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タイトル案【↓】 夜洛の知性とか? 【今思いついた】
冷たい冬の夜風が、無人の路地を鋭く吹き抜ける。街灯の明かりは不気味に揺れ、どこか不穏な影を落としていた。
江戸川乱歩は、その日も探偵社でひとり、いつものように本を開いていた。だが、静寂は突如として破られた。
郵便受けに差し込まれた一通の封筒。差出人不明、封もされていないそれは、重々しい空気を纏い、乱歩の元へと差し出されていた。
「……?」
封を破ると、そこにあったのは、紙切れ一枚。
「君が次のターゲットだ。」
乱歩の手が震えた。文字は荒々しく、まるで何者かの怨念が滲み出ているかのように黒く濃く、乱歩の心に重くのしかかる。
何かの間違いだと、自分に言い聞かせる。だが、どこかで冷たい視線を感じるような、胸を締めつける恐怖が逃げなかった。
その時、探偵社の扉が開き、ポオが静かに入ってきた。乱歩は紙を差し出す。
「これ……どう思う?」
ポオは無表情のまま文字を見つめ、そしてゆっくりと口を開いた。
「これはただの脅迫状ではない。君に対する明確な宣告だ。」
乱歩は苦い笑みを浮かべた。
「宣告か……つまり、殺されるってことか?」
ポオは黙って頷いた。
「この街の闇が、君を狙っている。僕たちはすでに、その渦中にいる。」
乱歩の視線が鋭くなる。
「ならば、逃げるわけにはいかない。全てを解き明かしてやる。」
だが、その決意とは裏腹に、二人の背後では見えない黒い影がゆっくりと動き始めていた。