テラーノベル
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「BABY BABY」翌日。
「これあげる。聴いて。」
まりかから古いMDとプレーヤーをもらう仁義。
「…MD?」
まりか「そ。あたしが高校のとき『大学でバンド組んだらやるんだ』って決めてた曲リスト」
仁義「ありがとう。来週には返すから」
「返さなくていいよ。ipod持ってるからもう使わないし」
「じゃあ、お礼…」
「それを聞くことがあたしへのお礼ってことで」
「…ほんとに、いいの?」
「いいってば」
家に帰って。
MDケースに手書きで書かれたタイトルを眺める。
銀杏BOYZ『BABY BABY』。
東京事変『群青日和』。
椎名林檎『正しい街』。
ASIAN KUNG-FU GENERATION『君という花』。
NUMBER GIRL『タッチ』。
ストレイテナー『Melodic Storm』。
ELLEGARDEN『Missing』。
フジファブリック『陽炎』。
レミオロメン『モラトリアム』。
RADWIMPS『有心論』。
the band apart『Eric.W』。
キリンジ『エイリアンズ』。
急にオメガトライブ『君は1000%』。
あと大江千里『Rain』。
などなど。
仁義「(知らん曲ばっかり…)」
再生ボタンを押す。
順番通り再生する。
『BABY BABY』
「ライブでやってた曲や。」
『群青日和』
「難しい。」
『君という花』
「ギター激しい。」
そんな程度。
夜。
何曲目か。
ふっと耳が止まる。
ケースを見る。
「……。」
「キリンジ。」
Syrup 16g『翌日』。
コメント
1件
うわ、このエピソードすごく好きです。まりかが自分の“高校時代のバンド曲リスト”をMDごと仁義に渡すところ、もうそれだけで胸がぎゅっとなりました。仁義が知らない曲ばかりで「ギター激しい」とか言いながら聴いてるのも可愛いし、最後に「キリンジ」でふと手が止まる瞬間、なんだか空気が変わった感じがしました。Syrup 16gの『翌日』で終わるのも、タイトルとリンクしててじわじわ沁みます。音楽って、こうやって誰かの気持ちを受け渡す手段になるんだなあ。