knna
なんでもありな人だけ
普通ってなに?
その疑問に正しい答えなど返ってくることはないだろう
返ってくるかどうかじゃないかもしれない
元々答えが存在しない疑問なのかもしれない
じゃあおれは皆にとっての普通を取り繕えばおっけーってこと
ね?
辛
明日から学校が再開する
それは春休み明けで
それは新学年スタートの合図だった
俺には億劫で仕方がない
複雑な気持ちを抱えながら眠りにつけば
その日の夜は夢を見るばかりだった
最初に見たのは記憶にもないただの捏造
雪が降っている
いまいる都心では珍しいほどに沢山のゆき
雪の中俺は何故か誰かに抱かれていて
でも突然抱かれていると言う感覚は消えて冷たい雪に包まれる
冷たい雪
ひんやりとしていてそれでいてふわふわしていて
とても気持ちいいと感じた
めをつむって
次開けたら
そこは明るい明るい小学校の校庭だった
目の前にいる短い髪の子、きっと男の子であろうその人はこちらを見ている
でも大事な顔はぼやけていて誰だか全くわからない
俺はその人の顔を知るためだけに手を伸ばす
瞬きをした瞬間それは弾けて
目を開けたら中学の時の屋上
懐かしい
隣に座る彼は俺と同じ制服を着ている
でも俺より小柄で
髪はなめらか
目はぱっちりとしていて目尻のほくろが可愛らしい
その可愛らしい見た目から出てくる声は爽やかで透き通っている
彼が屋上の近くにさく桜を見て、ふわっと手を伸ばした
降ってきたさくらのはなびらを捕まえてこちらを振り向いた彼が愛おしくてしょうがない
自分の気持ちを押し殺すようにゆっくり瞬きをすれば
そこは暗い部屋のベットの上
はぁ〜
何度見たのだろう
同じ夢を繰り返し見て瞬きをして目を覚ます
うざったらしい前髪を横に流してから立ち上がった
はぁ〜
軽くため息をつきながら学校の準備をする
がららら
お!
なかむ〜!
やっときた!
少し遅めに着いた俺は名簿を見て不安になる
おっはよ!
しゃけきり
教室で俺を待っていたのはしゃーくんときりやんの2人
学期最初に行われるのは教室内での自己紹介
順番で言ったら俺はちょうど真ん中の方
ぱっぱと手際よく進みすぐに俺の番になった
席から立ち上がると数名がこそこそと小声で何かを話している
前に立って声を出せばさらにみんなの顔が困惑に歪められた
また皆、俺の性別でどうこう言い始めるのだろう
俺は
長い前髪を右に流し、
後ろは少し伸びすぎてしまった髪を一つに束ねている
それに加えてこのぱっちりと開くこの目
小さい頃から女の子に間違えられたように
多少成長してからも女に見られることが多い
しかし、喉仏はあるし、声も男
だから皆困惑するのだ
中学の時はいじめられた
おかまがどうのこうの
俺はそれを思い出しつつ思ってもいない
1年間よろしくお願いします
を言って自己紹介を閉じた
いい
皆、俺のことを知らなていい
わからなくていい
俺もみんなのことなんて知らないから
わからないから
踏み込まないから
踏み込んでくるな
やっほ、
おとこ?
そうだよ
後期の目を向けられて近寄ってきたのは明らかに気の強そうな女
よく聞くいじめる女
もう見た目で、その気の強さでわかる
一言で終われとねがえも意味がない
なんでそんなに髪伸ばしてるの〜?
お前が知る必要ないだろ
俺の姿見くらい好き勝手させてくれ
んーきぶん、かな
へ〜
あと、その目整形?ら
そう、笑いを堪えきれていない様子で配慮も何もない質問
うーうん
生まれつきだよ
おーい、なかむ
、、
やっと、救いの手
他クラスのぶるーくが来て僕の名前を廊下から呼ぶ
じゃ、俺呼ばれてるから
そう言って好奇の視線から目を背けて席を立つ
彼女の返事は聞こえなかった
なかむ、きんさんが上で待ってるって言ってたよ
の前に5限教科書貸してー
すうがくぅー
またぁ?w
ロッカーから勝手に取っていいよ
なかったら机の中
おっけ、ありがと!!!
ガチャ
お、やっときた
なかむ、早く食べよ
腹減った
うん
すぐに彼の横に一定の距離を保って座った
隣の彼はごそごそとお弁当の袋からお弁当を取り出す
俺は少しゆっくりコンビニの袋からパンを出した
あれ、また寝坊?
うん、最近もうどーでも良くなってきちゃったんだよね
慣れてきちゃった
朝コンビニ寄るのに
ふーん
いい加減俺に頼ればいいのに
そう言う彼は俺と目を合わせて不思議そうな顔をしていた
、、
ま、食べよ
俺の幼馴染である彼は
全てにおいて万能で世話焼、
だから、俺が施設通いなことも理解してくれて
そして手助けすらをもしてくれる
そこまで手をかけてもらうことはしたくないからこうやって交わす毎日なのだけれど
明日、俺もパンにしよーかなー
弁当もいいけど毎日のようになかむが食べてるメロンパン美味しそうすぎる
これめっちゃ美味しい
でもけっこうあまいよ
うん、甘いすぎぐらいが美味しいんでしょ
そ、
そうやって他愛もない会話を交わしつつそれぞれのお昼ご飯を食べ終える
新しいクラスは大丈夫そう?
