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「みなさ〜ん、起きてくださ〜い!朝ですよ〜!」希空の明るい声が廊下に響く。
「……うぅ、あと5分……」
椿が布団の中で小さく唸ると、希空がくすっと笑った。
「だめですよ〜、もう朝ごはんの時間です!」
「おはようございます〜……」
紬が寝ぼけた声で顔を出して、まだ少し眠そうに伸びをする。
「椿さん、起きてください〜」
リビングのドアが開き、男子メンバーも順に出てきた。
「おはよ〜」
優太があくびを噛み殺しながら手を挙げる。
「おはよう」
蓮が低い声で答え、寧が笑いながら椅子に座った。
「朝から賑やかだな〜」
昴も丁寧に「おはようございます」と微笑み、架純は静かに椅子に腰を下ろした。
全員が揃って、ゆったりと朝ごはんを囲む。
パンの香りと温かい空気が、部屋いっぱいに広がっていた。
ふと、寧が顔を上げる。
「……あ、そういえばさ。明後日って、俺らの結成日だよな?」
「えっ!?もう2年!?はやっ!」
椿がびっくりしたように声を上げる。
「2年ですか〜!すごいですねぇ!」
紬が嬉しそうに両手を合わせて笑った。
「もうそんなに経ったんだね」
希空がしみじみと呟き、架純は静かに頷く。
「……あっという間だったね」
「なーんか、記念にしたいな!」
優太がにやっと笑うと、椿がすぐに手を叩いた。
「旅行しよ!みんなで行こうよ!」
「旅行!いいですね〜!」
紬が目を輝かせ、希空も楽しそうに微笑む。
「どこ行きましょう?温泉とかもいいかも!」
「温泉もいいけど、海とかも良くない?夏っぽくて!」
優太が言うと、椿が元気に頷いた。
「海いいね〜!絶対楽しい!」
「僕は京都とかも好きです。ゆったり観光できそうですし」
昴が穏やかに言うと、寧が頷いた。
「それもいいな。けど、せっかくだし、もう少し遠く行くのもありかもな」
「北海道とか?」
蓮が提案すると、椿がすぐ首を横に振る。
「え〜寒いのはイヤ〜!暑いとこがいい!」
「じゃあ、沖縄とかどう?」
希空がふと思いついたように言うと、みんなの目が一斉に輝いた。
「沖縄!」
紬がぱっと立ち上がり、
「海もあるし、ご飯も美味しいですし、最高です〜!」
「それめっちゃいいじゃん!」
椿も笑顔で賛成し、優太も頷く。
「動画にも映えるし、記念旅行にはぴったりじゃん!」
「僕も賛成です。青い海、きっと素敵ですよ」
昴が柔らかく微笑む。
「いいじゃん、決まりだな!」
寧が笑いながら言うと、希空が嬉しそうに手を叩いた。
「沖縄旅行、結成2周年記念ですね〜!」
「……うん、いいね」
架純が静かに言葉を添えると、
リビングは笑い声でいっぱいになった。
「じゃあ、沖縄に決まったけど〜、何する?」
椿がわくわくした様子でテーブルに身を乗り出した。
「まずは海ですよね!」
紬がすぐに元気よく答える。
「せっかくなので泳ぎたいです〜!水着も準備しなきゃ!」
「うんうん、それは外せないね!」
希空が嬉しそうに笑って頷く。
「みんなで砂浜歩いたり、写真撮ったりしたいな〜!」
「俺はマリンスポーツとかもやってみたいな。ジェットとか」
寧が楽しそうに言うと、優太が笑いながら頷いた。
「それいいな!動画でも映えそうだし!」
「僕は景色の写真も撮りたいです。あと夜の海も見てみたいですね」
昴が穏やかに言うと、蓮が少し笑って肩をすくめる。
「夜の海って、ロマンチックすぎね?」
「ふふ、そういうのもいいと思うよ」
