テラーノベル
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最初は小さな声だった。
ごんの喉から漏れる声は最初こそ子猫が甘えるような、吐息に溶けてしまうほど微かなものだった。
「ふ⋯、んっ⋯、は⋯ぁっ、あ⋯っ」
だが、その声はすぐに形を崩していった。
顎が自然に上がり、首の筋が浮く。唇は閉じようとするのに、息がそれを押し開ける。喉の奥が勝手に緩み、舌が上顎から離れてだらしなく唇がほどけた。
「んおッ⋯♡」
突然、自分の耳に飛び込んできたその声にごん自身がぎょっとした。まるで喉の奥で何かがひっくり返ったような音。恥ずかしさで全身の血液が沸騰する。耳たぶまでが真っ赤に染まった。
「やッ、今のは、ちが⋯!」
違う、こんな声は自分じゃない。慌てて両手で自分の口を塞ぐ。指の隙間から、熱い吐息が漏れるのすら恥ずかしい。がっちりと、これ以上ないくらい固く唇を押さえつけた。心臓がうるさくて、葉の顔をまともに見られない。
そんなごんを見下ろして葉は、にいっと口角を上げた。優しいのに、どこか獣じみた笑顔。
「手ぇ、どけよか」
声はひどく優しかった。まるで子守唄みたいに。なのに、その言葉が終わるか終わらないかのうちに葉の熱い指はもうごんの細い両手首を捕まえていた。ぐい、と無造作に頭の横のシーツへ縫い付ける。
「むりッ、むりむりむり絶対やだ⋯ッ!」
ごんは必死に首を振り、シーツに押しつけられた手首を左右に振る。イヤイヤをする幼子のように。でも、葉の力にかなうはずがなかった。細い手首はぴくりとも動かず、白いシーツの上に無慈悲に縫い止められる。
「ね、変な声、出るからっ⋯いやッ、聞かな⋯ぃでっ⋯」
泣きそうな声で懇願するごんに、葉は笑みを深くして言い放つ。
「声、我慢すんな」
耳元で囁くとごんの肩がびくりと跳ねる。自分の口からどんな汚い音が飛び出すかわからない。そんなの聞かれたくない。恥ずかしくて死んでしまう。頭の中がとろとろに溶けてしまったのか涙で潤んだ目をうっとりと細め、熱に浮かされたようにごんがねだった。
「⋯ちゅー、して」
掠れた声で、そうおねだりした。
「舌、入れるやつ⋯それで、口、塞いで⋯?♡」
涙で潤んだ目で見上げながらのおねだりに、葉の喉がごくりと動くのが見えた。上目遣いに強請る姿がいじらしくて、葉の口元が自然と緩む。
「ふッ、かわいいなあ、ごん」
けれど、葉はそのおねだりにすぐ応えてはくれなかった。空いた方の手をごんの下腹部にそっと置いた。そこはもう、葉自身の形がうっすらと浮き上がるほどに満たされていて手のひらで触れると、ぽこっと小さな膨らみを感じる。葉はそれをぐぃ⋯と、ゆっくりと押し込んだ。
「ひぅ゙っ、ん゙ッ♡」
ごんの口から濁りきった悲鳴が漏れる。自分の声とは思えなくてごんはぎゅっと目を閉じた。でも、葉はその反応が楽しくてたまらないとでもいうように、もう一度。今度は少し強く、ぐぃ〜っとその手のひらでごんの腹に圧をかけた。
「んお゙ぁッ⋯!?♡」
さっきよりももっとけたたましく、もっと濁りきった声がごんの口から飛び出た。喉がバグってしまったみたいだ。葉はその反応を心底愉しむように目を細めて笑う。意地悪な手はやめてくれない。
「なぁんでッ♡押さないでよぉ⋯ッ♡変な声、出るからぁッ⋯!ちゅーは?ねぇ、ちゅーはぁ⋯?♡早く口塞いでっ♡」
呂律の回らなくなった口で、ごんは必死にせがんだ。涙がこぼれてこめかみを伝った。
#sozkdic
#TOP4
4U~
