テラーノベル
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「まだ私とは大丈夫だけど、もうパパとはお風呂にも入らなくなったし、千愛もすっかり大きくなったわね。え?パパ…?私の顔に何かついてる?」
「いや」
「何か……言いたいことがあった…とか?」
「いや…お前こそ、何か言いたいことがあるのか?」
「別に。この前話したみたいに、千愛は私よりも敏感かもしれない、と思っただけ」
コソコソはなくなったと感じている。
それだけでなく、以前のような口うるさい感じが減ったままなのは、まだ浮気の継続中なのだろうか。
「あ、そういえば中西さんの奥さん、直美さんと何度か話をしたんだけど…」
私は、かぼちゃのかき揚げの具材を混ぜながら
「既婚者合コンに参加したってことはなかったみたいね。パパの言っていたように私の勘違い。カウンターの中で仕事していたんだって」
と、直美さんの名誉回復をしておく。
彼女に、仕事のきっかけをもらったのよ。
もう珈琲大陸と関係ない直美さんだけれど、不名誉な印象を与えてしまったことは申し訳ない。
「普通の人は参加しないわよね。申し訳ない勘違いしちゃった」
揚げ油に具材を入れた音で夫の返事が聞こえなかったのか、と思い後ろを振り向くと…ベルトを外し、スラックスを半分脱いだところで固まっている夫と目が合う。
「…パパ?」
そのまま部屋を出る夫の覇気のなさが何からくるのか…はっきりとわかったのは、数日後だった。
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