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イースト・ジャイアントで食事をしていけば良かったと、安浦と私は嘆いた。
池、そこわ、広大な池だった。東京ドームが三つくらいの大きさだ。橋が中央に伸びていて、池には魚が見えた。長すぎる橋、遠い地平線。幅、五人は並んで歩ける。ちょっと先に、人影もここから見えた。魚を何とか釣れれば、食料になるかも。
「見て、人影があるでしょ、あれは角田さんよ。それに魚がいるわ」
呉林はいくらか上気している。自分の力に自信を再び持ったのだろう。
「ここから、角田さんって、見えないわ」
安浦は両手で望遠鏡をつくり、それを目に当てる。
「角田さんがこの世界のあそこにいるって感じるのよ。みんな行きましょ!」
私たちは降りしきる小降りの雨の粒をコップに入れながら、橋を歩いて行くと、確かに角田だった。角田は釣り道具を持っているようで、釣り糸を池に垂らしていた。
「食料。食料。食料」
俯いて呪文を唱えていた。
「やった。食事ができるかも。呉林、この世界での。しかも池の中の魚は食べられるか?」
「焼けば何とかなるわよ」
呉林は角田の方へと歩いて行って、
「釣れますか……。あ、後、2・3分でカジキマグロよ!」
呉林は上機嫌で角田の肩を叩き、その隣に座る。私と安浦も角田の所へと行った。
数分後、角田は見事カジキマグロを私と一緒に釣ることが出来た。それを見て、安浦が興奮した。
「あたし、とってもお料理は得意よ! あたしが作る! でも、この世界のどこでお料理できるの!? ご主人様のために、あたしお料理したい!」
安浦は必死に呉林に尋ねる。
「うーんと、生じゃダメ?」
安浦と私は顔に陰を作った。
「冗談よ。ここから、ちょっと東に休憩所があって、そこには何かありそうよ。きっと、そこに行けばこのカジキマグロを何とか出来るかも、後、渡部くんが居そうなの。」
私は食料と、念仏のように唱えていて、かなり弱っている角田にテイーカップで水をやった。角田は少し水分不足だったようで元気を少し取り戻したようだ。角田は、スーパーで働いている時、釣り具コーナーにいて、そこからこの世界に来たと弱い口調でぽつぽつと私に言った。それから、東の方へとみんなと歩くことになった。
「池の水を飲んだのですか。やっぱり」