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#💛愛され
みー

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その様子に、葉はようやくほんの少しだけ良心が疼いたらしい。
「⋯ごめんな。かわいくて、意地悪したくなってもうた」
苦笑いのような、でもやっぱり優しい声でそう言うと、葉は約束通りごんの口元を自分の唇で塞いだ。だらしなく開いて唾液に濡れた唇ごと。
葉の舌がすぐに割って入ってくる。深く深く口腔を犯すように入り込んできて、上顎の敏感な場所をねっとりと撫で上げる。それと同時に、下腹部を押し付ける手のひらの一定の圧力。ぐぃ、ぐぃ、と容赦ない刺激が内側と外側からごんを追い詰める。
「ん゙ッ⋯♡ん゙、んん〜ッ⋯♡」
口を塞がれてもなお、喉の奥でくぐもった抑えきれない声が震えて漏れる。その振動がダイレクトに葉の舌と口腔へと伝わる。葉はそれを味わうかのように、喉の奥でくくと楽しげに笑った。
ふいに、葉の両手がごんの耳を塞いだ。外からの音が遮断される。代わりに、自分自身の鼓動と口の中の水音と、喉の奥で鳴り続ける自分の声だけが頭蓋骨の中で直接響く。葉の舌がごんの口の中を掻き混ぜるたびに、粘度の高い音が頭蓋骨の中で反響し、ぐわんぐわんと頭を揺さぶられる感じがする。
「(やばッ、♡頭ん中、響いて⋯♡)」
ごんの意識が白く塗りつぶされていく。視界がぐにゃりと歪み、眼球が意思とは無関係に上を向き始める。
黒目が上に逃げてとろとろに溶けきったごんの顔を見た葉は、その光景に息を呑み、流石にやりすぎた、と思った。慌てて耳を塞いでいた手と、口を塞いでいた唇を同時に離す。
「ん゙へぁッ♡」
突然の解放で塞がれていた口から、堰を切ったように濁りきった声が飛び出した。とてもごん一人の身体から出たとは思えない、大きくて間抜けな声が静かな部屋の空気を震わせる。
「はッ、声すっご」
まだごんの中に埋まったままの葉のそれを、ごんの内壁がきゅうきゅうと収縮する。その締め付けに、葉の喉がごくりと鳴った。背中を走った甘い痺れに、自分の理性がぐらりと傾くのを感じる。
「っごめん、俺止まれへんかも」
「⋯っ、ぁ、は⋯ッ?」
一瞬、何を言われたのか理解できなかった。快楽に溶かされかけていた意識が、その言葉で無理やり現実に引き戻される。
「なに、いっ⋯」
かすれた声で問い返す間もなく、葉の熱い手のひらがごんの腰をがっしりと掴んだ。容赦なく自分の方へと引き寄せる。ぐちゅ、と結合部から水音が鳴り、あまりの圧迫感にごんの喉がひゅうと鳴った。
「ごん、ほんまごめん、ッ」
「ひぎゅっ♡お゙ぉ〜〜ッッ♡♡」
葉は謝りながらも腰を引き寄せた勢いそのままに、奥の奥まで一気に押し込んだ。ずぷりと根元まで埋め込まれる。ごんの腹の内側から葉の形がはっきりと浮かび上がった。
「ん゙ぉっ⋯♡ふ、ッ♡ふかぃ゙ッ!♡」
指先がシーツを引っ掻き、身体がぴくぴくと痙攣する。葉のそれがごんの一番深いところをこじ開けるように突いて、内壁がみっちりと押し広げられた。
「ごめん、ごめんなごんっ、ほんまに止まれへんのよ⋯ッ」
ふと、葉の腰が引かれる。ずろぉ〜⋯とごんの内壁をゆっくりと抉りながら抜けていく感覚に、シーツを握る指先に力が籠った。だが抜けきる寸前で、また奥まで一気に押し込まれる。
強く最奥を叩かれて、ごんの背中が弓なりに反った。喉の奥から絞り出された声は、もう言葉の形をしていなかった。
「んお゙ぉッ♡♡」
身体がびくびくと跳ねる。それと同時に、内側が激しく収縮して中にいる葉をぎゅうぎゅうと締め付けた。
