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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで
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約束通り、放課後に図書室に行く。今日はいつもの席で図書館司書の先生と手話で会話している。歌は上鳴に気づくと手を振った。

「ちぃーす。」

先生も挨拶を返し、後はごゆっくりと上鳴には口頭で、歌には手話で伝えてその場を離れた。

「手話だよな??」

慣れた手つきで文字を打つ。歌は頷いて。

「小さい頃からずっと使ってるの。でも使える人が少ないから、筆談か唇の動きを見てコミニュケーションしてる方が多い。」

と返す。

「そうなんだ。」

「指文字も使うよ。」

と打って、指を色々な形で動かす。

「今のなんて意味??」

「私の名前は音無歌です。って意味。」

「すげー!!」

「上鳴君だったら。」

と上鳴の名前の指文字で表す。

「おぉ!!もう一回やって!!オレもやりたい!!」

そう打って、歌と一緒にゆっくりとやってみる。

「指文字、面白いな!!手話はどうやんの??」

歌は、手話をしては意味を教えた。上鳴も同じように見よう見まねで手話をする。そうしていると、時間は過ぎていき。

「今日もありがとうな!!この本、借りて帰るわ。」

と途中で一緒に探した手話の本を手に、帰る用意をする。

「私も今日は、これで帰ろうと思う。良かったら途中まで一緒に帰ってもいいかな??」

「良いぜ!!行こうか。」

カウンターにはさっき会った先生がいて、その先生に貸し出しの手続きをしてもらう。練習頑張ってと背中を押してもらい、覚えたてのさようならの手話をすると、笑顔で返してくれた。

「伝わったみたい!!」

嬉しさのあまり、歌に報告。歌は笑顔で頷いた。歌も先生に挨拶をして図書室を出る。

「じゃあ、ここで。」

寮の近くで立ち止まる。またねと手話する歌に。

「明日はさ、違うところで会わない??」

と、スマホに打ってみた。驚きながらも歌は良いよと返し、続けて。

「せっかくだから、連絡交換しよう??」

「うぇ!?」

思わず声が漏れるほど驚くが、直ぐにアドレスを送る。歌も返信し、上鳴のスマホに歌のアドレスが届いた。

「授業終わったら、連絡するな。」

また明日という手話する。歌もそれに応える。上鳴は嬉しそうに寮へと足を運んだ。

「勉強ははかどったか??」

寮に戻ると、共同スペースに人だかりができており、その中から切島が声をかけた。

「おかげさまで~。で何みてんの??」

「この前の、ノマドのライブ。掲示板に上がってたから皆で観てた。」

芦戸は持っているスマホを上鳴に向ける。

「やっぱりすごいなぁ。歌はともかく演奏も完璧。非の打ち所がないよ。」

音楽好きの耳郎が感心しているので、実力はかなりのものだ。

「後でその動画、俺のに送ってくんねーかな??」

「良いよ。もう部屋に戻るの??」

「うん、ちょっと。図書室で気になる本見つけてさ。」

あの上鳴が図書室で本??と皆の頭に疑問符が浮かぶ。上鳴は気まずそうにその場を後にした。

「あいつマジで優等生になるんか??」

切島の言葉に一同ざわつく。

「(んなわけねーだろ。アイツに会いに行ってただけだ。)」

少し離れた場所で皆を見ていた爆豪は心の中で呟いた。皆に噂されているとも知らず、上鳴は手話の本を読みふけっていた。



歌でしか聞けない君の声

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