「ほかのだれかじゃなくて、俺が」
指先で俺の服をつまんだ“ 美穂(みほ)”は、手も肩も震えていた。
そっと背中を撫でると、伝わってくる雰囲気がほんのすこしやわらぐ。
怖がられなかったことにほっとして……すこしでも安心してくれたことが、ただ嬉しかった。
「……どこか座ろうか」
こんな人通りの多いところにいても、落ち着かないだろう。
湖の近くに移り、ベンチに座ると、うつむく美穂の様子をうかがう。
動かないその横顔は、なにかを考えているようにも、なにも考えられないようにも見えた。
「……飲み物でも買ってこようか」
優しく尋ねると、美穂は目を見開いて、ぱっと顔をあげた。
「だ、大丈夫です。一緒に……いてください」
行かないで、といったふうなまなざしに、胸をつかれた。
昔を思い出したのなら、きっと男性が怖いだろうに……。
(俺のことは頼ってくれるんだ……)
わかった、**********
*****************************
************************
******
********
***************************
*****************************
**********
コメント
1件