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「kz、そろそろ休憩しよう」
「ん、分かった」
自室で仕事に没頭していると、syuがそう声を掛けた。グループ皆で行う仕事ではなく、こうして個人でやっている仕事になるとついつい時間を忘れてしまう。時には食事を摂ることも疎かになってしまう。そんな時、管理をしてくれるのは何時もsyuだった。
「おやつ、買ってきたから」
コーヒーと一緒に用意されていたのはシュークリーム。小さめのそれは、軽く摘まむには最適で。頬張っていると不意にsyuが手を伸ばしてくる。疑問に思っているとkzの唇の端に触れた。
「クリーム付いてる」
極々自然な動作でクリームを拭い、その指をぺろりと舐めた。明らかに狙ってやっている。目が、まるで捕食者のように細められている。
「何? 意識しちゃった?」
「んなっ…!」
そんなことを言われると、意識せざるを得ない。思わず頬が熱くなるのが分かる。傍から見て、今のkzの顔は赤く染まっていることだろう。
「でも、今はお預け」
向かい側に座っていたsyuが不意に椅子から立ち上がる。そしてkzの横へとやって来るとその頬に優しくキスを落とした。
「夜まで、待っててね」
余りにも妖艶な笑み。普段の穏やかに笑うsyuとは明らかに違う表情にカッと身体が火照りそうになる。誤魔化す為に、コーヒーを流し込んだ。
「照れてるkz、可愛い」
「…お前は何時もと豹変しすぎなんだよ」
「でも、嫌いじゃないでしょ?」
ぐうの音も出ない。そんなkzを見て、syuはくすくすと笑みを零す。そして再び自分の席に座り、コーヒーを飲み始めた。
「…仕事、してくる」
「ん、分かった。俺も作業残ってるからやっておかなきゃ。夕飯になったらまた呼ぶね」
「分かった」
自室へと戻るkzを見送った後、syuも自室へと向かう。彼程ではないが、自分もグループとしての役割がある。それをある程度行っておかなければ、今晩を楽しむことは出来ない。
パソコンを付け、集中をする。タスクをこなすことが、今最も必要な事柄だった。
「kz、ご飯出来たよ」
syuが呼んだのは、夕方もとうに過ぎた時刻。彼も仕事をこなし、その後夕食作りをしてくれた。余裕があればkzも手伝うのだが、何せ今は作業量が多い。故に家事を任せてしまう形になっている。しかしこれは逆の場合はkzが家事を多く担っている為、互いに合意の上だ。
「ありがと」
湯気の立つ食事を満喫し、片付けた後は暫しの休憩。最近アップロードした自分達の動画を見ながら、ああでもないこうでもないと次の企画のことも含めながら話をする。
と、風呂が沸く音が聞こえてくる。此処からは、仕事ではなく恋人としての時間の始まりだ。
「お風呂、いこっか」
「うん」
手を取り合い、脱衣所へと向かう。服を脱ぎ、洗い場へ。椅子に座るkzの背後にsyuが立った。シャワーで頭を濡らし、シャンプーを手に取る。わしゃわしゃと洗ってもらうのが心地よくて、kzは好きだった。
丁寧にトリートメントもしてもらい、交代をする。一緒に入浴する際、こうして互いの髪を洗い合うのは以前から。身体も洗い、湯舟に浸かる。
kzはsyuの胸元に背中を預けて寄りかかる。腕が腹部に回され、syuは愛おしさを隠すことなくkzの耳元や首筋に何度もキスを落としていた。
「キスマ、付けるなよ?」
「分かってるって。でも、本当は見える所にたくさん付けたい」
いくら在宅勤務とはいえ、服で隠れないような場所に付けられると困ってしまう。だが、syuは見える場所に付けたいという。案外、独占欲が強いのだと知ったのは付き合い始めてからだった。
「見える所はダメ」
「じゃあ、別の所で我慢する」
その言葉に覚悟する。これは、隠れる場所に相当の数を付けられるな、と。今迄の経験上、こんなやり取りは幾度かあった。その度に自分でもドン引くくらいにキスマークを付けられている。
そうしているとsyuの手が腹部から離れ、太ももへと移動したことに気付いた。するりと撫でられれば、ぴくりと身体が反応する。
「ねえkz、期待してる?」
耳元でそんなことを言われてしまえば、途端に身体が疼く。抑々、昼間の段階で夜の営みのことを意識させられていたのだ。これ以上煽らないでほしい。
「耳、真っ赤」
「誰のせいだと…ッ!」
「ははっ。じゃあ、そろそろ上がろうか。お風呂でシたらのぼせちゃう」
風呂から上がり、身体を拭かれるとそのままバスタオルにくるまれて抱き上げられる。髪を乾かしてはいないが、そんなことはどうでもいい。互いに昂っており、早くこの熱を発散したかった。
ベッドに下ろされると、キスの雨が降ってくる。唇を軽く舐められたことを合図に薄く開けば、すぐにsyuの舌がねじ込まれた。