うん、きりやんとシャーくんもいるし
何があっても心強いかw
そw
あっという間に昼休みの時間は終わってチャイムが鳴る
んじゃ、また放課後
あ、今日俺すぐ帰るね
おっけ
そんな始業式を迎えた俺はなるべく平穏な生活を望んで学校に通っていた
けれど、きりやんとシャーくんが2人ともちょうど部活の大会で休みだった今日
俺の平穏は崩れた
はぁ〜
ねぇ知ってる〜?
この人おかまなんだってさ〜ww
あ、どうりで女みたいなw
え、おんなじクラスにそんな奴いたんだ
きっつ
えー、結構顔整ってて良かったのに
あぁ、居場所が減っていく
え、こいつ男が好きなんじゃね?
うわ、きんときとよく一緒にいるのって狙ってるから!?w
きっっもーー!ww
あー
うるさいって
踏み込まないでって
目とか整形してるんじゃね!?w
可愛いとか言われたい系〜ww
踏み込まないでって
普通、女が好きなはずなのになw
踏み込まないで、
なかむ〜?
ばっ
俺を呼ぶ声がして周りに集ってた奴らがドアの方を向く気配がする
俺は床の方を見た視線を動かさない
あれ、お取り込み中?
あ、今日しゃけとやんいないのか
そう言った声はどんどん俺に近づいてくる
ほら、なかむお昼一緒に食べよ
そう言って手首を掴まれて
そっと立ち上がればしっかり手を握られてそのまま教室を出る
教室から出て顔を上げれば彼のもう片手には俺の分のコンビニの袋も持っていて
俺の机の横にかかっていたのをちゃんと持ってくれたのだと安心する
ずっと手を繋いで歩く彼に俺はさっき言われた言葉が蘇ってきて
きんときと一緒にいるのって狙ってるから!?ww
そうじゃない
そうじゃないって思っていたいから
手を離して、と声を上げた
ねぇ、きんときってば
しかしいくら言っても離さずにそのまま屋上の方に向かって歩いていく
きんとk
なかむ、怖かったでしょ
大丈夫?
屋上のドアの前について早々彼はそう言った
そうじゃない、
俺は心配されるべき人ではなくて
だって
全部全部正しいことを言われているから
そうやってぐるぐるしていれば手が力強く握られて
なかむ、大丈夫じゃないなら大丈夫じゃないって
教えて?
そう真っ直ぐな目で見つめられてますます自分がどうすればいいかわからなくなってしまう
さっき、あんなにも気持ちの悪いことを聞いたはずなのに彼は普通に俺と向かい合っている
きんときっ
うん
これ以上は求められない
これ以上求めてはいけない
と心が叫んでいる
もうこれが限界だと
そう思ってる
、、
もう
体が震えるだけで声が出ない
そんなようすをみかねた彼は
俺のことをふわりと包む
何も言わずにぽんぽんと背中を優しく叩かれて
力を抜いて彼に体を預ける
大丈夫、
聞こえてるから、
なかむの声
この人はどこまで人に優しいのだろう
もう、頼ってはいけないと
この心にはけりをつけないととおもっていたのに
彼がいくなと引き留めている
ごめん、
きんときのこと好きなの
最近からの話じゃないの
ずっとずっと好きで、
ごめん、こんなのが隣にい
なーかむ
一旦落ち着いて
聞いてるから、ゆっくりでいいから
乱れた呼吸が喉で引き攣った音をあげる
一定のテンポで優しく叩かれている背中が気持ちいい
なかむ、
何が辛いの
自分が
こんな自分であることが辛い
普通でありたかった
みんなとおんなじ普通で
きんときとおんなじ普通でありたかった
、、、、、なかむ
、、俺の普通がなかむと同じだって言ったら引く?
、、、は?
ねぇ、なかむ
俺の普通が君と一緒だったとしても
君はみんなと同じ普通を望む?
彼は眉を下げて今にでも泣き出しそうならしくない顔をしてこちらを見ている
離さないと言うばかりに
、、、へ、
へ?
未だ処理しきれない脳は働こうともしてくれない
なかむ、許して
ぎゅうっ
と力強く抱きしめられて彼の温度を脈を直に感じているよう
きんと、き
本当に?
嘘じゃない?
や、嘘じゃないって、
、
言って
嘘じゃない
俺はなかむのことが好き
俺たちのふつうは
みんなとは違う
踏み込まないから
踏み込まないで
俺たちは2人で手をつなげるのだから
みんなはみんなで縁を作っているのだから
その手を切り離さないでね
hnakに触れてこないでください。(以降こちらから触れることもない)。
muremnとしてだからね。
メモベタばりしました
….が、、、、になってたりとか手抜きな感じの仕上がりです
ただメモ内にある1番好きなやつ公開しようと気まぐれです
こういうの好きです
多分みんなもうわかる
どうぞ私の小説がお好きな方、気まぐれをお楽しみください
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!