仕事から戻り、夜に電話で話す事にした。
🖤「いきなり本題に入るけど、こないだはひどい態度とってごめん」
💚「え?」
🖤「余計なお世話って」
💚「あぁ…気にしてないよ、大丈夫」
🖤「阿部ちゃんは俺の仲間だからって言われて、だから声かけてくれたのかって」
さては佐久間が余計な事を話したな、と思ったけど飲み込む。
隠してたつもりだったけど、とめめが言うので
💚「仲間ってのはまぁそうだね。でもめめのは多分みんな気付いてたよ、気付いてないの翔太くらいだよ」
🖤「俺、そんなにわかりやすかったのか…」
めめの声が沈んだ。
💚「まぁ翔太は特別鈍感だから…」
🖤「知ったふうに言わないでよ、しょっぴーは人の気持ちにもちゃんと寄り添える人だよ」
食い気味に怒られた。
何だ今の。
現に自分が全く寄り添われてないだろと内心思いながら
💚「そうだね、ごめんね」
と返しておいた。
🖤「阿部ちゃんも、まだ辛いの?」
💚「俺?俺はもう気持ち切り替えたよ」
🖤「そっか、じゃあそこまで好きじゃなかったんだ」
💚「は?」
今日のめめは下手に出たかと思えば急に攻撃的だ。
恐らく傷の舐め合いができる相手を見つけたのに、思ってたのと違ったんだろう。
知るか。
💚「俺の気持ちを、勝手に決めないで」
落ち込んで引きずってる人の傷だけが深い訳じゃない、と思わずチクリと言ってしまった。
🖤「それ、俺のこと?」
💚「嫌な言い方してごめん、でも俺がどれくらい傷ついてるかなんて、めめにもわからないでしょ。気分悪いよ」
🖤「そう、それはごめん。もういい、じゃあまた」
そうして通話は一方的に切れた。
💚「やっちゃった」
めめの翔太への想いほど俺が照を好きじゃなかった事にされて、腹が立ってつい言い過ぎてしまった。
めめの想いも俺にはわからないけど、自分だけが辛いと思うための踏み台にされる筋合いはない。
次にどんな顔して会おうかと思うと、ただただ憂鬱だった。
コメント
4件
2杯目。やっぱりミチルさん文章うますぎる。
失恋への受け止め方の描きわけが見事です👏そして、納得しちゃう。