TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

シェアするシェアする
報告する

宇髄邸での生活にも少しずつ慣れてきた。 私は相変わらず「隠」出身らしく裏方気質のまま、隊士としての基礎稽古を積んでいた。


——とはいえ。


「おい、地味子。お前のその動き、もっと派手に決めろ!」

「派手にって……実戦に必要ないでしょ」

「派手さは心意気だ。お前が鬼に一撃くれてやるとき、『うわっ、なんかすごい!』って思わせてなんぼだろうが!」


朝から宇髄さんの指導はとにかく“派手”の一言。

いや、技の内容自体は真っ当なんだけど……要所要所で余計な要素を付け足してくるのが問題だ。


「それにしても○○ちゃん、足運びは本当に綺麗よね」

見学していた雛鶴さんが微笑む。

「そうそう!音もなくスッと動くところが、なんか忍っぽいし憧れる〜!」と須磨さんが手を叩く。

「……でもまだ力が足りない。宇髄様の求める派手さを出すには筋力がいるな」まきをさんが腕を組んで真顔で言った。


うん、嫁さんたちに褒められるのは嬉しい。けど。

その直後、宇髄さんがニヤリと笑い、爆弾を落とした。


「よし!筋力をつけるために、今日から○○には俺と同じトレーニングメニューをやらせる!」

「え、ちょ、待って、それ絶対死ぬやつ……」

「安心しろ!派手に追い込んでやる!」


安心できるか。



昼。


「……無理、死ぬ……」

私は庭の地面に大の字で転がっていた。腕はぷるぷる、足は棒。

なにせ「腕立て千回」「逆立ち歩きで庭十周」「丸太担いでダッシュ」などなど。

もはや訓練なのか、嫌がらせなのか判断がつかないレベル。


「まだ半分も終わってないぞ」

宇髄さんはケロリとした顔で笑う。ほんとバケモノかこの人。


「うぅぅ……」と呻いていると、雛鶴さんがタオルを差し出してくれた。

「はい。水分もちゃんと取らないと倒れるわよ」

「ありがとうございます……雛鶴さんが女神に見える」

「ふふ。須磨とまきをにも少しは見習ってほしいものね」


「ちょっと雛鶴!私だって応援してたし!」須磨さんが抗議する。

「応援より手を貸すべきだろうが」とまきをさんがツッコミ。

「喧嘩すんな。○○が余計に疲れるだろ」宇髄さんが苦笑い。


ああ、なんか……この空気。家族っぽくて、ちょっと温かい。



その夜。


稽古の疲れで頭がふらふらしていたせいか、夕食に出されたお酒をほんの少し口にしてしまった。

私は酒に弱い。ほんの一口で、顔が熱くなり、言葉がぽろぽろ口から出てしまう。


「はぁ……宇髄さん、今日のメニューは鬼畜すぎ……でも、でも……」

座布団に突っ伏しながら、気づけば本音が溢れていた。


「でも……宇髄さんが、なんか……見ててくれるの、嫌じゃなかった……」


沈黙。


顔を上げると、宇髄さんがぎょっとした顔で固まっていた。

嫁さんたちは顔を見合わせて、にやにや笑っている。


「きゃー!○○ちゃん、可愛い〜!」須磨さんが跳ねるように私に抱きつく。

「雛鶴……これ、完全に惚れてる顔だよな?」まきをさんが肘で突く。

「ええ。宇髄様、どう受け止めるの?」雛鶴さんの目が面白そうに光った。


「おい……」

宇髄さんが低く呟く。

その声音に、私は酔ってるはずなのに背筋がぞくりと震えた。


「……耐えろ、俺」

彼は額に手を当て、深呼吸していた。


「○○、今日は疲れてる。寝ろ」

「えー……まだ一緒にいたいのに……」

「っ……」


私は須磨さんに支えられて部屋へ運ばれていく。

背後で宇髄さんが小さく舌打ちしたような音を聞いた気がした。


——もし彼が理性を飛ばしていたら。

私はどうなっていたのだろう。



夜更け。


「なあ、雛鶴」

宇髄さんの声が廊下越しに漏れていた。


「俺、ちょっとやばいかもしれねぇ。あいつ、可愛すぎて……」

「ふふ、知ってるわ。須磨もまきをも気づいてる」

「……鬼ごときより、あいつにやられそうだ」


そう呟く彼の声を、私は半分夢の中で聞いた。


胸が熱くて眠れなかった。











今回甘々にしてみたんだけどどう⁉️


この作品はいかがでしたか?

904

コメント

10

ユーザー

初 コ メ 失 神 で し た ✨  次 も 待 っ て ま す 🫶🏻 🥺

ユーザー

甘々さいこー!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