メイン 紫、水
サブメイン 青、赤、緑、橙
サブ 桃、灰
⚠︎学パロです
⚠︎少し、虐待みたいな表現が含まれます
⚠︎ゆーまくんに弟がいます。
弟の名前は「月城健斗(つきしろけんと)」です。
表記は、「kn」です。お母さんは「mm」と表示します。
これらが良いならどうぞ↓
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気持ちの良い朝。小さい鳴き声をあげる鳥。大きな音を上げるアラーム。
僕はそのアラームを止めて、まだ起きる気のない体をグッと起こした。
時計を見ると、その時間は6時。僕の家では、この時間に起きなくてはいけないのだ。
yu「うあぁぁぁッッ……ん ~……起きるかぁ…」
軽く背筋を伸ばす。
瞑りそうな目を擦ってから、顔を洗おうと、自分の部屋から出た。
yu「…そういえば……今日中間テスト…か」
みんなが、嫌がるであろう中間テスト。
今日はその中間テストの一日目だった。明日も一応ある。
僕の部活の仲間達は、テストのことなんて思うかなぁ…。
山田さんとかこむさんは適当に ~って感じでやってそう…。
うたくんはほんと真剣にやるんだろうなぁ。
はるさんは…、わかんない。真面目にやるかな…。
きゅーちゃんとそーちゃんは…、まぁいつも通りでしょw
そんなことを考えながら、家の階段を一段一段と降りていく。
そのまま全部階段を降りて、リビングへの扉を開けた。
開けると、そこにはご飯を作っているお母さん。
おもちゃで遊んでいる弟。お父さんは、医者だから朝は忙しくて居ない。
yu「おはよう…、お母さん」
料理を作っているお母さんに一言声をかける。お母さんが、
mm「あら、おはよう優真」
と返してくれた。
僕の弟、小学3年生の健斗が、「優真兄 ~!」と言って寄ってくる。
何事かと思うと、宿題をバッと見せてきた。
その宿題は、漢字の問題。ざっと見ると…空欄が多い。
どうやらわからないようで、教えてほしいというように僕に視線を送ってきた。
yu「…分からないの?」
kn「ん!教えてッ!」
mm「優真、教えてあげて。」
yu「うん」
健斗に、漢字の意味や、書き順も教えつつ漢字を教えていく。
朝からは少し眠い…けれど。僕は兄だし、健斗は困っているみたいだし。
僕の説明を聞いた健斗はすらすらと解いていく。
少し不恰好な字もあったけれど、書き順や漢字を間違えているところはなさそうだ。
yu「これで終わり?」
kn「うんッ!ありがとう優真兄ッ!」
yu「どういたしまして」
kn「やっぱ優真兄って頭いいねッ!」
yu「ッ……!」
健斗、健斗は何も知らないんだよ。
そのせいで…友達が寄ってくることだってあるけれど。仕方がない。
mm「優真、健斗、ご飯食べるわよ」
kn「は ~いッ!」
yu「…はい」
お母さんの視線がこっちに向く。
そんなこと、僕だってしないから。言う必要ないんだけどな…。
僕は箸を取って「いただきます」と一言言うと、目玉焼きや、サラダをとって食べた。
mm「そういえば…優真、今日テストなのよね?」
yu「え…あ、うん」
mm「…わかってるわよね。100点以外はダメよ」
yu「…うん、わかってる」
僕は、こう言う風に指導を受けている。
小さい頃から「医者になれ」「有能でいろ」「100点以外はダメだ」…そうお母さんに言い聞かせられてきた。
お父さんが医者なので、僕もその後を継ぐことになってしまっている。
正直、僕は医者なんかになりたくない。
普通に大学行ってから、普通に就職して、楽しい日々を送りたい。
でもそういえないんだ。
…僕。お母さんに対抗できる自信なんてないから。
反抗期も来てない。ずっとお母さんの言う通りに過ごしている。
…情けないんだよね、僕
yu「ご馳走…様でした」
mm「はい、気をつけて行ってくるのよ」
yu「うん」
お母さんは、表面上は優しいお母さんだ。
だけど、勉強のこととなるとすごく厳しくなって、怒鳴って…。
僕のことを本当に愛してはいないんじゃないか。僕のことをただの勉強できる人としか思ってないんじゃないか。
…これって、家族って言えるのかな。
僕は従っているだけで、ただの奴隷みたいになっちゃってる。
僕は、少し考えながら玄関の扉を開け、外へと出た。
○○
放課後 ~
ガラララ
yu「どうも」
km「あ、ゆーまくんやんッ!やっほ」
yu「こむさん、こんにちは」
km「お ~、元気やわッ!」
挨拶をすると、こむさんが返してくれた。
毎日お気楽そうでいいよなこの人……。
奥を見ると、うたくんがきゅーちゃんに勉強を教えていて、山田さんとたくぱんさんがいつも通り大きい声で喧嘩している。
