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【彼女の下着が透けてたら】
夕方、カフェでゆっくり過ごした帰り道。
夏の湿った空気の中、私たちは駅へ向かって並んで歩いていた。
人通りの多い交差点を渡ったところで、亮くんが急に足を止めた。
「…ちょっと、こっち」
腕を掴まれ、路地裏の静かな場所へ引き込まれる。
「な、なに?」
彼は真剣な顔で私を見下ろし、ため息をついた。
「お前さ…今日のトップス、薄すぎ」
「え…」
視線を落とすと、白いブラウス越しに、うっすらインナーのラインが見えているのに気づく。
「さっきから、後ろのテーブルの男、ずっと見てた」
低く押さえた声。
その奥に、静かな怒りと独占欲が混ざっている。
「別に、見られたって…」
言いかけた瞬間、彼は私の腰を引き寄せた。
「俺以外に見せるな」
距離が一気にゼロになり、胸の鼓動が跳ね上がる。
「…分かった?」
囁きと同時に、背中から自分のパーカーを脱いで私に羽織らせる。
「駅までそのまま。俺が家まで送る」
歩き出す彼の手が、私の腰にしっかり回される。
まるで「誰にも渡さない」と無言で示すように。
部屋に入ると、亮くんはドアを閉め、鍵をかけた。
パーカーを脱ごうとしたら、その手を掴まれる。
「俺がやる」
静かな声とともに、彼はブラウスのボタンをひとつずつ外していく。
視線は真っ直ぐ、逸らさない。
「こういうの、俺だけの特権だろ」
最後のボタンが外れた瞬間、彼の腕が私の背中を強く引き寄せた。
唇が触れるだけの優しいキスかと思えば、すぐに深くなる。
上下の唇を何度も重ね、息を奪うほどに。
背中に回された手が、離す気配を見せない。
やっと口が離れた時、彼は額を私の額に押し当て、低く囁いた。
「…もう二度と、他のやつに見せんな」
その声と熱が、全身に残って、動けなくなった。