テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
こんな事になるなんて、気持ちになるなんて誰が想像したんだろう。俺自身が想像なんてしてなかったんだから他の奴が想像出来る訳がないのは分かっているけど現実逃避をしたくなった。
アイツの事は別に嫌いじゃないけど見てるとイライラしてくるのは何に対してのイラつきなのか、分かってるのに分からないフリをしてみる。
「うたくん最近機嫌悪い」
「え?……そうか…?」
ふと、そう言われた事に勿論自覚はなく、スタバのフラペチーノを飲みながら首を傾げた。目の前にいるコイツとは約束していた訳でもなく、たまたま俺が買い出しに出た時にばったり鉢合わせ、あれよあれよと俺にくっついて来た。少し休憩でもしようとスタバにより窓際の席に座り一息ついた時、コイツは俺の顔をまじまじと見ながら上記の言葉を発した。
フラペチーノのを持っていた手が冷たくなったからテーブルに置いて、まだ俺の顔を見ているコイツにため息を吐いた。毎日のように欠かされることの無い筋トレの成果か、俺なんかよりもゴツイ身体。俺なんかと違いアウトドア派の為、季節関係なく程々に焼けた肌。
(ああ…本当に…取り返しが付かない…)
「うたくーん?大丈夫だっぴ?」
「…大丈夫」
「えー?本当〜?じおるも最近心配してたっぴよ」
第三者の名前がそろもんの口から紡がれる。思わず顔を見れば微かに緩む口角に、名前を出すだけでお前をそんな顔に出来るここにはいない存在に言いようのない感情が胸の内を熱くする。
(…嬉しそうに名前だしやがって…)
お願いだから俺の前でアイツの話をしないでくれ、俺の小さなプライドとどうしようもない嫉妬心で心が荒れてしまう。ここまで築き上げてきたものを壊したくなる俺は、やっぱりお前の事が好きだと認めざるを得ないらしい。
(滑稽だ…望みなんてあるわけないのに…)
コイツの話す話題を、テーブルに頬杖付いて笑って聞きながら望みもないのにお前への感情を拗らせてゆく。
「うたくん、口元クリーム付いてる」
「え?あ、どこ?」
指摘された口元を指で拭うもクリームらしきものは指には付かない。反対側の口元を拭おうとした時、向かいから伸びてくる手、自分の口元を撫でる指先、その指先から伝ってくる体温に、思わず目を見開いて固まった。
「あ!ほら、取れた!ってかクリーム甘ぁ」
「……な、にやってんの、お前」
「え〜?クリーム甘いなぁって」
「だからって…ほら、ばっちいから拭きなさい」
「はぁ〜い!」
本当にさ、お前って質が悪い人間だよ。ショート動画ではるてぃーも言ってたろ…お前はまっすぐ悪党だって…本当にさ、その通りだよ。お前に優しくされる度に、名前を呼ばれる度に、俺の胸の内は締め付けられて、痛い痛いと泪を零す。
こんなにも苦しくて辛いなら、築き上げてきたものなんて壊してしまったほうがきっと俺は楽になれる。愛想笑いで隠した感情も、耐えてきた心もお前を想う度、音を立てて崩れて行く。
だったら、いっそ…壊してしまおうか…お前が好きだから…。
中途半端かとは思いますけどここで終了となります。またモチベが出れば次の話も書いていこうと予定はしております。