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「そうか、、、、、、和華、こんな言葉は覚えていないか?『カランコロンの靴は、』」
愛華さんが話し終える前に和華は話し始めました。
「『カランコロンの靴は、お母さんと、愛姉さんの音!』」
「っ!」
愛華さん、ううん、愛姉さんは驚いた様に目を丸くしたと思ったら、泣き始めました。
「愛姉さん!?」
「大丈夫だ。嬉し涙だ」
愛姉さんは泣きながら和華に笑って見せました。
「でも、和華、愛姉さんの事ぐらいしか、はっきりわかんないです」
「いいや、それが当たり前なんだ」
そう、愛姉さんは優しく言いました。
「ドールは、普通は、それほど大きく大切なこと以外は忘れて、此処、地球で生まれるんだ」
「私はその生まれた場所、故郷の事を細部まで覚えている。私はイレギュラーなんだ」
愛姉さんはその事を淡々と話しました。
「愛姉さん、じゃあ、なんで和華にその事を話そうとしてるんですか?」
「だって、今の和華に必要無いから、“お母さん”の事も和華はわすれちゃってるんでしょう?」
ボロボロの服の裾をギュッと掴みながら下を向きました。
「和華が気にする事じゃ無いんだ。母上の、、お母さんの決めたこの世界の理だからな」
愛姉さんはふと、右側に居る鈴木さん達の方を見ました。
「なんだ、あの時と変わらないな」
クスッと愛姉さんは笑いながら自分の羽織を肩を寄せ合って寝ている三人の肩に掛けました。
「さて、続きを話そうか」
愛姉さんはもう一回和華の方を見て一息ついてから話し始めました。