希空が微笑みながら言うと、椿が「わかる〜!」と元気に同意した。
「ご飯も楽しみです!沖縄って美味しいものいっぱいありますよね!」
紬が手を合わせて目を輝かせる。
「そうだな。タコライスとかソーキそばとか?」
寧が思い出したように言うと、優太が笑う。
「それ絶対食べよ!食べ歩きもしようぜ!」
「……私は、みんなでゆっくりできたらそれでいいかな」
架純が静かに言葉を添えると、希空が優しく微笑んだ。
「そうだね、せっかくだからのんびりもしたいよね!」
「じゃあ決まりだな!」
椿が立ち上がって元気にまとめる。
「海で泳いで、遊んで、いっぱい食べて、夜は星見る!」
「完璧です〜!」
紬が嬉しそうに拍手した。
それぞれの笑顔が交わるリビング。
みんなの声に混じって、楽しみな気持ちが少しずつ膨らんでいく。
2周年の記念旅行――
その計画のすべてが、まるで新しい思い出の始まりのように輝いていた。
朝の光がカーテンの隙間から差し込み、部屋の中が少しずつ明るくなっていく。
廊下からは、キャリーケースの転がる音や、楽しそうな声が響いていた。
「おはよ〜!準備できた?」
椿が元気いっぱいに顔を出す。
「はいです〜!忘れ物なしです!」
紬が両手でスーツケースを押しながら笑う。
「おはようございます。飛行機の時間、余裕ありますね」
昴が穏やかに時計を見て言い、希空が微笑む。
「うん、みんな早く起きられてえらいね!」
「……全員分の荷物、確認した?」
架純が落ち着いた声で言うと、寧が頷いた。
「大丈夫、任せとけ。バッチリ詰めた」
「よし、じゃあ出発準備完了ってことで!」
蓮が軽く手を叩く。
そんな中、優太がにやっと笑いながら架純の方を見た。
「そういえばさ〜、架純の水着、ちょっと楽しみかも?」
その一言に、椿が「ちょっ、優太〜!」と笑いながら肘で小突き、
紬も「そういうこと言っちゃダメですよ〜!」と頬をふくらませる。
希空が少し苦笑しつつ、「優太くん、そういうのは聞かないの!」とたしなめる。
優太が「冗談冗談!」と笑って誤魔化そうとしたところで、
架純が静かに口を開いた。
「……そういうこと言う人には、見せないけどね」
その落ち着いた声に、周りの空気が一瞬止まる。
優太が「あ、やば」と小声で呟き、寧が笑いをこらえながら肩を叩く。
「ほら、言わんこっちゃない」
希空がくすっと笑いながら「はいはい、そろそろ出発ですよ〜!」と声を上げ、
みんながスーツケースを持って玄関へ向かう。
「沖縄、楽しみですね〜!」
紬が弾んだ声で言うと、椿が続けた。
「めっちゃ楽しみ!絶対最高の旅行にしよ!」
架純は少し微笑んで、小さく呟く。
「……うん、きっと楽しくなるね」
外の空は青く澄み、
2周年の記念旅行に向けた朝が、
まるで新しい冒険の始まりを告げているようだった。
朝の空港は、早起きの人たちのざわめきと、
どこかそわそわした期待の空気に包まれていた。
大きなガラス窓の向こうには、
これから乗る飛行機がゆっくりと整備されていて、
みんなの胸は自然と高鳴っていた。
「うわ〜、本当に旅行行くんだね!」
椿が目を輝かせながら言い、希空がにこっと微笑む。
「うん、なんか実感わいてきたね!」
「チェックインも終わりましたし、あとは搭乗までですね!」
紬がスーツケースを抱えながら元気に言うと、
昴が「時間、ちょうどいい感じですね」と穏やかに答えた。
「さて、座席どうする?」
寧が振り返って聞くと、蓮が「俺、窓側がいいな!」と笑う。
