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ダンディー・ダーリン「年上の彼と、甘い恋を夢見て」

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ダンディー・ダーリン「年上の彼と、甘い恋を夢見て」

19 - スーツをスマートに着こなした、絵になる彼の正体 -19-

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2024年06月30日

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「ああ……息子は、妻の連れ子なんだ。結婚した時には、もう小学三年生だったからな」


「そうだったんですか……」


じゃあ、親子として血は繋がってないんだ……。でも、それにしてもだいぶ早い結婚だったんじゃないのかな……。


そんなことをつらつらと頭の中で考えていると──


「25歳の時に結婚をしたんで、もう17年になるな……」


セットの紅茶を一口含んで、蓮水さんがぽつりと呟いた。


「17年に……長いですね」


息子さんが連れ子だったとしても、やっぱり割りとお若い時に結婚をされたんだなと思う。


「……息子が思春期を迎えて父親を受け入れづらくなる前にと、早い内に妻といっしょになったんだ。そうして私が結婚をした年を息子が超えたこともあって、この会社を譲ろうと思い立ってな」


「……そうだったんですね」


17年も連れ添っていられるなんて、きっと夫婦仲も円満なんだろうな……。それに、そんなにも息子さんのことを大切に考えていられるのも、それだけ奥さまのことを愛しているからだよね──と、少しだけ羨ましくも感じられるようだった……。


「とっても美味しかったです。ありがとうございました」


「ああ、楽しい時間だった。私の方こそ、ありがとう」


変わらない穏やかな笑顔を私に向けると、蓮水さんが席を立った。


「では、私はそろそろ会社に戻るが。また何かあれば連絡をするんで、君は好きにしていてもらっていいから」


「はい、わかりました」


と、軽く頭を下げて、皺ひとつなくピシッと決まったスーツ姿を仰いだ。


こんなにも素敵でいられるのも、息子さんがいて奥さまと過ごす家庭が、幸せだからに違いないように思えた……。

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