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『今どこにいんの?』
『カイリュウ:セイトと喋っとる』
『俺、練習室にいる』
『カイリュウ:来い言うこと?』
『来て』
カイリュウにラインを送ると、すぐに軽快なラリーが続き、数分でやり取りが終了した。
いつからだろう、はっきりとはもう覚えていない。
カイリュウが俺の事を好きだと気付いてから、カマをかけるとあっさりと引っかかり、半ば強引に告白の言葉を引き出した。
それ以来、身体の関係を誘うと、最初は”そんなの嫌や”と言っていたのが、身体が抗えなくなったのか、だんだんと割り切るようになっていった。
正直、満更でもなかった。
メンバーの中では1番プライベートがミステリアスで、オフになると自分の殻にこもるカイリュウ。すぐに心を開くようで、開かない。
そのカイリュウが、俺の言葉ひとつで簡単に動く。それが少しだけ快感だった。
でも、好きかと言われたら、そういうわけではない。
ただ、普段はほぼ口で生きてるくせに、歌う時にだけ突然見せるあの静かな色気。
それが、抱いている時にも醸し出されると知ってから、頻繁に誘うようになった。
「……たっくん。待った、?」
練習室のドアが開いて、カイリュウが後ろを振り返りながら入ってきた。
入念に、人がいないかを確認するその仕草。
今からそういう事をします、と宣言しているようで、いつ見ても唆る。
「ううん。早かったね?」
「そ?」
「うん。……そんなにしたかった?」
短い会話のうちに、なんの迷いもなく俺が腕を開き、カイリュウが収まるように膝に乗る。
どちらからともなく、ぎゅっ、と抱きつく。
もう何度目かわからない流れ。
「……そら、したいよ。いつでも。」
「惚れてんねぇ」
「……なぁ、いつ付き合うてくれんの?笑」
カイリュウがいつも言う、お決まりのセリフ。
もはや、ネタかのように毎回言い放っては笑う。
「どうしよっかな?笑」
「またそれやん。もうそろええやろ、相性最高やんけ」
「それはそう。」
「ほんならええやんけ。……なに?好きな奴でもおるん?」
「……いたらどうすんの?」
「別に?変わらへんよ。振り向かせるだけや、」
ちゅっ、とキスをされて、それをきっかけにお互いの唇を啄む。
「っ…ん、ふ、…っ、ぁ、、っ、はぁ…っ、たっくん…っ、」
カイリュウが、俺の首から肩にかけて舌で愛撫する。
ぎゅうっ、と、首に回った手。
その隙に身体を撫で回して、お尻を撫でると腰をくねらせる。
「……欲しい、?」
「んっ…はぁ…っ、欲し…っ、」
「ふふ。…かわいいね、」
頭を撫でると、ぎゅっとしがみつく。
俺に従順な姿が、本当にたまらない。
中を解して、挿れるとすぐにびくびくしながら善がる身体。毎回この瞬間、自分も少しだけ果てそうになるくらい快感が押し寄せる。
カイリュウとは、本当に身体の相性が良い。
「…っ、あ、ん、…ぁ…っ、!」
「っ……声、抑えて。」
「んんっ…、!はぁ…っ、ぁっか、/ん、きもちぇ…っ、/」
「…っ、かいりゅう、好きだよね、対面座位。笑」
「んっ、…んっ、/たっく、ぁ…っ、たっくんがっ、すきなんやろ…っ、?/」
「…うん、だって、腰振ってんのえろいじゃん。笑」
「っ、あ、!ふ、…!ふってへん…っ、」
「振ってるって…」
「っん!あ!!/♡」
下から突くように動かすと、一瞬大きい声が出て、慌てて恥ずかしそうに口を抑えるカイリュウ。
声にならない声を出しながら、身をよじらせて、擦り付けるように腰を前後に動かしている。
「っ、動き方えろ……っ、」
