こんにちは!圖阿です!
今回は🐇ちゃん視点です!
どうぞ!
・・・
🐇side
🐤「いい!わかった?」
🐇「わかっとるって笑……そんなに心配せんとも大丈夫や♪」
🐤「じゃあ、りうらたち行ってくるけど、お花を探しに行くのはりうらたちが帰ってきてからだからね?」
🐇「わかっとる、わかっとるw……そんなに言わんくてわかっとるから、暗くなる前に行ってき…♪?」
ウチに口酸っぱく言う目の前の女性は妹のりうちゃん。
なぜ、姉であるウチに妹のりうちゃんがここまで言っているのかというと、それは昔の頃のことが関係している。
幼少期、ウチは周りの子供達に比べて体の発達が早かった。
そのため、一人で歩いていた際に変質者に誘拐されかけたことがあった。
その時は、周りにいた大人たちが助けてくれて事無きを得たが、なかなかに危ない状況だった。
それから数年たち、自分で言うのもなんだが、体つきがなかなかにいい。
そのため、ウチに近づく男性のほとんどが体目的で近づいてきた。
襲われそうになったこともしばしば。
そんなこんなで、ウチ自身は男性が嫌い、男性が怖い…と思うようになってしまった。
商品を売る際も、ずっと作り笑顔で接している。
唯一素が見せられるのは、姉妹であるいむちゃんとりうちゃん。
そして
らびまる「おい、初兎!腹減った!人参よこせ!!」
このらびまるだ。
🐇「ええよ〜♪ちょっと待っててや?」
このらびまるは、喋ることを除けば、はたから見ればただの兎だ。
ウチらは三姉妹と一匹で旅をしながらそれぞれの商品を売っている。
かく言うウチは、花を売る花売り娘だ。
🐇「……ソーット…………((ガチャッ←扉を開ける」
らびまる「……おい、初兎…!」
🐇「…ッビクッ…!!」
らびまる「………………お前……どこに行くきや?」
🐇「…えッ…えっと……ちょっとお手洗いに…♪」
らびまる「…………………………」
🐇「…えっと………あの…」
らびまる「…………………………………」
🐇「すみません。売るための花を探しに行こうとしてました。」
らびまるのあの無言の圧に勝てるやつがおるなら連れてきてほしい。
らびまるの圧に負けたウチは、こっそり出ていこうとしたことの理由をすぐに吐いた。
理由を聞いたらびまるは呆れたように言った。
らびまる「…はぁ…………お前なぁ…」
らびまる「りうらがああ言っとったんやから、素直にあいつらが帰ってくるのを待ってろや」
🐇「……うーーッ…!💦…せやかて、2人が働いとるのにウチだけ仕事せんのはおかしいやん…!」
らびまる「あいつらはお前が心配なんや。アイツラの気持ちも考えてやりぃや……なぁ?」
🐇「………でも………」
男性が怖くなってしまったウチのせいで、2人が頑張っているのにのんびりなんて嫌や。
🐇「なぁ、らびまるお願い💦……2人が帰ってくる前には帰ってくるから!」
🐇「……あかん…?((泣」
らびまる「…………………はぁ………しゃぁないなぁ…。」
らびまる「今回だけやからな?」
🐇「…!!…ほんまにらびまる!?✨」
らびまる「あぁ。ただし、俺が一緒に行くことが条件やからな?」
そう言って、ウチの方に飛び乗るらびまるに感謝しつつ、ウチらは外に出た。
らびまるは他の人に喋れることがバレないようにウチが背負っているリュックの中に入ってもらった。
そうして向かった先は、この国に着いたときから気になっていた、大きな森だ。
基本的に、森は普通の人があまり入らない。
と言うのも、猛獣やら賊やらなんやらがいて、いつ襲ってくるか、わからないからだ。
そのため、森の花は踏み荒らされていることが少なく、とても状態がいいため、売るのにうってつけだ。
早速中に入ろう!
