どうもこんにちは！最近動画編集をサボり気味の那賀酸です！最近は私生活もだんだん落ち着いてきたので、動画も投稿しようかなと思っております。それでは、第4話「交差する想い」です。どうぞ！！

第4話「交差する想い」

中学2年生の秋、高野陽輝は自分の中に芽生えた沙月への想いをひそかに抱え続けていた。放課後に教室の窓越しから見る沙月の姿や、廊下ですれ違うたびに交わす言葉が、彼の心を優しく揺さぶる。彼にとって沙月はただの友達以上の存在だったが、その気持ちを彼女に伝える勇気はまだ持てなかった。

一方、親友の尾野翔太もまた沙月に対する好意を感じ始めていた。尾野は陽輝とは異なり、自分の感情を隠すことなく、沙月に積極的に話しかけたり行動を共にすることで、彼女との距離を縮めていった。その姿を見ていた陽輝は、親友として尾野の幸せを願いつつも、胸の奥で苦しさと寂しさを覚える。

ある日の昼休み、陽輝は偶然、沙月と尾野が二人で図書室にいるところを目撃する。沙月が尾野の冗談に笑顔で応える姿を見た陽輝は、その場を立ち去ることしかできなかった。彼の心は複雑な思いでいっぱいになり、何も言えずただ俯く自分に無力感を覚える。

その日の放課後、陽輝は一人で帰り道を歩いていた。夕暮れに染まる空の下で彼は、沙月と尾野の間にある関係が、どこか自分の届かない場所にあるように感じていた。それでも彼は、沙月の幸せを心から願う気持ちを否定することはできなかった。