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うさぎのプロポーズ

16 - 第16話 サプライズ

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2023年07月27日

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放課後

あの後数回トライはしてみたものの、璃音の人気が強く、渡すことができなかった。部活でなら渡せるかな?と思っていたのだが、先輩、後輩、同級生にまでもらっていた。結局渡すことが出来ずに部活終了時間になってしまった。


「あ、月!」

恋雪ちゃんがいつものように校門前で待っていてくれた。

「渡せた?」

私はふるふると首を振った。

「なんで!?いいの?」

「渡したいけど、タイミングが分かんなくて…」

その時、後ろから腕を引っ張られた。

「月!」

「え、璃音!?」

「ちょっと話があるんだけど。」

「あー、私用事があるんだったー。月、ごめん。先帰るね」

恋雪ちゃん演技下手だな。

「ちょうど良かった。私も璃音に用事があったの。」

「本当?でもごめん。俺からいい?」

「いいけど…?」

なんだろう。

「はい、これ。」

そう言って璃音が渡してきたのはうさぎのぬいぐるみだった。

「わぁ!かわいい。…ん?」

よく見ると、うさぎが手にチョコを持っていた。

「え?なんで?」

「逆チョコ。」

「ギャクチョコ?」

「そう。月のチョコ待ってたんだけどな〜。くれなかったから逆チョコ。」

くれなかったから逆チョコって…。

「璃音面白いこと考えるね。」

私は思わず笑った。

「はいこれ。私からもあげる。」

私がガトーショコラを渡すと、璃音はポカンとしていた。

「え?…え!?なんで?てか、持ってきてたの…?」

「うん。なんか璃音モテてたから渡しづらくなっちゃってさ。」

「うわ…。超嬉しい…。ありがと」

璃音はニコッと笑った。

「せっかくだし一緒に帰っていい?」

「逆にいいの?」

「うん。月は夜道怖いもんね。」

璃音は私の頭をポンポンと撫でた。

「!」

「あ、固まった。」

「バカにしてるでしょ!」

「ごめんて。」

好きだ。璃音といると自然と笑顔になれる。


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