そう意気込んだのもつかの間、森に入ろうとして、近くにいた見回りの騎士に止められた。
騎士「………そこの君!……この森に入るだなんて、自殺行為だ…!」
🐇「……?…大丈夫ですよ、ウチは猛獣やら賊に対する対応の仕方は慣れとりますから」
騎士「………違うんだ」
騎士「………この森は、確かに猛獣や賊がいるが、危険視するべきはそこじゃないんだ」
騎士「この森に入ったら、ほとんどの確率で出てくることができないんだ…!」
🐇「…………え??ど、どうしてですか?」
騎士「この森は見ての通りとても大きいのだが、その上、とてつもなく道が入り組んでいるんだ」
騎士「それなのに、この森の詳しい地図が存在しないから、この森は地元では入ったらでてくることのできない絶対領域として有名なんだよ」
🐇「……ほえ~……そうやったんですね」
騎士「そうやった……って、君何呑気なことを言っているんだ?」
騎士「わかったのなら、この森には入らないことだ。いいね?」
そう言って去って行く騎士が見えなくなった後、ウチはらびまるに話しかけた。
🐇「なぁ……らびまる?…どうする?」
らびまる「どうするって……この森に入ればええやろ?」
🐇「せやけど、入ったら出れんのにどうするん?」
らびまる「安心しろ。俺は地形を覚えるのは得意なんや」
らびまる「俺から離れさえしなければちゃんと帰ってこれる」
🐇「…………せやな♪」
🐇「ほんなら気を取り直して、レッツゴー!!」
森に入って数十分後、珍しい花や、綺麗な花を何本か摘み、リュックに入れた。
らびまるは今、向こうの方も見てくると言って、ここには居ない。
流石にこっから動いたら、あかんからこの辺をもうちょっと見るか。
そんなこんなで、一人で花を採取していると、一人の男性が顔を出した。
ウチはらびまるのいない状況で男性に会ったため、体を少し強張らせながら、平然を装った。
🐇「…………ん?」
🐇「あれ?…こんなところに人がおるなんて、珍しいな…?」
🐇「お兄さん、道に迷ってもうたんか?」
🦁「いや、俺はこの森を散歩してただけや。」
🦁「それより、俺はこの森で狩人以外の人を見ることは始めてなんやけど………」
🦁「こないな所で何してるんや?見た感じ、狩人ってわけじゃなさそうやけど」
ここは、変にごまかさん方がええな。
🐇「ウチはここにお花を摘みに来たんよ♪」
🦁「………はな…??」
🐇「この辺は、人があんまりこうへんから、お花が踏み荒らされたり、汚れたりしてなくて綺麗なんよ」
🐇「ウチは花売り娘やから、なるべく綺麗なお花を商品にしたくて、ここにおったって訳♪」
🦁「………なるほど……あんたは花売りやったんやな」
🐇「そうやで♪!…ところで、お兄さんはここに散歩しに来たって言っとったけど、よく迷わんかったな」
🦁「まぁ、俺は小さい頃からここによく、散歩に来とったからな」
🦁「迷ったことはあらへんよ」
🐇「へぇー…!お兄さん凄いな!」
🦁「凄いって……あんたも迷ってないんやから、別に凄かないやろ?」
🐇「いや、ウチは迷ってるで♪」
🦁「はぁ?…そやったらどうやってここに来たんや?」
🦁「この森はものすっごく入り組んでる上に、基本的に景色が変わらんから、迷ったら終わりな気がするんやけど…」
🐇「ふふん♪ウチには頼れる強ーい味方がおるんよ!」
なんとか自然な流れを作り、ウチはらびまるを呼んだ。
ほんまは、あまりらびまるを人前に出すのはよくないのだが、それで一度危ない目に遭ったことがあった。
それかららびまるは、「俺のことは気にせず、怖くなったり、不安になったら呼べ」そう言ってくれた。
そのため、今回こうして呼ばせてもらった。
少しすると、らびまるが飛んできた。
ウチと男性を一瞬交互に見た後、状況を理解してくれたのか、話し始めた。
らびまる「毎回毎回、そのバカでかい声で招集かけるのどうにかならんのか?」
🐇「だってらびまる、こうでもせんと気づいてくれへんやん♪?」
らびまる「まぁ、そうやけど。……それより初兎、腹減った!人参よこせ!!」
🐇「はいはい、ほれ人参やよ〜♪」