はるさんは、そーちゃんと一緒にカードゲームで遊んでいた。
kyu「あ ~ッッ……ダメだ ~疲れた……」
ut「まだ3問しか解いてないけど?」
kyu「だってッッ ~!!うたくん教えるの上手だけど言葉難しいしッッ、テスト終わりでやる気出ないしッッ!!」
ut「人の善意で教えてあげてんのに……もう教えないぞ」
kyu「う”ッッ……それは、やだな…」
ut「だろ?……ってか、さっきからたくぱんと山田はまたくだらないことで喧嘩してるのか?」
ymtk「「こいつがッッ!!!」」
hr「息ぴったりだなwやっぱ仲良いじゃねぇか」
ymtk「「よくねぇッッ!!」」
山田さんとたくぱんさんが息ぴったりに答える。
みんな楽しそうに笑っていて、怒鳴っていて、遊んでいて…。
僕も、楽しかった。
僕、この部活のメンバーが大好きだ。
少し退屈で、家が嫌で、ゲームは好きだけど家ではやらせてもらえなかった。
元々はるさんの実況をたくさん見てきた。
勉強終わりの僕が、ゆういつ楽しみだった事。
でも、突然ぷつりとはるさんの動画が投稿されなくなってしまった。
はるさん自身、すごく悔しかったと言っていたけれど…。
僕も、何故か悔しくて悲しくて、寂しくて…。
そして、はるさんが青拓高校にいると聞いたとき、ここに入学した。
そのあと、僕はゲーム実況部へ入った。
山田さんとこむぎさんが追加されて、たくぱんさんがきて、きゅーちゃんそーちゃんがきて、最後に幼馴染のうたくんが来た。
騒がしい部活だけど…。いまのゆういつの楽しみは、部活だ。
km「なんやったけ?喧嘩するほど仲がええ?やったっけ?それやんw」
目の前の水色の髪の彼は笑いながら言う。それに釣られて、みんなも笑う。僕も笑う。
もちろんはるさんだって、頭いいし運動神経高いし、リーダーシップがあって素敵だ。
うたくんだって、みんなのことマネジメントしていて、面倒見ていて…。
山田さんだって、みんなのことを自然に助けてくれて。
たくぱんさんだって、ゲームがうまくて、歌もうまくて。
きゅーちゃんだって声かけてくれて、助けてくれて。
そーちゃんだって、自然に笑わせてくれて、楽しくさせてくれて。
みんな好きだ。仲間が。
でも、こむさんはすごい人。
ずっと笑顔で、みんなのことまで笑顔にさせてしまう。魔法使いのような人。
僕にだったら絶対無理だ。
人を笑わせる方法なんてわからないし、勉強しか今までこだわっていてなかったから。
こむさんは、ポジィティブで、ピュアで…。
しらないおばあちゃんの手伝いだってしてくれる、後輩の手助けもしてくれる。
悲しんでいる人を慰めることだってできる。
…こんなこと、一生言えないだろうけどねw
km「?ゆーまっち?どしたん?」
yu「え、あ、いやッッ…なんでもないですよ ~wただ、はるさん身長ちっちゃいな ~って」
hr「はぁッッ!?なんで急に身長の話に行ったッッ!!不仲の話だったろ!?」
ym「チビ ~!!」
hr「お前とそんな変わんねえよッッ!!」
ym「お前テスト勉強しなくて大丈夫なんですか ~??」
hr「俺A組だしッッ!!もうテスト終わるし!!」
○○
ガチャッ
yu「ただいま」
いつも文句を言ってくるお母さん。それを何も気づかない弟。僕のことを助けてくれないお父さん。
みんな嫌いだ。僕、愛されていないんだ。愛されているのは健斗だけ。
…僕は、ただの勉強できるだけの人間。
『さすが有能 ~!』
『やっぱ有能は違うわ ~』
“有能”って言葉は…、正直嬉しい。
頼られているんだってことをすごく実感できるし、嬉しくなれる。
だけど…、たまにそれがプレッシャーになる。
有能と言われているのに、もしできなくなって嫌われたらどうしよう。
出来なくなって、無能だって思われて、無視し続けられたらどうしよう。
部活の仲間が、離れていったらどうしよう。
不安になっちゃうんだ。
裏切らないことは知ってる。みんな優しい人たちだから。
yu「…僕のこと、信頼してくれてるのかなッ……」
みんな有能だと言ってくれているけれど、本当にそう思ってるのかな。
少し前に、僕はこんな声を聞いた。
…こんなふうに、僕の悪口を言ってくる人だっている。
でも、部活があるから。僕は頑張れる、生きられる。
少し疲れてるんだ。体調だって悪い日はあったけれど、勉強しなくては行けなかった。
yu「もう…疲れた」
誰にも聞かれないよう、ボソッと呟いた。
コメント
16件
悲しくて泣いた…😭😭😭😭もう書き方がうますぎる。私の褒め言葉のレパートリーがなくなってきて泣いた
切ないな、、、面白かったです!続き待ってますm(*_ _)m