愛姉さんはもう一回和華の方を見て一息ついてから話し始めました。
「そうだな、まずは、どうして私が故郷や理の事を話そうとしているのかだな」
「はい」
「最近の話なんだがな、と言っても、1899年の事なんだが、その年以降に生まれたドールは地球で生を受けてから十年目になると故郷の記憶が戻るようになったんだが、それ以前に生まれたドールは戻らなくてな、リーダーである私が記憶を戻る手伝いと、完全に忘れているのを改めて教える為なんだ」
愛姉さんはそう優しく教えてくれました。
「ゲホッコホッ」
するといきなり愛姉さんは咳をし始めました。
「愛姉さん?大丈夫?」
「最近は体調が優れなくてな、世界大戦の影響がまだ続いてるみたいだ。だが、姉だと慕ってくれた妹に何もできないのは辛いだろう?」
そう言って愛姉さんは和華の頭をポンポンッって撫でてくれました。
「和華、何故私達ドールは世界大戦等の戦の影響を受ける者と受けないものが居るのか答えてみろ。大丈夫だ。基礎知識としてこれは憶えているはずだ」
愛姉さんは和華がこの答えで合っているのか不安に思っているのも全部お見通しみたいです。
「えっと、戦争だったり、紛争だったりは国自体、土地自体に大きな損傷をもたらします。それに、戦争だと、自身の主が戦場に出ることもあります。和華達ドールは、自分の主と魂単位での繋がりがあって、その主が傷を負ったりすると、そのドールは体調を崩します。中立国だったりはそういうのが無いので影響はありません。ですよね、」
和華が少し不安げに確認を取ると愛姉さんは「正解だ」と言って又、頭を撫でてくれました。
「じゃあ次に和華、ドールは何の為に生まれるか答えてみろ」
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