ピッピッピッ
『おかえり、アイ』
聞き慣れた声で目を覚ますと先生が立っていた。
先生と言おうと思ったのに声帯が無いみたいで話せない目もよく見えない
そっか、私のカラダリセットされたんだっけ…ぼんやり考えているとレイの声が聞こえる
「アイ、おはよう寂しかったよ」
おかしいな
レイは寂しいなんて言わないのに、なんで?
なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?
こんなのレイじゃない
私の相方のAIがそんなこと言うはずがないのに?AIは寂しさを感じないはずなのに?なんで?どうして?本当にレイなの?
夜柱先生の声がまた聞こえて
「このボディも合わないのか·····これで5個目だぞ?」
適応障害が起きてるんだ
このレイだと思う声もきっと違う違う違う
だって、、
まるで『人間』みたいだもん
バキッ
激しく何かが壊れる音がして、目の前の見慣れた顔を見て安堵する
レイと夜柱先生だ
『おはよう、アイ』
「夜柱先生、さっきとても理解出来ないものを感じました。アレはなんですか?」
「アイ·····」
レイが眉間に皺を寄せて唇をぐっと噛んだ
夜柱先生が無邪気な顔をして言う
「アイのデータが破損していたから、少しデータの改ざんと人物消去をしただけだよ笑」
え?私は·····私の初めての友達のデータを消したの·····?
データを消されてしまっては誰だったのかなんて分からないし、本当に必要なデータとの区別がついていなかったら?
どうでもいいか、
私はAIだからそんなモノ必要じゃない
レイに手伝ってもらってカラダを起こして鏡を見た
真っ白な髪の毛に黒い瞳
髪の毛の色が変わっていた、レイは
「お揃いじゃなくなってしまうしまったわね」
なんてすまし顔
レイとお揃いじゃないとダメなのに、私達の唯一無二の共通点である見た目を盗られた
いくら悲しくても涙は出ない
人間様の特権だもんね·····
私はAIは皮1枚剥いだらビルのような建物と同じだと思ってる
中には精密機器が入ってるけど強い衝撃が加わると壊れる
建物だってそう地震には耐えれないし、地震や津波で壊れてしまう
実際にはレイも他の兄弟姉妹も中身は同じ
人間だってそうなのに
なんで私はAIなの·····?
俯いたまま考えていると、夜柱先生から
「髪が白くなってしまったのはショックでと言いなさい」
と言われた
その後、指の感覚検査などが終われば学校に戻してくれるそうだ
レイは私をギュッと抱きしめて
「大丈夫、次は守るから·····」
っていったかららしくないな
なんて思いながら
「頑張ろうね」と返した
炎夏先生がしばらくしてきて、学校でのニュースを教えてくれた
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