「っ~!/んぅっ、うるっさ、/んっ、はぁっ、も、ぁ”かっ、ん”んっ、♡/」
「……いいよ、?好きなように動きな、?」
「んん”~っ、!/♡はぁ…っ、も、ぅ、やばっ、あっ、♡たっく、っ、ぁっ、ん、いややっ、突いてっ、/」
「俺にイかせてほしいの?」
「んぅっ、♡あ”っ、/たっくっ、たっぐんがい…っ、/」
「んふふ…っ、いいよ、?」
「あ”っ、!♡!/だっぐ、♡っ、!~んっ♡/あ”っ~♡!」
事後、お互いの身体を拭きながら、だらだらと喋る。
「ふふ。あーあ、今日も派手にイっちゃったね。笑」
「っ、/誰のせいやねん…なぁ、事務所で呼び出すんほんまやめろや…」
「好きなくせに」
「好きちゃうわ。…っ…え、もうこんな時間やんけ!あっかん!今日ラジオあるねん!もう行くな?!」
バタバタと大慌てで練習室を出ていくカイリュウ。
ヤった後にラジオ出るって。えろすぎだろ、なんて単細胞な事をぼんやり考えた。
***
『どこ。』
『カイリュウ:今日は無理』
『なんで?』
『カイリュウ:セイトと飯行く』
……
『今事務所にいるよ』
『カイリュウ:なにしとんの?』
『コレオ作る。来る?』
『カイリュウ:セイトとおんねん。コレオ楽しみにしとるなー』
……
最近、セイトを理由に俺の誘いを断ることが増えていた。
少しだけ、カイリュウの感触を忘れかけている。
あんなに抱いてきたはずなのに。
欲求不満なのか、ここのところ、やけにイライラしている。
予定より早く仕事が終わり、今日も手が勝手にカイリュウのラインを開いていた。
『仕事終わったら教えて』
『カイリュウ:どしたん?』
『俺んちおいでよ』
『カイリュウ:わかった』
いつも短文でやり取りは終わるけど、なんだか素っ気ない気がした。
まぁ、いいか。今日は抱けそうだし。
欲が満たされればそれでいい。
そう思いながら、家に帰って、カイリュウを待った。
「…たっくん、話あんねん。」
「話?」
仕事を終えたカイリュウが、家に来た。
ソファーに座って、開口一番にそう言った。
「……こういうの、もうやめるな。」
「……え、?」
「俺、たっくんの事諦めるわ。」
今までありがとなー、なんて軽く言いながら、ふはは。と力なく笑った。
「…なに、どうしたの、」
「んや?…まぁ…たっくんには分からんかもやけど、報われんって結構きついねんで?笑」
眉間にシワを寄せて、少し困ったように笑う。
あんなに、俺を求めてきたくせに。
俺に従順だったくせに。
“いつ付き合うてくれるん?”
“変わらんよ、振り向かせるだけや”
そう、言ってたやん。
急すぎんだろ。
……諦める、だけ、?
「…………他に、好きな奴でもできた?」
何気なく聞いたつもりが、声が震えていた。
俺、なんで、今更。
今更、遅いんだよ。
「……まぁ、そんなとこやな」
カイリュウの言葉に、身体がズシッと重くなって、途端に吐きそうな気分になる。
身体が正直すぎて、自分でもびっくりする。
“セイトと飯行く”
“セイトとおんねん”
最近のカイリュウのラインには、必ず、セイトの名前が入っていた。
「…………セイト、?」
「おん、すごいな(笑)なんで分かってん?」
「いつから」
「いつ…いや、正直まだわからへんけど…昨日告白されてん。…まぁ、あいつとなら、幸せになれそうやなって」
そう言いながら、ふっ、と、優しい笑顔を見せた。
その顔を見た瞬間、痛いくらいに拳を握りしめた。
幸せになるなんて、許さない。
俺以外に、そんな顔すんな。
お前はずっと、俺のもんなんだよ。
「……許すわけねぇだろ。」
「え、?」
「来いよ」
「っ、ちょ、!はっ?!たっくん?!」
腕を強引に引っ張って、ベッドに放り投げた。