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1日立って次の日の昼、3人は買い物に出かけることになった。

アリィ「いい匂いする〜。」

ベツレヘム「近くにパン屋さんがありますからね。寄っていきますか?」

ジーク「パン屋かぁ。丁度腹も減ってきたし、なぁ買おう、アリィ。」

アリィ「そうだね、買おうか。」

ベツレヘム「善は急げ!行きましょう!」


ベツレヘム「メム二さん、やってますかー?」

ベツレヘムがお店の入口からひょこっと顔を出す。するとメム二と呼ばれた女性が明るい表情で迎え入れる。

メム二「あっらぁ〜!ベツちゃん!久しぶりね〜!元気だった?」

ベツレヘム「はい!」

メム二「ちょっとあんた!ベツちゃん来てるわよ!」

メム二が店の奥で、誰かを呼ぶと店の奥から男性が出てくる。

「ベツ!久しぶりだな!おっと…そちらは新規のお客さんだな?」

「初めまして、俺はグレイ。こっちはメム二。 夫婦でパン屋を営んでいてね。どれも自信があるからゆっくり見ておくれ。」

アリィ「え、えっと、あの」

ジーク「俺はジーク、こちらはアリィです。 お気遣いありがとうございます。」

アリィ「ジークは会話慣れしててずるい…」

アリィがボソッとジークに不満を漏らす。

ジーク「俺は…仕事上、町に出ることも多かったんだよ…。」

とジークはアリィの不満に対し、答える。

ベツレヘム「ジークさん!アリィさん!このパン買って貰えませんか! 」

2人が言い争っているとベツレヘムが2人に要求をする。

アリィ「そういやベツさん、お金1枚もないんだっけ…。」

ベツレヘム「はい!」

ベツレヘムはそれはそれは潔い返事をした。

ジーク「どれどれ…おお、これまた随分と長いパンだな…」

アリィ「ベツさんは食べたことあるの?」

ベツレヘム「はい、とても美味しくて…お二人は食べた事ないんですか?結構地域であるパンなんですが…。」

アリィ「私達は少し遠いとこから来たんだ。」

ジーク「それに俺達が昔住んでいた村はあんまり作物が育たなかったんだ。」

ベツレヘム「じゃあ今までどうやって…」

ジーク「あくまで人間に害のない野菜が育たないだけだ。人間には食べられなくて豊富に余ってるから野生動物が多かったんだ。だからそれらを狩って食っていた。」

ベツレヘム「家畜化は…」

ジーク「無理。あいつらが食うもんって俺らは触るだけでかぶれたりするものも多くて… 」

ベツレヘム「大変なご苦労を…」

ジーク「そうでも無いよ。生まれてからずっとそういう生活だったし。」

ベツレヘム「ところでアリィさん。何やら考え込んでいますがどうしました?」

アリィ「あっ、いや!なんでもない!」

ジーク「…。」

アリィ(え?私のご飯結構な頻度で野菜出てたけど…あれは両親が奮発してくれてたんだ…。)

ベツレヘム「心配無さそうですね。それで、パンは…」

ジーク「いいけど…これ食べ切れるのか?」

ベツレヘム「4人で食べればあっという間ですよ!それにこのパン結構長持ちするんですよー。 」

アリィ「4人?」

ベツレヘム「ダメだったでしょうか…?」

アリィ「ううん、そうじゃないよ。ただ、マリアさんって苦いものが好きそうなイメージだから。このパン結構甘いみたいだし。」

ジーク「確かに、見る度にコーヒーを飲んでる気がするな。」

ベツレヘム「あの人、かなりの甘党です。というか苦いの全般ダメです。」

アリィ&ジーク「えっ」

ベツレヘム「マリアがよく飲んでるコーヒー、あれ砂糖3つ入ってる上にミルク入ってますよ。 」

ジーク「もうそれコーヒーじゃなくてカフェオレじゃねぇか!」


3人が長いパンを紙袋に差してトコトコと歩いてゆく。

「アカネ君、ありがとうねぇ〜。お礼に飴あげちゃう。」

アカネ「い、いえ…僕は…」

アリィ「アカネ君?」

アカネ「あっ!アリィさん達!あの…少し助けて貰えませんか?」

ジーク「どうしたんだ?」

アカネ「えっとこの方が腰を痛めてしまったので代わりに運んだのですが…お礼に飴をと…」

アリィ「いい事じゃないの?」

アカネ「そ、そうなんですが…僕は…アンドロイドですので、食事が出来ません…。なので勿体なくていただけなくて…。」

ベツレヘム「貰えるものは貰っておきましょう!」

アカネ「でも…」

ベツレヘム「マリアに上げたらどうですか?きっと彼女喜びます。 」

アカネ「母さんが喜ぶなら…」

ジーク(何もかもが人間そっくりだ…。食事が出来ないことと力が強いこと以外は不気味な程に。ん?本物を作るならなんでこんなに…力を強くする必要があったんだ…?)

アカネ「母さんに渡してみます。ありがとうございました。」

ベツレヘム「いいえー。〜♪」

ベツレヘムが、アリィが持っていたパンをこっそり1口ちぎろうとしていたが、すぐにアリィに気づかれた。

アリィ「あっ、こら!つまみ食いしちゃダメ!」

ベツレヘム「んにゃあ〜ん。」

ベツレヘムが文字通り猫撫で声で鳴く。

アリィ「可愛く鳴いても駄目です!」

ベツレヘム「そんなぁ!」

ジーク「何やってんだか…。」


コンコンとドアをノックする音が鳴る。

ノア「…どうぞ。」

マリア「こんな夜更けに邪魔して悪いわね。」

ノア「…珍しい人もいるね。 」

マリアの後ろから1人の人物が出てくる。

ベツレヘム「こんばんは。」

それはベツレヘムだった。

ノア「こんばんは。一体なんの用で…」

ベツレヘム「あなたと話がしたくて来たんです。『アヴィニア人最後の生き残り』のあなたと。 」

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