もふくんが予約してくれたのは立派な日本家屋を改築したカフェだった。個室の窓から見事な庭園が眺められ、室内は畳の良い匂いで満ちている。テンションが上がった俺たちは庭や部屋と自分達を撮りまくってえとさんに送信した。もふくんが、ほら腐女子餌だぞーって言ってて笑った。酷い。
「いただきまーす!」
「はい、たんとお食べー」
メニューと睨めっこしてやっと決定した抹茶パフェを一口食べる。ひんやりとした抹茶アイスの甘さに疲労が溶けていくみたいだ。思っていたより俺は疲れていたんだな。対面に座っているもふくんは抹茶あんみつを注文していて、色とりどりのフルーツときらきらと光る寒天が綺麗だった。あんみつを口に運んだもふくんがびっくりしたように言う。
「うっっっま!」
「ね、マジで美味しい!」
「さすが京都、お上品なお味どすなぁ」
「なんだよその口調…」
上機嫌でエセ京都弁を披露するもふくんが面白くて、そして2人きりの空間が嬉しくて笑顔でいるのをやめられない。俺は勇気を振り絞って、でも何でもないようにテーブルに身を乗り出して言う。
「ね、あんみつ一口ちょーだい」
あーんと口を開けると、もふくんはしょうがねぇなぁと言いながらあんみつを掬って口に放り込んでくれた。彼のスプーンで運ばれた特別なあんみつは俺が今まで食べた中で1番最高に美味しかった。もふくんの真似をして俺もたっつんがキレ散らかしそうな京都弁で言う。
「美味しおすなぁ」
「せやろー?どぬくさんのも食べたいわぁ、一口おくれやす」
えっ、と動揺する俺をよそにもふくんは目を瞑ってぱかっと口を開けている。雛鳥みたいでかわいい!せっかくの間接キスを逃す訳もなくパフェを掬って彼の口を放り込む。今、俺たちイチャイチャしてない?してる!!
「お茶の味が濃いなぁ、お土産に抹茶欲しくなってきた」
「だね、皆に抹茶飲ませてあげたくない?」
「ここお茶とか売ってるスペースあったから後で見ます?」
「見ます!!」
じゃあもう少しゆっくりしてから行きましょーと笑うもふくんを心の中のシャッターで俺は何度も撮った。
コメント
4件
こういうカフェともふくん、すごい雰囲気合うんだろうなぁ(*´ω`*) えとさんに送られた餌が美味しそうすぎて、此方もお腹いっぱいで幸せですw(*´ω`*)
さいっっこうです⋯