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「これも美味しいな、千愛」
「うん。これならブロッコリー、オッケー」
「パパもこのブロッコリーが一番好きかも」
二人とも牛肉とブロッコリーのニンニク炒めが好きなようで、ほっとする。
いつもと同じ光景なのに、昼間の自分の気持ちが忙しかったせいで落ち着かなかった。
「ママ、スープおかわりある?」
「あるわよ」
と私が手を伸ばすと
「自分で入れたい。ちょっとだけ入れる」
と、立ち上がった千愛に任せておいても大丈夫だろう。
給食当番だって出来るのだから。
だけど…
「パパもおかわり」
と、夫も自分のスープ皿を持って千愛について行く。
もう熱々でもなく、少し冷めたスープに過保護じゃないかと思うけれど
「パパのも入れてあげる」
「ありがとう、千愛」
「いっぱい?」
「うん、いっぱい頼んだ」
と、二人はラブラブだ…それでいいんだけどね。
千愛は自分で出来ることが増えて、夫は娘が可愛くて、娘も嫌がってはいなくて…うちはうまくいっているのよ。
結婚6年で授かった待望の第一子、千愛。
私ももちろん千愛が可愛いし、夫が千愛を可愛がる気持ちもとてもよくわかる。
わかるのよ……
だけど、その夜…やっぱり悶々とした気持ちを、夫に吐き出さずにはいられなかった。
「中西さんの奥さん、直美さん…アルバイトに行っているって言ったんだけど…」
「それが何?バイトに行ったっていいだろ」
隣の布団から、面倒くささを隠さない夫の返事がある。
「でも嘘をついているみたいなのよね」
「噓つく必要がわからない。っていうか、お前さ、ヨソのバイトだとか気になるわけ?」
暇だな、と言わんばかりの口調の夫に
「だって…既婚者合コンよ?気になるっていうか、旦那さんも子どももいてよくやるわよね…って信じられない気持ちだわ」
と少し吐き出した。
「既婚者合コン…?何だ、それ?」