らびまると会話をしながら少し気持ち落ち着いてきた頃、目の前の男性がウチとらびまるを交互に何度も見ながら頭に疑問符を大量に浮かべていた。
それに気づいたらびまるが言ってきた。
らびまる「……おい、初兎」
🐇「ん〜…?どしたん、らびまる?」
らびまる「そこにおるやつ誰や?見たことないやつやけど」
🐇「あー!この人は………………誰やろ?」
らびまる「💢……お前なぁ」
🐇「え、えっとその💦……こ、これから!これから自己紹介をしようと思ってたんよ!」
らびまる「…はぁ…お前相変わらず嘘下手やな」
🐇「う゛ー……ッッ……💦」
らびまる「あんた悪いな。こんなバカなやつに付き合わせて」
🐇「ら、らびまる酷いッ!!」
らびまる「お前は一旦黙っとけ」
🐇「………はーい………((ショボン」
らびまる「なぁ、あんた…名前なんて言うんや?」
🦁「え?」
らびまる「え?…やなくて名前を聞いてるんや」
🦁「あ、悠佑です」
らびまる「悠佑やな。俺はらびまるや」
らびまる「そんでこいつが」
🐇「初兎やで♪」
らびまる「自己紹介も済んだところで、初兎。なんで急に俺を呼んだんや?」
🐇「えっと、実はかくかくしかじかで」
らびまる「………おい、ちょっと待てや」
🐇「?…どうしたん?」
らびまる「初兎の話を聞く限り、こいつは俺の存在自体を知らないんじゃないのか?」
🦁「いや、なんでわかるんだよ」
らびまる「?…なんや?」
🦁「ぁ…いや、ナンデモナイ」
らびまる「………?なんで急にカタコトなんよ?」
らびまる「………まぁ、ええわ」
らびまる「ところで悠佑。あんたは俺がしゃべる理由について初兎から聞いたか?」
🦁「いや……聞いとらん」
らびまる「はぁ……やっぱりな」
🐇「あれ??ウチ、言っとらんかったっけ?」
🦁「言われてない」
🐇「あちゃ〜」
らびまる「あちゃ〜…やないッ!!たっくッ……相変わらず抜けとると言うかなんと言うか……((ハァッ」
🐇「ご、ごめんな、らびまる……💦!!」
らびまる「まぁ、ええわ。俺から話すわ」
らびまる「まぁ、理由つってもそんな大層なことじゃないんやけどな」
らびまる「俺は変異体や」
らびまる「こことは違う場所で俺は生まれたんやけど、気づいた時にはすでに喋ることができた」
らびまる「色々あって、初兎と会って今はこいつとおるっちゃうわけや」
らびまる「……せやから、初兎は魔女じゃあらへんで」
🦁「……ッ……!」
らびまる「……このことを聞いて、あんたが信じるも信じないも勝手や」
らびまると悠佑と言う男性が話している間、ウチは彼のことを観察していた。
普段ならこのようなことはしない。
こんなことをしている理由はただ一つ。
彼が今まで会ったどの男性とも違ったからだ。
ウチのことを一度もそういったことで見ない。おまけに、変に距離を縮めたりもしてこない。
そんなことが今までなかったため、何か企んでるのではないかと思って観察をしていたのだが………彼は一向にそんな行動はしなかった。
そして、それをなんだか心地よく思い、とても嬉しくなった。
初対面の人に、しかも男性にそう思った自分に戸惑い、2人の話を遮ってらびまるに話しかけた。
🐇「らびまる…!そろそろ帰らへんと、夕飯の支度に間に合わへん!!」
らびまる「もう、そんな時間か……ほな、悠佑。俺らは帰るわ」
🦁「おう♪きいつけて帰りや」
🦁「初兎も、らびまるおらへんと帰れんのやろ?」
🦁「お前もきいつけて帰りや♪」
🐇「………ぇ、………あ、うん♪じゃあな」
最後まで、そんな優しい目で見るんやな。
🦁「………?」
自分の気持ちを考えないようにし、少し足早に帰路に着いた。
どうか………まだ心配性の優しい姉妹2人が帰っていませんように。
そう、心のなかで願いながら。
続く
・・・
これで、今までの話しの🐤💎🐇視点は終わりです!
次回からはまた、🍣🤪🦁視点でお届けします!
見てくださりありがとうございました!
コメント
2件
一気見させて頂きました! なんでこんなすごい物語これまで見てなかったやろって思ってしまうぐらい、むっちゃすごかったです。 面白い物語ありがとうございます ←どこ目線??