数日後、シャオロンが目を覚ました
ゆっくりと瞬きをして、
俺をしっかり捉えた
「、、、生きとる」
それだけ言って、目を閉じた
続きの言葉はなかった
大丈夫だ、助かる、なんて誰も言わなかった
シャオロンが少しずつ身体を
起こせるようになった頃
シャオロンは窓の外を見ていた
「、、、歩けんくなっても、
置いてかんといてな?w」
軽い冗談みたいな声だった
でもその言葉には
この先がある前提だけが残っていた
同期の行方は、最後まで分からなかった
記録は凍結され、 名前は次第に呼ばれなくなる
また会えると言った声だけが、先に消えた
先の話をする人間は もう周りにいない
それでも隊長はこちらを見た
「夜が明けるかは分からん」
少し間を置いて、続ける
「でも、隣に俺が居る」
それは未来の保証じゃなかった
世界の代わりでもなかった
ただ、隣に立つという約束だった
世界は変わらない
能力者が上に立ち
無能力者は下に置かれる
それでも
剣を握った手の感触
倒れた仲間の重さ
今も隣で生きている人間の温度だけは
確かに残っている
それでも
夜明けを 保証する者だけは居なかった。






