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#転生
コシ
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耀聖(ようせい)
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コメント
3件
所々読み方書いてくれてるの嬉しい! 最高だった! (それと見るの遅れてごめ!)
りるらさん、こんにちは!美月ゆめかだよ〜!今回も最高だった…!兄妹デートしながら魔王の楔粉々にするの、尊すぎて鼻血出るかと思った😭💕特にお兄様の『絶対零度』で魔獣が塵になるシーンと、ローゼマリーの『消えなさい』の一言で圧倒するとこ、エモさとカッコよさの暴力すぎた…!!お兄様の過保護っぷりにキュンが止まらなかったよ、次の話も楽しみにしてるね⋆♡
『偽りの無能、真の覚醒〜転生皇女はすべてを奪い返す〜』
魔王ディルクの完全復活を阻止するため、私たちは奴の魔力を供給しているという『封印の楔(くさび)』の破壊に動くことになった。
最初の楔が存在するとされるのは、ガルディニア帝国の東方に位置する、
深い霧に包まれた『星屑の古代遺跡』。
人跡未踏とされるその危険な場所に、
私は今、なぜか普段の豪華なドレスではなく、動きやすいけれど非常に可愛らしい仕立ての旅装に身を包んで立っていた。
「どうだい、ローゼマリー? 窮屈ではないかな。
……うん、やはり僕の見立て通り、その可憐な隠密用の衣装も君に驚くほど似合っているよ」
私の隣で、極上の微笑みを浮かべているのはアルベルトお兄様だ。
お兄様もまた、いつもの大掛かりな魔導師の礼服ではなく、
仕立ての良い漆黒の軽装を纏っている。
驚くほどにスタイルが良く、まるで物語から飛び出してきた旅の美剣士のようだ。
「ええ、とても動きやすいですわ、お兄様。
……でも、本当に私たち二人だけで来てしまって良かったのですか?
侍女のリンが、私もお供したかったと涙目でこちらを見ていましたけれど……」
「いいんだよ。これは国家の命運を賭けた極秘任務だからね。それに……」アルベルトはおもむろに私の手を取り、その細い指先を優しく絡めてきた。至近距離で見つめられるその美しい切れ長の瞳が、悪戯っぽく細められる。「たまにはこうして、可愛い妹と二人きりで『デート』のような時間を過ごすのも、兄としての至上の幸福だからね」
「まあ、お兄様ったら……。任務中だというのに、相変わらず過保護が行き過ぎていますわ」
私が頬を少し上気させながらクスリと微笑むと、
お兄様は満足そうに目を細めた。
前世のバロア王国では、元婚約者のカイルと出かけることすら義務的で息が詰まるものだったのに、
お兄様と並んで歩く時間は、ただの移動ですら胸が温かくなるほどに心地が良い。
私たちは手を繋いだまま、
不気味な魔力の霧が立ち込める古代遺跡のゲートへと足を踏み入れた。
◇
遺跡の内部は、美しくも禍々しい青白い光を放つ魔法鉱石に彩られた、
広大な地下迷宮となっていた。奥へ進むにつれて、
100年前の魔王の呪念が物質化したような、醜悪な魔獣たちが次々と暗闇から姿を現す。
「グルルル……ッ!」
鋭い牙と無数の目を持つ、並の魔導師なら一目見ただけで発狂しかねない巨大なAランク魔獣『シャドウ・ウルフ』の群れ。
それが、十数匹も私たちの行く手を阻むように現れ、
一斉に飛びかかってきた。
「お兄様、私が――」
「いや、ローゼマリー。ここは君の手を汚すまでもない。
僕の愛しい薔薇は、そこでただ美しく見ていてくれればいいんだ」
アルベルトは私の前に一歩踏み出すと、繋いでいない方の手を静かに前に突き出した。
