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7.二人なら
登場人物
時透無一郎 霞柱、
趣味は折り紙
琴織星夏 星柱、
趣味は星を見ること
竈門炭治郎 優しく明るい鬼殺隊員
我妻善逸 はしゃぐ鬼殺隊員
嘴平伊之助 元気な鬼殺隊員
宇髄天元 音柱
_________________
何時間か経っただろうか。一回気を失って、起きたらまだがれきの中で何も聞こえない。僕はこのまま死ぬ、はずだったのに__
ぼく「出血が_ない」
血が出ていく感触もないし痛みもなぜか消えている。
空気がなくなって意識が遠のいているだけかもしれない。
まあ結局外に出られるはずもなにからこのまま死ぬ。
お館様…
ぼくは死ぬから、また新しい柱を__
新しい…柱…
…
死んではだめだ。
ぼくは今一人じゃない。
いまがれきと僕の隙間に星夏も下敷きになっているはずだ。彼女はまだ死なせたくない__
ぼく「星夏…せなっ…聞こえる?」
星夏「…時透…さん?起きてくれたんですね…」
星夏、心臓の鼓動が早い。しかも呼吸が荒くなっている。
片方の手を彼女の顔に当てると__
ぼく「すごい熱__」
彼女は凄い熱だった。四十度ほどはあると思う。これは命に関わる。なぜこんなに…?
ぼく「呼吸を安定させて
このままじゃ柱が二人いなくなる」
星夏「…傷があった場所…手を当てて…」
あった場所?それって…。腹部に手をやると
ぼく「出血どころか…なんで怪我がなくなってるの?他の箇所も治ってる…。」
なんと怪我がすべてなかったかのようになくなっていた。
もしかしてこれが…
ぼくはその時これがお館様のおっしゃっていた
「命の呼吸」?
星夏「はぁ…はぁ………うっ__」
無一郎「!」
だめだ、死ぬな
せっかく…一人じゃなくなったのに
また…失う
また?
ぼくは誰を失った?思い出しそうなのに…
いや、それよりもここをでること優先だ。
ぼく「君が死んだら困る。もう少し耐えて」
彼女に死んでほしくないのは柱が欠けるからというだけじゃない。彼女はいなくなってはいけないと何かが言っているからだ。
星夏「ふぅー…ふぅー…」
呼吸で体温を落ち着かせている。しらばらくすると、大分体調も安定したようだ。一時的な毒でも鬼に食らっていたのだろうか
星夏「時透さん、迷惑かけてごめんなさい…熱はおさまりました。
外に出ましょう。二人ならきっと…
私まだ、戦えますから。」
そうだよね、僕一人じゃ瓦礫から出れないけど、二人なら
無一郎「うん__
霞の呼吸 しの型 移流斬り」
星夏「星の呼吸 一の型 ほうき星」
ドガァァア!
二人での連携で威力が十字架のごとく重なりがれきを吹き飛ばした。どちらか一方が欠けていたら絶対出られなかった。
結局ぼくも吉原に来て本当良かったと思った。
外へ出れた。火と残骸だけの地獄絵図だ。
ぼく「俺たちが埋まってるうちにこんなことになっていたのか__」
星夏「…っ」
星夏は全身ボロボロだ。マントが裂け、頭から血がしたたり、呼吸は安定しているが、熱が出たばかりだったし、全身傷だらけだった。でも
そんなことを気にせず、目から前のように気配を感じなくとも息が潰れるような憎しみが、心の奥で取り巻いているのがわかる。
ぼくも同じだ、この景色を作った鬼に大きな憎しみが沸く。
いや、とにかくいまは考える暇はない。速く応援へいかなければ
ぼく「いこう」
星夏「はい」
気配を追うとそこにはボロボロになって戦う鬼殺隊員たちと音柱の宇髄さん…そして上限の陸がいた。初めて見たがそんなに驚きもしない。ただその生き物に強烈な嫌悪感があるだけだった。
戦いの様子から上限の陸は二体、首の同時破壊が必要だと察知。戦いの流れから戦いは終わりに近く、このまま隙を狙って首は切ろうと二人で判断したので、とりあえずがれきの陰にかくれた。
星夏「宇髄さん、炭治郎くん、善逸くん、伊之助くん…みんな大怪我してる、でも戦ってる。首は切れそうだけど、みんなも死んじゃう…やっぱり、まずい」
星夏は自分の怪我のひどさは全く気にせず、みんなの心配をしていた。
星夏「もう、助けに行った方が…」
無一郎「まだ、だめ。確実に鬼の首を切るのが優先でしょ」
星夏「でも…」
そう話していると宇髄さんの叫び声が聞こえてきた。
宇髄「お前ら、逃げろぉぉお!!」
星夏、無一郎「_!」
鬼の首は切れたようだ、
だが鬼が最後の力で爆発する
ぼくたちはその瞬間、一瞬の速さで四人を連れて逃げた。
星夏は女の鬼と戦っていた黄色い髪の男と、猪のかぶり物の男を連れだし__
俺は男の鬼と戦っていた宇髄さんと赤い髪の鬼殺隊員を連れだした。
バァァン!