「はいはい、希望制でいこう!」
希空がまとめ役のように手を叩いて、
自然とペアごとに話し始める。
「じゃあ私は……もちろんこの人と!」
椿が笑顔で腕を絡ませ、蓮が少し照れながら「おいおい、恥ずかしいだろ!」と返す。
「僕と紬さんも、隣でいいですよね?」
昴が優しく尋ねると、紬が「もちろんです!」と嬉しそうに頷いた。
希空は隣の寧を見上げて微笑む。
「ねぇ、寧くんも隣でいい?」
「もちろん。てか、離れたら迷うだろ?」
「ふふっ、そうかもね」
二人が目を合わせて微笑むだけで、少し胸がドキッとする瞬間があった。
そんなやり取りを見ていた優太が、
いつもの軽い調子で架純の方を向く。
「俺らも隣でいいよな?」
架純は少し黙ってから、
小さく頷いた。
「……別に、いいけど」
「よっしゃ!」
優太がガッツポーズを決めると、椿が笑いながら突っ込む。
「なに喜んでんの〜!顔に出すぎ!」
周りが笑いに包まれる中、
アナウンスが流れた。
『ご搭乗の準備が整いました――』
✈️✈️✈️
飛行機に乗り込み、各自の席に着くと、
ワクワクと少しの緊張が入り混じる。
「ふぅ、やっと座れた……」
椿が笑いながら窓の景色を見ている。
「わ〜!外の景色も綺麗〜!」
紬も隣で嬉しそうに目を輝かせた。
窓側には蓮、通路側には椿が座り、
希空と寧、昴と紬もペアで並ぶ。
架純と優太も並んで席に座ると、
優太が軽く伸びをして言った。
「いや〜、座ると落ち着くな。架純、水着楽しみとか思ってる?」
「……何言ってるの」
架純は落ち着いた声で返す。
優太はにやっと笑い、「冗談冗談」と肩をすくめる。
やがて飛行機が離陸し、窓の外に広がる雲海を見ながら、
だんだんと機内の空気も落ち着いていく。
椿や紬は楽しそうに小声で話しているが、
架純と優太は徐々に眠くなってきた。
「……ちょっと、寝ようかな」
優太が目を閉じると、架純も小さく頷く。
席の狭さもあって、自然と頭が寄り添い、
架純の頭は優太の肩に、優太の頭もわずかに架純に傾いた。
普段はほとんど笑わない架純の穏やかな寝顔に、
椿が小さく「お似合い……!」と呟き、紬も微笑む。
蓮や昴も目を細めて、ちょっと照れながら「ほんとだな」と同意。
希空と寧は隣で、互いの距離を感じながら微笑むだけで、
少し胸がドキッとする瞬間を楽しんでいた。
飛行機のエンジン音が、まるで子守唄のように二人を包み込み、
眠る二人と見守る仲間たち――
そんな温かい時間が、旅の始まりをさらに特別なものにしていた。
飛行機が滑走路に降り立ち、
窓の外には青い空とキラキラ光る海が広がっていた。
「わ〜!ついに沖縄だね!」
椿が元気いっぱいに立ち上がる。
「やっとだ〜!空気もあったかい!」
紬もはしゃぎながらスーツケースを抱えて喜ぶ。
「いや〜、最高だな!」
昴も笑顔で窓の外を見ている。
そんな中、優太がにやっと笑いながら声を上げた。
「よし、俺たち全員で女子の水着写真撮るぞ!おー!」
蓮も「おー!」と元気よく返し、寧と昴もつられて「おー!」と声を揃える。
その一瞬、女子たちは全員目を丸くして小声で話す。
椿が小さく「キ、キモいよね……」と呟き、紬も「ほんと、男子って……」と顔をしかめる。
希空も「やめてよ……もう……」と小さくため息をついた。
架純は普段通り無表情で、「……本当にキモい」とだけ辛辣に一言。
男子たちはその反応を見て少し笑いながらも、
沖縄の眩しい青空と、海の輝きに胸を高鳴らせながら、
全員で空港を後にした。