テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
柔太朗side
会議が終わり、荷物をまとめていると、仁ちゃんからメッセージが届いた。
仁人『話したいことがあるから、この後予定入れないで。』
柔太朗「話……?」
なんだろう。
少し気になったけど、俺は深く考えずに返事を送った。
柔太朗『り』
メッセージを送ると、荷物を持って会議室を出る。
そこで、ふと違和感を覚えた。
いつもの仁ちゃんなら、帰る時間になると一度は俺に、
“一緒に帰ろ”
って声をかけてくる。
でも今日は、俺を誘うこともなく、さっさと帰ってしまった。
そのうえ、わざわざメッセージで「話したいことがある」なんて。
柔太朗「……なんだろ」
少し引っかかったものの、
柔太朗「まぁ、たまたまか」
そう自分に言い聞かせて、俺もそのまま帰ることにした。
まさか
このあと仁ちゃんから、別れを告げられるなんて。
この時の俺は、まだ何も知らなかった。
────────────────────────────
仁人side
俺は今、柔太朗にメッセージを送った。
仁人『話したいことがあるから、この後予定入れないで。』
柔太朗のことだから、会議が終わったあと、誰かに「ご飯行こう」なんて誘うかもしれない。
だから、先に予定を空けてもらうことにした。
しばらくすると、すぐに既読がついた。
そして返ってきたのは、
柔太朗『り』
たった一文字。
いつもなら何とも思わないはずなのに――
今日は、その一文字を見るだけで胸が苦しくなった。
仁人「……そっか」
小さく呟いて、スマホを伏せる。
いつもなら、帰る時間になれば一度は、
「一緒に帰ろ」と誘う
でも今日は、誘わなかった。
これ以上、いつも通りに振る舞ったら――
きっと、決心が揺らいでしまうから。
俺は何も言わずに荷物をまとめ、みんなより先に会議室を出た。
その時、みんなが心配そうな目で俺を見ていた。
たぶん、俺の様子がおかしいことに気づいている。
でも、気にしないふりをして、そのまま会議室を出た。
昨日までずっと、心の中には迷いがあった。
本当にこれでいいのか。
まだ好きなのに、別れていいのか。
何度も何度も考えた。
でも――
今はもう、決めた。
未練なんてない。
……いや。
なくなったんじゃない。
心の奥底に、しまっただけだ。
もう取り出さないように。
そうしないと、俺はきっと前に進めないから。
仁人「今日で……最後」
誰もいない部屋で、ぽつりと呟く。
家に帰ると、自分の荷物と柔太朗との思い出が詰まったものを一つずつ片付けた。
見れば思い出してしまう。
#snjn
のりもちさん
11,760
み!
2,208
触れれば、楽しかった時間が蘇ってくる。
それでも、手を止めずに荷物をまとめた。
全部まとめ終わると、俺は静かに息を吐いた。
そして、柔太朗が来るのを待った。
今日で終わらせるために。
コメント
1件
第3話読み終わったよ〜〜😭💔💔💔 二人の視点が交互にくる構成が切なくて、特に仁ちゃんの「未練を心の奥底にしまった」ってところが胸に刺さった…! 一緒に帰ろって声かけないようにしてるの、じわじわ来るよね。柔太朗くんがまだ何も気づかず「り」って返してるの見ると、あとで知った時の冲击がもう怖すぎる…次どうなるの!?続きが気になりすぎるよ〜〜✨💕