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〜side小柳〜
俺は交通事故に遭ったらしい
目が覚めると病院の天井が見えた
そこからまた意識がぼんやりしていて、気付くと隣にいつも葛葉さんがいた
葛葉さんに何を聞かれても覚えていない
葛葉さんは写真や動画を見せてくれた
そこには楽しそうに笑ってる葛葉さんと俺
写っているのは俺
俺の知らない俺
誰?コイツ‥‥
怖い‥‥
俺1人パラレルワールドに迷い込んだみたいで怖くなる
葛葉さんが写真をしまうと俺を抱きしめた
「思い出さなくても俺達で新しく思い出作れば良いじゃん」
「でも俺は昔の楽しい話に『そうだね』って言ってあげられない」
「その言葉を言って欲しくて一緒にいるんじゃないし‥‥俺達のこれからを一緒に歩くためにここに居るんだろ?」
綺麗なルビーの瞳に真っ直ぐ見つめられる
真剣に俺の事を考えてくれている人だと思った
家に戻って『自分の部屋』を見てもピンとこない
全てが目新しく見える
懐かしいと思えるものは一つも無かった
ただずっと側にいて話をしてくれる葛葉さんの為にも早く記憶を取り戻してあげたかった
窓がガタガタ揺れている
打ち付ける雨と風の音が部屋中に響く
シャワーを浴び、ベッドの上で膝を抱え外を見る
時折光る稲光が綺麗で、何も考えず窓の外を眺めていた
ドクン‥‥
え‥‥?
勝手に心臓が大きく鳴った
ドクン‥‥ドクン‥‥‥‥
これって‥‥俺‥‥
身体が熱くなる
間違いなくヒートだ
急いで薬を探さないと!
葛葉さんに聞いておけば良かった
気がつくと辺りは甘い香りに支配されている
ベッドから立ち上がり薬を探そうと振り向いた
「‥‥葛葉さん?」
「‥‥‥‥‥‥」
薄明かりの中表情まで見えない
もしかして俺の匂いにあてられて‥‥‥‥
「葛葉さんっ、俺‥‥」
「ヒートだね。薬‥‥どこかな‥‥」
葛葉さんは適当に引き出しを探し始める
「‥‥見当たらないな」
そう言いながら葛葉さんが俺の腕を掴む
ピリピリと掴まれた場所が痺れ、更に身体を熱くさせる
「‥‥苦しいだろ?ロウだけでも楽にしてやるから‥‥」
「‥‥っあ‥‥葛葉さ‥‥」
引っ張られた腕を離され、俺の腰に手を回しゆっくりとベッドに寝かされる
いつもより険しい顔で俺を見つめる
「お前の‥‥出すだけだから‥‥」
「あっ‥‥でもっ‥‥待って葛葉さ‥‥」
スルスルと服を脱がされ、既に昂っているそこに触れられる
「あぁっ!‥‥やっ‥‥やめっ‥‥あぁんっ!」
触れられ何度か擦られるとすぐに自分の腹に残滓が溢れ落ちた
たった今達したばかりなのに身体の熱は収まらず、お尻の奥が蠢いているのが分かる
「‥‥ハァ‥‥ハァ‥‥」
足元で荒い呼吸が聞こえる
視線を向けると葛葉さんが獲物を捕らえた様な目付きで俺を見ていた
その視線を感じ、背筋が震える
「葛葉さん‥‥」
「ヤベェ‥‥お前の首‥‥噛みそう」
俺は無意識に自分の首の後ろを手で覆った
「‥‥噛まない‥‥噛まないよ。怖がらせて悪ィ‥‥」
「‥‥葛葉さん?」
謝りながら俺の膝の上に手を置いた
その右手の甲は葛葉さんが自分で噛み付いたであろう傷が何個か出来ていた
「‥‥血が‥‥血が出て‥‥」
「‥‥なんともねぇよ。気にするな」
気にならない訳が無い
俺は身体を起こし、右手を掴んだ
「俺に記憶があったら、いつもみたいにしてあげられるのに‥‥」
血の滲んだ手の甲に舌を這わせる
「お前馬鹿かよ。俺が我慢してるのに‥‥」
そう言うと顔を両手で掴まれる
赤い瞳が俺を睨む
「‥‥ロウ」
「え?」
唇に吐息がかかる距離で名前を呼ばれ、聞き返す
その唇が開くと葛葉さんに深く口付けされた
「んんっ!‥‥ん‥‥っんぁ‥‥んん‥‥」
熱い身体が葛葉さんを求めている
早くどうにかして欲しい
その一心で葛葉さんに縋り付いた
「葛葉さんっ‥‥助けて‥‥‥‥」
「‥‥‥‥」
葛葉さんは顔を脚の間に向かわせる
「違っ‥‥そうじゃなくて‥‥‥‥」
「‥‥‥‥」
顔を上げ頬にキスをされる
そして声にならない掠れた声が耳元で囁く
「‥‥‥‥分かった」
「あっ‥‥‥‥!」
濡れているそこは葛葉さんのものを容易に飲み込む
葛葉さんの呼吸が乱れる
激しく奥まで突かれると身構えたが、ゆっくりと時間をかけて動いていた
大きく息を吐きながら俺の上で葛葉さんが眉を顰める
ラットの状態なら凶暴になってもおかしくないのに‥‥
葛葉さんは何度も俺の良い場所に擦り付けながら俺はその度に果てていく
そして最後に根元の太い部分まで俺の中に入ってきた
「‥‥あぁっ!‥‥また‥‥あっ‥‥はぅっ‥‥!」
「‥‥っ‥‥ロウ‥‥我慢してっ‥‥んっ‥‥」
最後は激しく俺のお腹の中に大量の白濁液が溢れていく
身体が怠い
もう目も開けていられない
抱きしめられた葛葉さんの腕の中では久々に安心して眠ることができた
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