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街はとても賑わっている。幸せそうに手を繋ぐ恋人、家で家族揃ってご飯を食べる家族、友達と一緒に遊んだり…
これは、典型的な平和。そして幸せな世界である。
だがどうだろう…そう見えるのは人々が面の世界しか見てないからではないだろうか。
ドンッ…と前から歩いてくる人間と肩がぶつかる。
「どこ見てんだてめぇ!」
と聞こえたような気がするが気のせいだろう。私にはもう関係ない事だ。
…気づいたら自分は仰向けで倒れていた。殴られたのだろう。
何も感じなかった…当然痛みも無い。気づいたら夜空が目の前にあった。人生こんなもんかとも思う。何も感じない。
私はまた歩き出した。何も考えず何も感じずただただ前に向かって歩き出した。
この世の中には当然幸せな者が存在する。それと比例して不幸せな物も産まれてくる。だが、幸せな者達は、今目の前にある幸福しか考えていない。
それは良い事なのだろうか…
私はこのような世界とは程遠い人間である。
目的地に着いた。いや、場所なんてどこでも良かった。
もう私はただ楽になりたかった。
自分が普通の人間であれば「いい景色だな」とか、「こんな綺麗な所、恋人とかと一緒に見たかったな」とか色々思うんだろうな。
「普通の人間」であれば…ね
もうそんなことはどうでもいい。楽になりたいんだ。こんな気色の悪い世界とは別れを告げたい。
もう何も思い残すことはない。
そんな風景を見ながら私は
「橋の上から自ら身を投げ出した」