あと一瞬おくれていたら危なかった。
星夏は反対方向へ逃げたがなんとか無事なようだ。
爆発が収まり、
さっきの位置に二人をそれぞれをおろした。二人ともひどい毒にかかっていて、怪我もひどく死にそうだ。赤い髪の隊員はともかく柱の宇髄さんは助けないと、
星夏ならなんとかできるかもしれない。星夏を急いで連れてかないと
いそいで反対方向へ走ると星夏がいた。背中を向いて、二人を優しく降ろし、しゃがんで、止血していた。ぼくが気配を消して近づいているからか、星夏はぼくに気づいていなかった。
星夏「二人とも気を失ってる…」
星夏が悲しそうな声で呟く。話しかけようとしたその時、
パアアア
太陽のような美しい光が彼女の手から放たれていた。それは気絶した隊員二人を包み、傷を治していく…。金色の瞳と銀の髪、透き通る肌が輝き、その光景は人々を救う天使のようだった。怪我がほとんど消えたときぼくはさっきのように彼女の真後ろから話しかけた。
ぼく「__さっき、そんな感じでぼくも治したの?」
星夏「えっ…
時透さん…」
ぼくに気づいたとき、彼女の光は途切れた。
_________________
私の治癒を時透さんは直に見た。
恐怖がよぎった、嫌われるのかと__
時透さん「…きみ」
彼は下を向いていた。目が見えなかった、化け物扱いされないとは思うが、
やっぱりこわい
時透さん「きみ…すごい」
私「えっ__」
時透さんががしっと私の肩を掴む。でもいつもの無表情だ。
時透さん「そんな能力反則でしょ
きみやっぱり精霊か天使なの?」
驚いてそうののにいつもの感情の起伏がない口調で彼は聞いてきた。予想外の反応にあっさり口が開いた
私「私のこと、嫌いにならないんですか?」
時透さん「他の隊士に治癒をして嫌われなかったのに、なんでぼくには嫌われると思ったの?それになんで自分の傷は治さないの?君が無理して倒れたらどうするの?」
私「えっ?」
止まっていた時が動きだすかのように、私の心臓は大きな鼓動がなった。
時透さんにも嫌われなかった。大切な人ほど嫌われてきたから、心配で仕方なかったのに。
それにどうして体の心配をするの?
時透さん「君、その治癒?を使うたび体に負担かけてるでしょ、さっき熱でてたし、いまも呼吸が乱れてる。
さっきもいったけどさ
君が死んだら俺、困るんだけど。
ほどほどにしてくれない?」
私「どうして…」
時透さん「なに?」
私「なんでみんな私のこと、気持ち悪いとか、人間じゃないとか…化け物扱いしないんですか?」
いままでの恐怖が出て行くかのように目が熱くなり、一滴涙が零れた。
時透さん「…なるほどね、人前に出たくなかったのはこれが理由なんだ。今みたいに傷をなおすと
その力で、人にそんな目で見られたから」
時透さんが、私の手をさっと握る。
無一郎「鬼殺隊の人達は、君のことをそんな風にいう人はいないんじゃないかな (いたら殴るけど)
君はお人好しだから、そんなこと気にするけどさ…君はなにも気持ち悪くないよ」
星夏「あぁ…もう、どうしてそうなに」
無一郎「安心して」
星夏「…ぐすっ」
私は時透さんを抱きしめてしまった。数分間そうしていたと思う。
心の中の不安がスウッと透けた。
疑ってたけど、確信した。
もう、いいんだ。この力をつかって、
“ここ“では、ここなら間違ってないんだ。
役に立てるんだ。
やっと、人といても怖くなくなった。
私は、嫌われるのが怖かったんだ。
こんなやつで、この力で、
これ以上嫌われたくなかった。
無限列車のときも、実は気持ち悪がられてたんじゃないかって心のどこかで信じられなかったんだ。
でも、鬼殺隊で、そんなことはそんなこと気にしなくてもいいんだね。きっとここが私の居場所なんだ__
私「ありがとう、時透さん。あたなたのおかげで勇気を貰えました」
時透さん「いや、ぼくはべつに…」
時透さんは自分ではわかっていないけど、照れてるのか一回後ろを向いた。
私「時透さんは不器用だなぁ」
時透さん「そんなことないでしょ、別に」
星夏「あと、なんで自分の傷は治さないのか聞いてましたよね?私、自分の治癒は出来ないんです」
時透さんがなんで?と言うように首をかしげる。
無一郎「なにそれ、自分だけ治せないとか理不尽じゃない?」
星夏「そんなの、どうでもいいじゃないですか」
私は自然と__笑顔になれた。
時透さん「…(本当に自分のことはなにも考えないんだな)」
今度は私が時透さんを助けたいな
あっ!ていうかまずはみんなの傷を治さないと!
