テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
1件
やばいやばいやばい!!展開が急すぎて頭追いつかないんだけど!?双子で入れ替わりで婚約でしかも記憶操作!?しかも写真の日付が昨日って…っていうことは二人とも嘘ついてるってこと?それとも記憶そのものが偽物?湊と律、どっちが本当に琴音のこと想ってるのかもう全然わからん…でも最後の湊の涙と「反則だろ」って台詞が刺さりすぎた。続き早く読みたい🔥
「……バレちゃったか」
目の前の湊が笑った。
昨日まで、私が好きだった顔。
私を振った顔。
毎晩、匿名アカウントでメッセージを送ってきた顔。
全部、同じなのに。
「……あんた、誰?」
私が聞くと、彼は少しだけ悲しそうな顔をした。
「ひどいな。ずっと一緒にいたのに」
「答えて!!」
すると彼は、静かに言った。
「白石律」
…………は?
「俺の本当の名前」
「……律先輩?」
「そう」
彼は制服のネクタイを緩めた。
「お前が好きになった神崎湊は、俺が演じてた」
頭が真っ白になった。
「なんで……?」
「お前を守るため」
「そんなの、意味わかんない!」
「だろうな」
彼は笑った。
「でも、もう終わりだ」
そう言って、私に一枚の紙を渡した。
そこには、見覚えのない文字が並んでいた。
――婚約契約書。
そして、その下に書かれていた名前。
琴音。
「……何、これ」
「お前の婚約者は、俺だよ」
「……は?」
「十年前に決まったこと」
「嘘……」
「嘘じゃない」
律は私を見つめた。
「だから、俺は湊になった」
「お前が本物の湊を好きになったら、全部壊れるから」
その瞬間。
ガチャッ!!
屋上のドアが開いた。
「琴音!!」
聞き覚えのある声。
振り返ると、そこに立っていたのは――
もう一人の、神崎湊。
顔も、背丈も、声もそっくり。
だけど、目が違った。
本物の湊は、泣きそうな顔で私を見ていた。
「……やっと会えた」
私の足が動かなくなった。
「……本物、なの?」
湊はうなずいた。
「ごめん。遅くなって」
「じゃあ、今までの湊は……?」
湊は、律を見た。
「そいつは、俺の兄貴だ」
……え?
兄弟?
でも、律先輩は湊のことを弟って言ってた。
じゃあ、いったい何が本当なの?
湊は私の手を取った。
「琴音。俺と一緒に来て」
「待って!」
律が叫んだ。
「そいつの言うことを信じるな!」
「お前が言うなよ」
湊の声が低くなった。
「琴音に近づいたのは、お前だろ」
「……ああ、そうだよ」
律は笑った。
「でも、お前だって同じだろ?」
二人の視線がぶつかった。
そして律が、私に言った。
「琴音。お前、本当に十年前のことを忘れたのか?」
「……」
「じゃあ、教えてやる」
律は一歩近づいた。
「十年前、お前が結婚を約束したのは――」
「やめろ!!」
湊が叫んだ。
でも、遅かった。
律は、はっきりと言った。
「神崎湊じゃない。俺だよ」
…………。
頭の奥で、何かが壊れた。
幼い私。
泣いている男の子。
そして、私の声。
『りっくん、大好き!』
……りっくん。
私は、律を見た。
「……本当に?」
律は、うなずいた。
「ずっと、お前だけだった」
そのとき。
湊が、静かに笑った。
「……そっか」
今にも泣きそうな顔で。
「やっぱり、思い出しちゃったんだな」
「湊……?」
湊は私の手を離した。
「じゃあ、俺はもう必要ないな」
「待って!」
私は湊の腕をつかんだ。
「行かないで!」
湊は驚いた顔で、私を見た。
私は、自分でも何を言っているのかわからなかった。
ただ、離したくなかった。
「……私、まだ何も思い出してない」
「……」
「でも、あんたがいなくなるのは嫌なの」
湊の目から、涙がこぼれた。
「……それ、反則だろ」
そして。
湊は私を見つめて言った。
「琴音。俺、本当は――」
その瞬間、スマホが鳴った。
画面には、知らない番号からのメッセージ。
『二人とも、嘘をついているよ』
続けて、写真が一枚。
そこには、十年前の私と、湊と、律。
三人で笑っている姿が写っていた。
でも。
写真の裏に書かれた日付を見て、私は息をのんだ。
十年前じゃない。
この写真が撮られたのは、昨日だった。