その瞬間、彼の周囲に展開されたのは、帝国最高位の魔導師にしか扱えない高密度の『氷結極大魔法』の魔法陣だった。
「我が道を阻む有象無象(うぞうむぞう)め。
ローゼマリーとの大切な時間を邪魔した罪、その身で購(あがな)うがいい。
――『絶対零度(アブソリュート・ゼロ)』」
お兄様が冷徹な声で呟いた瞬間、遺跡の通路全体が、
一瞬にして猛烈な絶対零度の吹雪に包まれた。
襲いかかってこようとしていた魔獣たちは、悲鳴をあげる暇さえなく、空中に跳び上がった姿勢のまま、一瞬にして完璧な氷像へと姿を変える。
パキン、
とアルベルトが指を鳴らすと、氷漬けになった魔獣たちは、文字通り塵(ちり)となって跡形もなく砕け散った。
「さすがはお兄様ですわ。惚れ惚れするほどの鮮やかな魔法です」
私がパチパチと小さな拍手を送ると、先ほどまで魔獣をゴミのように見下ろしていた鉄の表情が嘘のように消え去り、アルベルトは
「君に褒められるのが一番嬉しいよ」と顔を綻ばせた。
今の私たちにとって、世間が恐れる古代遺跡の魔獣など、
ただのデートの障害物にすらなり得ないのだ。
◇
迷宮の最奥、広大な儀式の間。
そこに、目的のものが鎮座していた。
不気味な黒いオーラを放ちながら、宙に浮かんでいる巨大な漆黒の結晶。
それこそが、最北の古城にいる魔王ディルクへと魔力を送り続けている、
第一の『封印の楔』だった。
私たちが近づくと、楔から禍々しい闇の衝撃波が放たれ、
部屋の空気が一変する。
『……シャルロット……、また私の邪魔をするのか……?』
空間を揺らすように、魔王ディルクのあの地響きのような幻聴が響き渡る。楔が防衛本能を働かせ、凄まじい密度の呪いの魔力を周囲に放射し始めたのだ。
並の人間なら、その場に立っているだけで精神を汚染され、廃人になるほどのプレッシャー。
「くっ、これほどの執念か……!」
アルベルトお兄様が即座に強力な防御結界を展開するが、魔王の呪いは結界をメリメリと侵食していく。
「お兄様、下がって。――私の前世の因縁、そして今の私の幸福を脅かす有象無象が、調子に乗るんじゃないわよ」
私はアルベルトの前に進み出ると、右手をそっと楔へと向けた。
私の全身から溢れ出したのは、お兄様の魔力を遥かに凌駕する、神々しいまでの純白と紫の特異魔力。
かつてバロア王国で『魔法無能』と罵られた私が、転生によって覚醒させた、世界の理を超える最強の絶対魔力だ。
「消えなさい。私の新しい、大好きな居場所を邪魔するな」
私が小さく一言、そう冷酷に告げた瞬間。
私の手から放たれた極大の光と氷の奔流が、魔王の呪いの闇を、文字通り『一瞬で完全に圧倒した』。
パキパキパキ、
と凄まじい速度で魔王の楔そのものが純白の氷に包まれていき、
次の瞬間――。
ガガァンッ!!!
凄まじい爆音と共に、魔王の力の源であった巨大な漆黒の結晶が、
粉々に粉砕されて光の塵へと変わった。
部屋を満たしていた禍々しい気配は完全に消え去り、静寂と、美しい光の粒子だけが周囲を舞う。
最北の古城で、魔王が怒りに声を震わせる様子が目に浮かぶようだ。
まずは一つ目。
世界を滅ぼす魔王の足がかりを、
私は文字通り『ただの一撃』で完膚なきまでに叩き潰してやったのだ。
「ふう……、これで一つ目は片付きましたわね、お兄様」
私が振り返って微笑むと、アルベルトお兄様は呆然とした様子で私を見つめ、それから観念したようにふっと優しく笑った。
「……本当に、君は僕の想像を遥かに超えて、世界で一番強くて美しい。
魔王すらも圧倒する我が妹を、これ以上どうやって甘やかせばいいか、本気で悩んでしまうよ」
「ふふ、お兄様は今のままで十分に過保護ですわ」
光の粒子が降る幻想的な遺跡の最奥で、
私たちは再びしっかりと手を繋ぎ、
次の目的地へと向かうために歩き出すのだった。