「⋯ごんっ、ッあ⋯」
葉の声が途切れる。ごんの中で葉が大きく跳ねた。熱いものが最奥に注ぎ込まれる。びゅくびゅくと何度も。ごんはそれを受け止めながら、まだ余韻で身体を震わせていた。
「⋯っ、はッ、ぁ⋯」
葉はしばらく動けなかった。呼吸のたびにごんの内壁が名残惜しげに収縮して、まだ固いままの自分をきゅんきゅんと締め付けてくる。その痙攣がようやく落ち着いてきた頃、ゆっくりと腰を引いた。ずるり、と音を立てて重たいものが抜けていく。
それでもまだ腹の奥に残る熱は消えない。ごんはぼんやりとした視界のまま、自分の下腹部にそっと手のひらを当てた。手のひらの下で、さっきまで確かにあった熱がまだじんわりと広がっている。ごんはその場所を、壊れものを包むみたいに優しく、円を描くように撫でた。
「⋯なにしてんの。もしかしてお腹痛い⋯?」
そう言いながら、ごんの手のひらの上からそっと自分の手を重ねた。
「いや痛くないけど⋯ちょっと変」
「えっ、へん?」
「ん⋯あったかくて、」
ごんは掠れた声で、ぽつりぽつりと話す。
「まだ、葉のがここにいるみたいで⋯なんか、中がまだぴくぴくしてて⋯葉の形、覚えちゃったのかな、」
「⋯ッ!」
そうけろりと言ってのけるごんに、葉は思わず咳き込んだ。
「はぁ〜〜ッ」
そして、理性を抑えるように深いため息をつく。耳の先が熱くなるのが自分でもわかる。こういうところだ、と葉は思う。ごんは普段はあんなに恥ずかしがりなのに、ふとした瞬間にとんでもないことを平気で言う。それがたまらなくて、愛おしい。もうなんだか涙が出てしまいそうになるほど。
「⋯ごん」
「ん?」
「⋯ほんまに好き。愛してるよ。」
「ん⋯ふふ、おれも、愛してる。」
葉はごんの頬に手を添えた。指先でまだ赤い耳の縁をなぞる。ごんがびくっと肩を震わせたけれど、逃げなかった。葉はゆっくりと顔を寄せ、ごんの額に短く口づける。最初は遠慮がちに。けれど一度触れてしまうと、もう止まらなかった。
髪の毛の生え際。瞼。鼻の先。頬。顎の先。首筋。さっきまでの行為を微塵も感じさせない、可愛らしいリップ音が静かな部屋に響く。
ちゅ、ちゅ。
「ふふ、葉ぉ、くすぐったい」
ごんが身をよじって、くすぐったそうに笑い出した。くすくすと、喉の奥で転がるような笑い声。普段は滅多に聞けない、無防備な笑い方だった。その笑い声ごと包み込むように、葉は唇にも頬にも、額にもいろんな場所にもキスを落としていく。ちゅ、ちゅ、ちゅ。甘くて柔らかなキスの雨をごんの全身に降らせた。
その雨にほどけるように、ごんの喉から零れる声がくすくすからきゃらきゃらへと変わっていく。鈴を転がすように軽やかで、甘い。
葉は目を閉じた。キスの雨は肌に落ちて消えるけれど、その可愛らしい声だけが耳の奥に残っていつまでも離れなかった。
コメント
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めちゃ可愛いシチュすぎて本当にらぶです
今回も最高なお話ありがとうございます😭💖 萌苺さんの書く🦊本当に可愛くて超大好きです...🫶🏻️🥹
萌苺さん、第3話読みました!「声」というテーマがすごく効いてますね。ごんが必死に声を抑えようとするのに、どんどん漏れ出してしまうもどかしさと、それを受け入れる葉の優しさの対比が胸に刺さりました。特に、耳を塞いで自分の声だけを聞かせる演出、あれ好きです。最後のちゅうちゅうキスの雨、温かくてほっこりしました。2人の距離感がじんわり伝わってくるエピソードでした!