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こんにちは、あめです。
不意にアイデアが浮かんだので書きます。
ようは衝動書きです。
⚠注意書き
BL
R無し
実況者はやってません
花龍列車要素あり(捏造あり)
では、大丈夫な方
本編どうぞ。
〜kn視点
ふわりと、柔らかな風が頬を撫でる。
ゆっくりと目を開けると、そこは辺り一面、真っ白な世界。
どこを見ても白しかなくて、景色も、物も、見当たらない。
俺は不意に、空を仰ぎ見る。
すると、空からゆっくりと、誰かが舞い降りてきた。
それは、一人の青年だった。
頭に金に光る輪を浮かばせ、背中にはこの世界に溶け込んでしまうような純白の羽を生やした、
美しい顔立ちの青年。
彼は俺の前にゆっくりと降り立つと、俺の頬を両手で優しく包みこんだ。
kn「……ッ?」
声を出そうとしても、うまく出せない。
喋れない。
俺は、彼の頬にそっと手を伸ばした。
どうしてか、彼に触れたかった。
彼を失いたくなかった。
___あと、ほんの少しで届く。
そんな時に、不意に強い風が吹いてきて、
彼のことを吹き飛ばした。
彼は風に乗り、ふわりと上空に舞い上がると、
俺に優しく笑みを向け、そのまま天高く飛んでいってしまった。
切れ長の目の彼に似合わない、ふんわりと優しい、太陽のような笑顔で。
kn「ッ…!!」
がばっと、勢いよく布団から飛び起きる。
……また、この夢だ。
最近、同じ夢ばかりみる。
天使のような青年が俺の前に現れ、
俺が触れようとした瞬間に飛んでいってしまう。
そんな、さみしい夢だ。
でも、俺はあの青年に会ったこともないし、話したこともない。
誰かわからないのに、夢から覚めた時、
どうしようもない孤独に包まれる。
意味が分からなかった。
そのせいで仕事にも集中できず、
いつもより早く目が覚めてしまうから寝不足だ。
俺には、名前も知らない“彼”が必要なのだ。
直感だが、彼に触れることができれば、
あの夢をみることはなくなるだろう。
夢の中でも、現実でも、今の俺の目標は、
彼に触れること。
触れて、抱きしめて、俺のものにして。
この孤独から抜け出したい。
わけもわからないが、そう思った。
俺は布団から起き上がり、仕事の準備にかかった。
職場へ向かう、電車での移動時間。
彼を想い続けた。
どこにいるのだろう。
どこかで、俺を見ているのだろうか。
それとも、会うことも叶わないほど、遠くにいるのだろうか。
いったい俺は、どうしたらいいのか。
名前も年齢も声もわからない。
でも、
顔だけは鮮明に覚えていた。
探そう。
固く、心に誓った。
夕日が空を赤く染めている。
今日も、何事もなかったかのように1日が過ぎた。
……そう、思っていた。
駅から家へ歩く道の途中。それは突然現れた。
あの青年が、俺の目の前に現れたのだ。
何の前触れもなく、突然。
彼は、道路の脇に咲いた1輪の小さな花を、指でもてあそんでいた。
kn「…は、ッ?」
思わず声をもらしていた。
すると、彼がゆっくりとこちらを振り返った。
紛れもない、俺が夢でみた彼だった。
切れ長の目に、色白の肌。美しい顔立ちが、夕日に照らされて妖美に輝いている。
ただ、金の輪と天使の羽は見当たらなかった。
kn「い、た…」
?「……やっと、見つけてくれたんだね。」
彼が喋った。
低くて、重みのある声。
でも、その音は耳に心地よかった。
?「ずっと待ってた。やっと、気がついてくれたね。」
kn「誰、なの…?」
静かに尋ねると、彼は寂しげに微笑み、ゆっくりと立ち上がった。
?「覚えて、ないよね…。…わかってたよ。」
kn「…、?」
?「わかってたけど、面と向かって言われるとさみしいなぁ。」
彼はゆっくりとこちらへ近づいてきた。
そして、俺の目の前まで来ると、俺の手を取り、そっと何かを乗せた。
?「もし、思い出してさみしくなったら、これを見て、俺のことを想って。」
kn「え…?」
?「きっと、また会いに来るから。」
そう言うと、彼はくるりと俺に背を向けた。
?「ばいばい、お兄ちゃん。」
kn「…ッ!」
その背中には、純白の羽が見えた。
俺は、しばらくその場に立ち尽くしていた。
何も考えられなかった。
ただただ、消えてしまった彼を想った。
なぜか湧き上がってくる、懐かしさ。
その時。俺は、手に違和感を感じて我に返った。
さきほど、彼に手渡された何か。
俺はその何かを確かめるため、そっと手を開いた。
そこには、
四葉のクローバーが1輪、横たわっていた。
〜?視点
?「会えて良かったなぁ。」
誰に言うでもなく、小さく呟く。
眼下の街を見下ろし、それから夕日に目を向ける。
あの時、俺が最後に見た景色のように、
あの時の血のように、
真っ赤な空だ。
?「あれで思い出してくれるかな。」
いや、無理だろう。
そんなのわかりきったことだった。
だってあの時、最後の時に、車掌に尋ねたじゃないか。
「来世に記憶は受け継がれますか」
って。
答えは“NO”。
そんなこと、滅多にないと言われた。
俺は右手を出して、ふっと息を吹きかけた。
その手の平に、確かに睡蓮の花が浮かび上がって来たのを見て、俺は優しく微笑んだ。
来世も君と、愛し合いたかったな。
そしてまた、あんな悲劇を迎えよう。
それでもきっと、私はあなたを
一生忘れはしないから。
?「またね、」
shk「お兄ちゃん。」
おわりです。
本当に衝動。
でも書いてて楽しかった。
こういう系好き。
また書くかもです。その時はよろしく。
おつあめ!
……あと、あけおめです。今年もよろしく✋