんて俺はそこまでできた人間やないと思う。常に誰に対しても誠実に対応しとるつもりやけど、きっと気づかへんうちに誰かを傷つけとることだってあると思う。それは避けようもないことや。


誰にも迷惑をかけずに生きるなんて不可能に近しい。どれだけ努力しようとも他人の力を借りずに生きることは人間である以上できへん。人は完璧になれへんからこそ、その理想を追い求めるんかもしれん。


青「俺は王子様より幸せな一般人がええな〜…」

赤「ちょっとそれわかるかもw」

桃「まぁ俺も同意見かな」

赤「結局大事なのは自分が幸せか、なんじゃない?」

青「せやな〜…」


いくら他人から評価されたとしても自分が幸福を感じてへんかったらそれは幸せとは呼ばへんと思う。自分の幸せは自分しか決められへん。他人には決して介入できへん領域なんや。


そんな哲学じみたことを考えながら再びカフェオレに口をつけた。甘みの後にやってくるほろ苦さは何だか人生に似とる気がする。人生甘いことだけやない、みたいな。

まだ高校生の俺が人生を語るなんて烏滸がましいかw

なんて心の中で自嘲した。


桃「もういい時間だし、そろそろ帰ろうか」

青「せやな、そうしよか」

赤「はーい」


軽く片付けを済ませ、会計をして外に出た。すっかり日は傾いて空はオレンジ色に染まっとった。


桃「じゃあまろ、明日頑張ってね!」

赤「りうらも応援してるね!」

青「2人ともありがとうな!」

青「じゃあまたな!」

赤「うん!」

桃「バイバ〜イ!」


二人が肩を並べて仲良さげに帰っていくのに少し微笑みながら俺も帰路に着いた。明日への緊張と期待で胸がいっぱいやった。

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コメント失礼します。続きが楽しみです✨

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