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何も違う僕ら
分岐点カルミアを忘れて、目的に集中する。
徐々に忘れていくカルミアの記憶を感じながら、もうどうでもいいやと、目的の為に歩き始める。
『最後にイトスギくんに会いに行こうか‥』
両親だった人を殺して、俺も消えるなんて言ったらイトスギはきっとキレるだろうな、と思い、イトスギには何も言わないことにした。流石にクソだるい。
時空を歪ませ、ワープをしてイトスギが入院している病院に行く。
イトスギはこちらに気付いた様子でげ、という顔をしている
『良い子にしてたか〜?』
「おいなんの用だ、!」
めんどくさいことは巻き込むなよ‥と鋭い瞳で俺を見てくる。そんなに会いたくないのか‥と少し悲しいフリをしてみる。
『そうか‥それは悲しいな〜‥‥』
少年は少し戸惑った様子を見せながらも
「別に‥‥悪かったよ、‥」
俺に顔を背けながら謝られた。
俺はすぐ騙される単純な糸杉孤影くんの表情に耐えられなくなり、クスッと笑う。
『俺に人の心なんてないんだから、悲しいなんて感情あるわけないだろ〜?♪ほーんと、イトスギくんは単純でちゅねw』
イトスギくんはいつも面白い反応をするのでつい、煽ってしまう。単純で誰にも読めないような行動をするイトスギくんは好きだ。
イトスギは苛ついたような表情をして
「ふっざけんな、!」
俺はそんな苛ついた表情にも、つい笑ってしまう。からかうと感情をむき出しにして怒ってくる。そんなイトスギくんは俺はいつも面白いと思っている。
俺は懐から2冊の本を取り出す。
その本は何十回も見たのか少し古く見える。
俺にとってあの人生の中での宝物だ。
2冊の本をイトスギに渡すと、イトスギは不思議そうな表情をしてじーっと見ている
「意外だな‥‥お前チャラそうなのに。」
イトスギくんは無意識で人に傷つく言葉を言うタイプだ。
イトスギは本のページを開いて、少し嫌そうな顔をしている。
ドイツ語の本と心理学の本なのだからイトスギには少し早いだろう。
『暇だってずーっと言ってたからこれやるよ〜。』
「さては要らないものを押し付けたな、?」
はぁ‥とため息を吐くイトスギ。
今から消えるのかもしれないから確かにそうなのかもしれない。
俺は無意識にイトスギに相談していた。
『‥俺人を殺して俺も消えようと思う。』
「は?」
突然こんな事を言ったらそりゃ困惑だろう。イトスギは表情が固まっていた。
「人を殺し‥えぇ‥魂狩ってるのは人を殺してるんじゃないのか。」
『あ~‥‥』
確かにそうだった。今更の話か‥、俺は立ち上がって去ろうとするとイトスギは俺の手をつかんできてこう言った。
「でも‥お前が消えるのは許さねぇよ。」
今度は俺の表情が固まった。
『‥どゆこと?』
「お前が消えるのは許さねぇっての。俺を勝手に置いていこうとすんなよ。何勝手に死のうとしているんだ顔面国宝性格悪徳クソ鬼灯。」
前半までは褒め言葉だったが、後半からはほぼ悪口だった。
俺はつい、くすっと笑った後、少し真剣な顔をして
『分かった。お前が死ぬまで目的を達成するのはやめてやるよ、』
「‥‥約束な。」
アナザーエンド『何年前の約束』