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るなside
わたくしはエルマージュ国のるな。
お母様が亡くなったあの日からおかしくなってしまったお父様から逃げてきたら、綺麗な百合の咲く丘に迷い込んだ。
ここはどこだろうとキョロキョロ周りを見渡すと、同い年くらいの女の子が崖っぷちに立ってぼうっとしている。
わたくしは興味が湧き、つい彼女に声をかけた。
振り向いた彼女と目が合いエメラルドグリーンの瞳に引き込まれそうになったが、ハッとして「ごきげんよう」と挨拶をする。
彼女はにこっと微笑み、「ごきげんよう」と返してくれた。
互いに自己紹介をし、彼女はマロッシュ国のまなだと知った。
「この子と仲良くなりたい」
そう思ったわたくしは、「あちらでもっとお話しましょう?」とベンチへ誘った。
この時からわたくしは、知らず知らずのうちに彼女に惹かれていたのだろう。