パアアア
私「よし、完治完了です。
時透さん、私宇髄さんたちにも治癒したいので案内してくれませんか?」
時透さん「いいけど、それでまた熱を出すとかやめてね」
私「はい…!」
そこには腕を一本無くし、片目を失明した宇髄さんと、全身刺されボロボロの炭治郎くんがいた。みていて本当に苦しかった。時透さんは急いで応援を呼びに行ってくれた。その間にやってしまおう。
私「宇髄さんの腕と目はまだ再生できる。よし…」
スーーーー…
命の呼吸 参の型 成改の息
ボアアアア
宇髄さん「…っ!?琴織!?無事だったか!って何じゃこりゃぁぁあ!」
宇髄さんが起きた。
私「命の呼吸で腕と目を再生させてます…」
命の呼吸 弐の型 時の彷徨
ぱぁぁあん
これは毒消しや病気を治せる。もちろん鬼の毒だってへっちゃら。
宇髄さん「なんかきもちわりぃな…」
私「…これで大丈夫です!」
宇髄さん「(色々と…信じられねえ)なんかすげえけど、お前のおかげだ。ありがとうな(*^_^*)」
やっぱり嫌われるどころか感謝してくれる…。すっごく嬉しい。
私「いえ!当然のことをしたまでです!
次に炭治郎くんのところへ行ってきます」
宇髄さん「おう!」
生まれて初めて命の呼吸の使い手で良かったと思った。
私「炭治郎くん…五体満足だけど酷い…。」
パアアア
骨折とか切り傷はなったかな?
じゃあ次は毒…
私「ごほっ!ごほっ!はぁ…はぁ…」
吐血した。急いで血を拭く。
…これ以上治癒はまずい
禰豆子ちゃん「んんんっ…」
あせっていると…
鬼が現れた。女の子?人を食べてない…そうか、この子は炭治郎くんの妹の…禰豆子ちゃん?箱から出てきた。五才児ぐらいの姿かな?かわいい、
見ていると目が合った。
禰豆子ちゃん「んっ」
ばぁぁあ!
私「…燃えた!?」
そうか、禰豆子ちゃんの血鬼術は鬼だけもやす特殊なものっていってた!
なら…
私「禰豆子ちゃんお願い、炭治郎くんの毒を全部なくしてあげて」
禰豆子「んんっ!」
そしてうなずいてくれた。目がくりくりしていてかわいい。これでひとまず安心だ。
彼女をなでて私は時透さんのところへ向かった。
時透さん「…きみ、体は大丈夫なの?」
私「はい!これぐらい全然!」
でもやっぱ息は苦しい、肺が痛い。でもみんなを治せてよかった
時透さん「お館様が、君もゆっくり休むようにって」
私「…はい」
できればまだ動けるし…任務行きたかったな。
時透さん「ほら、帰るよ。でもよく見て、怪我が酷かったら蝶屋敷にいって」
私「はいっ!」
その場を去った。炭治郎くんたちには迷惑をかけたけど、また後で話しに行こう。
しばらくして、夜も明け、時透さんの屋敷についた。玄関にはいって、見慣れた景色に安心感があった。
私「(もう…遊郭はこりごりだなぁ)」
それから数日すると傷も完治した。一週間後には任務に戻ることに、任務復帰一日前…私は交渉をした。
私「時透さん…私たまには私一人で買い物…」
無一郎「何言ってるの?だめだよ」
いやそろそろ
一人で外に出させてください…
時透さんは相変わらず、二人でいることにこだわっています…。