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黒星
21
#シリアス
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「はぁ?!俺がケツ掘られんの?!無理無理無理無理!!絶対に無理!!」
全力で拒絶する俺を見て、颯太はニヤニヤしながら顎に手を当てた。
「……あー、あきらはタチ希望だったの?でもどう見ても、あきらはネコだと思うけどなぁ」
「タチとかネコとか……なに?専門用語出すなよ」
「ま、あきらは知らないか。男同士の恋愛を描くボーイズラブっていうジャンルとか、同性愛者の間で『攻め』と『受け』っていう明確な役割があるんだけど…攻めのことをタチって呼んで、受けのことをネコって呼ぶんだよ」
「は、はえぇ…じゃあ、お前はなんなんだよ、タチなのか?」
「俺はリバかな」
「リバ?」
「うん、両方の役割ができるハイブリッドな人のこと」
「なるほど……って、だとしても!俺がそのネコだとか受けだとか、絶対に有り得ねぇからな!」
「え~、でもあきらのケツ提供してもらわなきゃ困るなぁ。これ断られたら俺、ストレスでまた煙草吸うハメになっちゃうよ?」
「……っ、お前がタバコ吸おうが、俺には関係ねぇし!」
「あ、そう?それなら俺、毎日この部屋にデリヘル呼んで女の子と目の前でするけど、いいの?」
「はっ?」
「女の子がトラウマで怖いあきらにとって、他人の生々しい行為を特等席で見せられるのって、精神的拷問だし地獄よね?それでもいいんだ?」
「おまっ、性格悪すぎだろ…っ!」
逃げ道を完璧に塞がれ、俺は絶句する。
現役時代、数々の太客をコントロールしてきたNo.2の交渉術が、今ここで遺憾なく発揮されていた。
「じゃあ、選択肢は一つだけだよね♡」
颯太は立ち上がり、俺の背後に回り込むと、耳元で低く甘い声を囁いた。
「……大丈夫。最初は優しく、痛くしないようにするからさ」
「……っ。本当に、本当に1回だけだからな! 1回ヤって無理だったら、二度とヤらねぇからな!」
こうして、アルコールが回った勢いと、怒涛の脅し文句に流されるまま
俺たちは思いもよらない歪な関係の扉を開けてしまった。
頭では「ヤバい」と理解していても、身体の防衛本能が完全に警報を鳴らしている。
男のちんこを自分の後ろに突っ込まれるなんて、想像するだけで背筋に冷たいモノが走る。
そんな俺の内心の恐怖など、どこ吹く風で
颯太はニコニコと満足げに笑いながら、財布とスマートフォンをズボンのポケットにしまい込んで立ち上がった。
「……おい、どこ行くんだよ」
俺が恐る恐る尋ねると、颯太は玄関へ向かいながら、あっけらかんとした様子で振り返った。
「ん?ちょっとコンビニまで」
「コンビニ?晩飯はさっき食ったし、もう寝るってのに何買いに行くんだよ」
「え?何って今から本番するんだから、ゴムとローション買いに行くに決まってんじゃん」