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「笑、こんな所にいた。早く帰ろう?」
「る、類さん!?」
episode9
「な、何でここに…!?」
「ん〜?いつもみたいにお兄ちゃんって呼ばないの?」
あ、そうだった…!
あまりにも急すぎて尚が見えて無かった…
「ご、ごめん尚、兄ちゃんが迎えに来ちゃった!」
だが尚もびっくりしたのかキョトンとしている。
そりゃそうだよな…
「笑のお友達?はじめまして、類っていいます。いつも笑がお世話になってます。」
類さんは俺を抱き上げたまま浅く礼をする。
あの、俺見えてる…?
尚もそれに反応して礼をする。
「こ、こちらこそ、笑とは仲良くさせてもらってます!」
「へえ〜…もう呼び捨てで呼び合う仲になったんだ?仲いいんだね〜」
表ではにっこり笑ってはいるが、何か独特なオーラが出ている。
これは早く切り出したほうが良さそう…?
「そうなんです!あ、つい今さっきからですけど…」
「へえ〜…(^_^)」
「な、尚!もう帰ったほうがいいんじゃないか?空も暗くなってきたし…!」
「確かに…わかった。笑、今日はありがとうね!また遊ぼうね!!」
そう言うと、尚は向こうへと走って行った。
「…あ、類さん、今のが…」
すると類さんは俺の顔に口を近けた。
「ショウにゃん、早く帰ろう…?」
「!?///」
な、何で耳元で言うんだよ…。
「てか、何でここが分かったの?」
「ああ、スマホにGPSつけてたからね。」
怖っ…。
「今、怖って思ったでしょ〜?」
「え!?」
「言ったでしょ?これ元は僕ので、親がGPS付けてただけだよ。だから安心して。」
納得できるか…!
まあ、いいけど。
類さんは本当に不思議だ。最初は大人しい人だと思っていたけど、案外怖いのかも…。
「ってことがあって…、危なかったよ〜」
あれから家に戻り、今日の出来事を類さんに話した。
「確かに…いくらショウにゃんに似てるからって、声まで完璧に似ているわけじゃないからね…。」
「まあ、なんとかなったけど…。」
そういえば…
あの麻衣ちゃんの隣にいた男の子、何処かで見覚えがあった気がする…。目があったとき、謎に懐かしい感じがしたというか…。
初めて会ったのに…何で…?
「ショウにゃん?どうしたの?」
考えていると類さんが俺を覗き込んでいた。
「あ、ううん。何でも…。とりあえずお腹空いた。ご飯食べよう。」
「そうだね。」
まあ、いいか。
「はあ〜…美味しかった〜!ショウにゃんの手料理は世界一だよ〜!」
「それは言い過ぎw」
いつものように類さんは俺の料理を美味しいって言ってもらって…
甘えさせてもらっている。
でも、やはりモヤモヤする…。
あの人と目があってから…ずっと…。
「ショウにゃーん…!」
「うわっ!何?」
「何って、ずっとボーッとしてたよ?何かあった?疲れたの?」
「へ、平気平気!!いや、今日初めて友達と遊んだから疲れちゃったのかも…。でも全然平気!!心配しないで!」
「そっか…。ショウにゃん、今日はもう寝て?片付けは僕に任せてよ。」
駄目だ駄目だ。類さんには心配かけないようにしないと…!
「大丈夫だって!!それに明日休みだし!今日頑張って、明日思いっきり休むからさ!」
すると類さんは俺を横抱きした。
「ちょ!?///」
「だーめ!早く寝るの!!」
そう言いながら、寝室へと連れて行く。
「だ、大丈夫だって…!!平気!」
足をジタバタさせ、何とか下りようとする。
何もかも類さんに任せるわけには…!!風邪ひいてるわけじゃないのに!!
「ショウにゃん、暴れないで。」
類さんは俺を自分に寄せた。
すっぽりハマっているせいか、動けない…。
「…///」
意味わからん…。何でこんなことに…。
類さんの顔を見上げる。
クソ…。イケメンが……。
寝室に着くと、俺をそっとベッドに移し、タオルケットをかける。
「しっかり休むんだよ?ショウにゃん…。」
「いいのに…。」
「だめ。おやすみ、ショウにゃん…。」
なんか、鼓動が早いな…。