「ふ、んぅ…」
くちゅくちゅと舌が絡まり、水音が響く。何時しかkzの腕はsyuの首へと回されていた。キスをしながら、syuの手はkzの身体を這い回る。胸の飾りを幾度も弾き、その度にくぐもった喘ぎが零れた。
中心は痛い程に張り詰めている。早く触ってほしいと、そう懇願するような目を向けると漸くsyuは唇を離した。
「はっ…しつこい…!」
「そんなこと言ったってkzも好きでしょ? 俺とのキス」
「そうだけど…!」
「ははっ、そこは素直に認めてくれるんだね」
軽口を叩きながら、syuはkzの太ももに触れる。そしてぐいと開かせ、内側に唇を寄せた。
「さっきの話。今日は此処で我慢する」
そう言って、強く吸い付いた。
「あっ…!」
幾度も、何か所も。syuはkzの太ももに吸い付いた。わざと、痕が付くように。少しして、kzのその場所は、幾つもの赤い印が濃く刻まれていた。
「syu…ッ」
太ももに印をつけられているだけ。しかしそれもまた、kzを昂らせる要因になり得た。唯でさえ苦しかったkz自身はすっかりと上を向き、先端からは雫を零している。
懇願するようなkzの声に満足そうな笑みを浮かべ、syuは起立を口へと含んだ。
「あ、あぁあ…!」
漸く与えられた直接的な刺激にkzは嬌声を上げる。口で扱かれるのと同時に揉まれ、あっという間に限界を迎える。
「syuッ」
「んっ…だひていーよ」
「そこで、喋んな…ッ。んああああ…!」
びゅるにゅるとsyuの咥内に吐き出す。尿道に残った残滓すら吸い出し、syuは含んだものをごくりと飲み込んだ。
「ご馳走様」
「はっ、は…悪趣味…」
「kzのだから、ね」
荒い息を付きながら、kzはsyuを見る。自分は一度出して多少は落ち着いたが、syuのモノはまだ立派にそそりたっている。
「そろそろ、俺も限界」
取り出したローションを手で温め、syuの指が後孔に触れた。ゆっくりと、焦らすように指が挿入される。くぷくぷと浅い所を幾度も擦られれば、直ぐにじれったさが沸き上がってくる。そんな生温い感覚など求めていない。昼間からどれだけ我慢してきたというのか。
syuも限界だと言う割にkzからおねだりされるのを待っている。その表情に、少しばかりムカついた。
「はやくッ」
きっとsyuに視線を向けて言えば、にやりと笑みを浮かべて彼は指でナカを抉った。それはしっかりと前立腺を捉え、強烈な快感をkzに与える。
「ああッ…!」
「いい声。でも、もっと啼いてほしいな」
ずるりと指が抜かれる。呼吸を整える前に、ぴとりと宛がわれるsyuの熱。硬いソレが、ぐっと内部に押し込まれる。
「あっ、あ…!」
ずぷぷ、とナカを蹂躙される。そしてすぐに、熱を奥まで打ち込まれる。
「ああ…!ひ…んあ、あ…ッ」
注挿は段々激しくなる。kzはsyuに強く抱き着きながら嬌声を零す。
「kz…ッ」
ぐっと、更に腰を奥まで押し付けられた。奥の奥まで入り込む、灼熱。目がチカチカする。余りの快感に、喘ぐことしか出来ない。
「しゅ、とっ、きもちい…ッ」
「俺も…ッ。ねぇ、ナカに出して、いい?」
「んッ!出して、おれの奥、に。あッ…!」
「でる…っ!」
「あ、だめ…イ、く…!あぁあああッ…!」
身体の中を満たす熱。身体を震わせながらも、心地よさに瞼が降りる。
「寝ていいよ」
唇に優しいキスが落ちる。syuの言葉を聞きながら、kzの意識は落ちていった。
「ん…」
ふと、意識が浮上する。緩く瞬きをするが、視界に入る室内はまだ暗い。僅かに視線を上げて時計を見ると、まだ早朝にもなっていない時刻。
情事の最後、眠ってしまったようだった。服は着ていなかったが、身体に不快感はない。syuが綺麗に後始末をしてくれたのだろう。
当の本人は裸のkzの腹部に腕を回し、すやすやと眠っていた。首元に、彼の穏やかな寝息を感じる。
syuを起こしてしまわないように気を付けながら、kzは身体の向きを変える。視界に入ったのは、綺麗な寝顔。幸せそうな表情をしている彼に、ふわりと笑みが零れた。
「…ここが、俺の居場所…」
酷く温かくて、幸せになれる場所。syuの隣が、kzの生きる意味。この穏やかな日常を、これからもずっと続けていきたいと、そう切に願う。
自分と同じように服を纏っていない胸元に擦り寄る。トクン、トクンと心臓の鼓動が聞こえてくる。
「好きだよ」
そっと顔を上げ、キスをする。普段は余り言えないが、彼を愛しているのは事実なのだ。こうして寝ている時にだけ、素直に言える。
syuの腕に包まれながら、再び目を閉じた。願わくば、夢の中でも彼の隣にいれますように、と。
「kz」
そう、名を呼ばれた。
「ずっと、俺の隣にいて」
その言葉に、直ぐに言った。
「当たり前だろ」