テラーノベル
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「そ~らを自由に飛~びた~いな」
そう口ずさみながら会社の屋上への階段を上って行く。屋上へ近づくにつれて雨音が大きくなるのが解る。
「はぁ、人生最期の大舞台なのに雨ってそりゃ無いよ」
今まで大事な場面では必ず雨が降ってきた。その度に何かしら大きなピンチに見舞われ不幸中の幸いと言えば良いのかな?切り抜けはするけど必ず成功とは言えない結果となるのが私の人生だ。
「どうしようかなぁ、今日はやめにして晴れた日に出直すべきなのかな?」
迷いはある。両親のこととか友達のこととか色んな迷いも有ったけど振り切ってここへ来た。なのに雨、雨の日は失敗するジンクスがある。やはり
「御前さんどこ行こうとしてんだ?」
え?
「こっちは屋上だ。しかも雨の日なんだから用もねぇだろう?」
服装からして清掃員?しかもかなり老年のお爺さんだ。
「爺さんこそ此処で何してんの?」
「わしは此処の見張りだよ。馬鹿なこと考えてる若造どもが来ねぇか見張るためのな…失礼かもだが御前さんはその馬鹿なことを考えてるやつの目をしてるから引き留めた」
あーこれだから雨の日は…これが失敗の要因か?クソッ!
「顔から見るに図星みてぇだな…馬鹿なことは止めてさっさと帰れ」
「………はい」
「そういえば聞いたこと有る?」
「え?何々?」
また誰かの噂話か?またしょうもないこと言ってんだろうな。
「飛び降りようとした子の下敷きになって亡くなった清掃員のお爺さんの話」
え?まさかあの爺さん?
「あーあの人ね…あの人優しかったから好きだったんだけどね。惜しい人を亡くしたよ」
だからあの時私を止めたのか…自分と同じ人がまた出てこないように
「やっぱり飛び降りなんて止めた方が良いのかぁ」
そう呟きながら会社から出る。帰っても何もやることは無いけど
ドサッ
何かが落ちてきた?今私はどうなってる?まさか飛び降りか?
そのまま私の意識は落ちた
その日も雨が降っていた
5,513
K
のなな
コメント
5件
最後の場面変わった後の会話の人は...
私は何をしようとしてたのか解らん
うわっ…これ、めっちゃしんどい話すぎて読み終わった後しばらく動けなかった😭💦 主人公の「雨の日は失敗する」ってジンクス、最初はちょっと呑気に聞こえたのに…最後の下敷きで全部繋がって絶望がドンッて来た…。 お爺ちゃんが「自分と同じ目に遭わせたくない」って見張ってた優しさが、皮肉にも主人公を死なせる原因になるの切なすぎて泣く🥺 タイトルの「巻き添え」、ダブルミーニングになってるの天才的すぎる…神回でした✨